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仮面の独白

夢で見た感情のまま起きた瞬間に書き連ねたフィクションでありグレーでもある叫びです。


家族は嫌いだった
三人いつも遊んでいた
暑くなってきた頃の夏休み前のあの日
あの子の顔は暗かった。
小学校のお母さんは優しくて好きだった。

独白、本番中焦ってできなかった
偉い人が罵倒する。長く土下座させられ手を結ばれ詰問された身の上話

母も父も生意気妹も見栄っ張りの弟も嫌いだ、表面上はいい兄貴だったはずだ
どうしようもなく嫌いだった。
重機置き場ヒグラシの夕暮れうすやみにあいつが現れる。さらけ出される心の独白。これがこれまでの人生の醜悪
あの子はもういない。助けたかった助けられなかった8月
その日 ようやく連れ出そうと家に向かった
あの子は父を殺したのだ。ちみどろの現場、あいつが呟く誰のせいだ、誰の誰の誰の!
1番生意気なのは僕だった
1番見栄っ張りなのは僕だった
1番嫌いなのは僕だった。
何もかも遅かった僕自身だった

自覚のなかった僕は罪を重ねた。
あの子の手をとって走った
走れば走るほど道は狭くなっていくことには目を積むってつんざく笛が追いかける音には耳をふさいで
ただこのぬくもりだけは離さぬように

これは罪人の独白
息切れと同時に嗚咽。この独白はフィクション。
詰問は終わり抱きしめられた僕は割れんばかりの拍手に包まれた
この独白はフィクション。仮面の物語



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