ショートカットフェチ


右クリックを使わなくなった。


さすがに語弊がある。右クリックは使う。

使うが、使用頻度が極端に少なくなり、最悪丸一日右クリックをしない日もあるので、マウスの設定を変えて右クリックしにくい配置にした。


個人的に、他人のPC捌きを見ることに興奮してしまう。デザイン・IT企業のブログで、社員の作業環境を紹介している記事を見るのが好きだ。

その人がどんな意図でどういうガジェットを揃えているのか。Adobeソフトのウインドウは何を表示させているのか。ある意味「究極のプライベート」を覗いている感覚。

今回は、少なからず同じフェチを持っているであろう人たちに向けて、僕のプライベートを見てもらおうと思う。



とあるメーカーが、誰でもネットでデザインシミュレーションができるセミオーダーのアパレル商品を販売しており、そのデザイン通りにデータ作成から製品の生産まで行っている、「OEM工場」のデザイン部分を主に担当している。

Adobe Illustrator(以下イラレ)を使っているが、0から考えるような一般的に認知されているデザイナーではなく、指示書を元に正確に再現するオペレーター的な仕事だ。


つまり、
ゴールが明確で、プロセスも体系化されている。

生産工場は作業効率が粗利に直結するため、そのプロセス内の無駄な工程をいかに削減するかが命題になっている。

極論(持論)として、
・マウスから手を離すことによる操作のラグ
・メニューバーから選択するワンクッション
・ショートカットの指運び

これらの削減・短縮を図ることが、個人レベルの作業の中で必要不可欠になる。(もちろん部署・会社規模での根本的な見直しも並行している)


デザインのフォーマットがあって色やフォントも決まっていて、使用するツールも限られてくるので、そのほとんどはショートカットに登録できた。

その結果、イラレを使っている間は全く右クリックをしていないことに気がついた。

右クリックを使うことは息をして生きているようなもので、必要性なんて考えようともしなかった。まさか右クリック無しで仕事が出来るとは思ってもいない。


はじめは、恐る恐る意図的に右クリックをしにくい設定に変えたが、特段不便を感じない。じゃあこのボタンを、もっと汎用性の高い設定にできる。


できる事が増える
そう思ってしまってから、一気にイラレを快適に操作するための環境を整備した。


■トラックボールマウスに変更
・一日中マウス操作による手首への負担軽減

直線的なカーソル移動に難があるのがデメリットだったが、一週間使えばもうトラックボール以外なんて考えられないくらい快適になった。


■キーボード
・Fキーにもショートカット割り当てが可能
・ctrlに小指を置いたまま、親指がPまで届く

よく使う操作の「整列」と「パスファインダー」。直接ショートカット設定ができなくてずっとウインドウを出さないといけなくて邪魔に感じていたし、そもそも今までのキーボードではもう設定できるキーの空きがないこともあり短縮化を断念していた。

Fキーにも割り当てが可能になったことで、
①整列とパスファインダーをアクション登録
②そのアクションをショートカットに登録
と、半ば強引に設定した。

これこそ息をするように使う機能なので、一番目に見えて短縮できた。


ショートカットが増えることでイラレのウインドウも最小限にして、かなりスッキリした。素晴らしい。


マウスから手を離す、ショートカットを極限まで設定する。たかだか0.3秒の動作でも、年間40,000データくらい捌くので、トータル3時間の削減になる。3時間はデカイ。

多分、というか絶対、何かの事情で僕のPCを他の誰かが使うことになっても、誰もまともにイラレを使えないくらいカスタマイズしていることが欠点だ。


仕事だけに限らず、生活の中で当たり前だと認知していることを疑ってみるのも、ちょっとだけ自分を豊かにしてくれるのかも知れない。



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