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ボイストレーニング=腹筋を鍛えるが危険なワケ

こんにちは!高槻・草津ボイストレーナーの安田結衣です。

前回の記事では「喉以外の筋肉を使うと爆発的な声が出る」というお話をしましたが、今回はそのデメリットについてよくある質問と共に触れていきたいと思います。

腹筋は鍛えた方がいいのか

ボイストレーニング=腹筋というイメージは根強いようで、よく「声と一緒に腹筋も鍛えた方がいいんですか?」という質問を受けます。私の個人的な意見としては、腹筋に関わらず喉以外の大きい筋肉は声のサポート的な立ち位置に置いておいた方が上手くいくと思っています。

腹筋を鍛えるのが危険なワケ

今回は腹筋の中でも腹直筋のみに絞って説明していきます。
腹直筋は6パックで有名な筋肉で、第5肋骨から恥骨の前までの長さがあります。

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(アナトミー・トレイン Thomas W.Myers P119医学書院より添付)

この画像にもあるように、腹直筋は筋筋膜の繋がりを幅広く持っている筋肉です。そのため腹直筋を鍛えすぎてしまうと、同時に胸筋や胸鎖乳突筋の収縮も強くなってしまう可能性があるのです。

声にどんなデメリットがあるか

それらの筋肉は呼吸をするときに使われる筋肉なのですが、収縮が強くなりすぎると息の吐きすぎ息の吸えなさすぎに繋がってしまいます。ではなぜそれが声に悪影響となるのでしょうか。

腹直筋や胸筋を使って息を必要以上に吐きすぎると、声帯の閉鎖が強くなりポリープなどを引き起こしてしまう原因となります。そして最終的には肋骨を広げることも出来なくなるので呼吸が浅くなり、息が不足するのでより喉を締めた発声になるという負のループが起こります。

声帯の閉鎖が足りないという方にとっては、腹筋の力を借りてあげるのもいいのかもしれませんが、くしゃみで大きい声が出ているという方や笑いすぎてお腹が痛いという状態になったことがある人であれば、あえて使おうとしなくても良いのではないかと思います!

ロックなどジャンルによっては、より強い閉鎖を必要とするものもありますが、まず最初は閉鎖の練習をしてあげて、最後のトッピングとして腹筋を入れてやる方法を個人的にはお勧めしたいです。

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