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身体の融合が生む爆発的な声

こんにちは!ボイストレーナーの安田結衣です。
今日は日常的に耳にする身体の融合を使った爆発的な発声を紹介します。

融合とは

ミックスボイスという声が流行った17,18世紀の発声指導では、まず純粋な裏声・地声を分離して出せるようにし、個別に鍛えて(強化)から、最後にブレンド(融合)するという指導方法がありました。

分離では声帯という1cmほどの小さな発声器官や共鳴腔をコントロールできるようにします。それができるようになった後さらに使う筋肉の反応を強化します。一見シンプルな考え方ですが、分離と強化の範囲や方法はボイストレーナーやメゾットによって、内喉頭筋を個別に扱うというミクロ的なものから喉仏の位置を変えるなど様々あります。

そして融合の段階では、個別に強化させた発声器官や喉の筋肉をブレンドさせることで、様々な声色のバランスを表現できるようにしていきます。(ミックスボイス、〇〇ボイスなど)

融合は喉から上だけじゃない

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解剖実習を経験する中で、アナトミー・トレインという筋膜の繋がりや、喉の可動性が姿勢や生活習慣によっても変わるということを学ぶことが出来ました。「もしかして私が今まで見てきた声帯や喉、発声器官はほんの一部分で、実はまだまだ声の可能性は隠れているのではないか。」という視点を持つことが出来た貴重な経験でした。

それから機能解剖学やボディーワーカーとのセッションでより深く身体について学ぶ中で、発声には、呼吸筋、腹筋、首の筋肉、表情筋など様々な場所が影響しているという考え方が自然に思えるようになってきました。それからは「お腹から声を出して」や「お尻の穴を締めて」など身体を使った指導ワードが面白く感じるようになりました。

融合が上手く行ったケース

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喉だけでなく、身体全体の融合が上手く行ったパターンとしては「おじさんのくしゃみ」「びっくりした時の叫び声」などがあります。これらは内外喉頭筋・呼吸筋・腹筋などの強い収縮によって抑え込まれた空気が一気に放出される時に声帯や仮声帯の厚みが保たれたまま振動することで、あのような大きい声が出ると考えます。

今までは喉周りの探究を続けてきましたが、ボイトレでは全然声が出ないけどくしゃみの時はやたら大きい声が出る…という事実は無視できないなぁと思うので、今後はさらに探究していきたいと思います。

次回は身体の融合が悪い方向に働くケースを紹介していきます。


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