社内で新型コロナウイルス感染者が発生したら何をすべきか
こんにちは。N川むすびです。
全国で新型コロナウイルスの感染者が増え続けている昨今、実際に社内のスタッフが感染してしまった場合、バックオフィスとしてどのような対処が必要か。保健所の指示に従うことを前提として、今回はその流れをお伝え出来ればと思います。
※ケースにより対応が異なりますので、あくまで参考としてお読みください。
▼想定
・社員数50名以下の飲食ではない一般企業
・基本リモートワークで少人数だけ出社している状態
・社内で感染者発生
・感染者の症状は軽症である
・ビルのテナントを借りている
▼事前にしておくといいこと
◎感染防止のためのルールや社内規定を周知しておく
新型コロナウイルス感染対策や発熱した際の対応、万一感染した際の報告先は誰か、経営とバックオフィスの連携などを明確にして社内にアナウンスしておきます。
◎スタッフの出勤状況を明確にしておく
例えばSlack等に出勤報告チャンネルを作成しておき、毎日、誰がいつどこで働いていたのかが分かるようにしておくと、いざという時に素早く確認ができる体制が整います。
※業務委託などオフィスに出入りがある方も把握しておくこと
【感染発覚前-0】情報をキャッチして迅速に動く
◎会社
リモートワーク推奨であってもオフィスを開放している場合、業務の都合等で頻繁に出社しているスタッフも出てきます。
そのスタッフが「発熱」したら、新型コロナ感染の可能性を考え、万一の場合はすぐに行動を移せるよう経過に注意します。
【感染発覚前-1】発熱したスタッフへ案内
◎会社→発熱者
まずはオフィスに出社しないように連絡の上、かかりつけ医がある場合は事前にクリニックに電話で受診相談をするように案内。
かかりつけ医がない場合は「発熱相談センター」等を案内します。
※受診後、検査の結果は当日中に出ないことも。結果を待つ間にバックオフィス内で体制を整えておくとスムーズです。
新型コロナウイルスに関する相談・医療の情報や受診・相談センターの連絡先（厚生労働省）
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
【感染発覚前-2】オフィスの消毒を行う
◎会社の安全衛生推進担当
発熱をしたスタッフのデスク周り、チェア、ドアノブ、私物、共用スペース等を消毒処理します。処理に悩む場合は、相談窓口に問い合わせつつ対応します。消毒しておくことでコロナ感染ではなかったとしても、事前の予防となります。
新型コロナウイルス対策として有効な消毒法（東京都福祉保健局）
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/smph/minamitama/oshirase/shodoku.html
【感染発覚前-3】情報を時系列で控えておく
◎会社
社内外へのアナウンスや保健所のやりとりにおいて正確な状況報告が必要となるので、スプレッドシート等に時系列で情報をまとめてチームで確認できるよう準備しておくと便利です。
【感染発覚後-1】PCR検査の結果が陽性・新型コロナ感染を確認
◎感染者→会社
陽性と判断されたスタッフは自宅待機で保健所からの連絡を待つこととなります。感染者に感染したことを会社に報告してもらいましょう。
◎会社
会社は保健所から連絡が来るまで、一旦待機となります。
【感染発覚後-2】オフィスを立入禁止とする
◎会社→全スタッフ
二次感染を防ぐため、スタッフへ状況の説明とオフィスへの出社禁止をアナウンスします。人数が少ない企業の場合は、スタッフ間で噂や憶測を呼ぶよりも名前を出して報告するという判断もありますが、その際は事前に本人に同意を得る等、個人情報やプライバシーの扱いに配慮するよう注意します。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした個人データの取扱いについて（個人情報保護委員会）
https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/covid-19/
※来客予定の方や業務委託等、社員以外で出入りのある方へのご案内も忘れずに。
【感染発覚後-3】濃厚接触者（疑い）の方に情報を共有
◎会社→濃厚接触者(疑い)
濃厚接触者かどうかは保健所の判断となりますが、その可能性は下記の条件に当てはまる方となります。感染拡大を防ぐため、濃厚接触者となる可能性があることを本人へ連絡し、行動に注意をしてもらうよう呼びかけます。
濃厚接触者とは
問３ 濃厚接触者とはどのような人でしょうか。
新型コロナウイルス感染者から、ウイルスがうつる可能性がある期間（発症2日前から入院等をした日まで）に接触のあった方々
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q3-3
引用：厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A
実際に濃厚接触者となった場合は、保健所から本人へ濃厚接触者であるという連絡がくるので、確定するまでは自宅待機してもらうよう案内します。
【感染発覚後-4】ビル管理会社へ報告する
◎会社→ビル管理会社
テナントを借りている場合、速やかにビルの管理会社へ報告します。
下記のような内容を随時更新しながら報告していきます。
■ビル名/階：
■テナント名：
■陽性反応者：〇名
■感染経路：
■最終出社日：〇/〇
■感染発症日：〇/〇
■PCR検査日 ：〇/〇
■陽性発覚日：〇/〇 (濃厚接触者：〇名 PCR検査結果：〇)
■保健所指導内容：
■当社の対応内容
※ビル管理会社からの指定がある場合は、その書式に合わせてください。
【感染発覚後-5】保健所から感染者へ連絡がくる
◎保健所→感染者
保健所からは主に下記のようなヒアリングがあります。
・現在の症状
・感染した疑いのある日（なければ14日分遡って確認となる）
・感染した疑いがある日の当日の様子
・濃厚接触者の確認
・職場の連絡先と担当者
・今後の案内
当日〜翌日までにヒアリングを元に保健所から感染者に連絡があるので、「発症日(確定)」「感染経路」「濃厚接触者(疑い)」「会社の誰宛に保健所から連絡がいくか」等、保健所の判断により確定した情報を感染者から会社に報告してもらいましょう。
【感染発覚後-6】保健所から会社へ連絡がくる
◎保健所→会社
主に保健所から下記のようなヒアリングが担当宛にあります。
状況により異なるので下記は参考までとなりますが、会社としてどのような対応を行っていたかを正確に答えられるよう把握しておきましょう。
▼オフィスに関して
・広さや窓の位置など
・オフィスの使い方（フリーアドレスかどうか等）
・日常的に使っている人数
・現状の出勤に関してのルール
▼コロナに関して
・出社時にルール化していることの確認（マスク必須にしているかなど）
・換気のルールと実施者
・除菌のルールと実施者
・社員への啓蒙方法
▼感染者に関して
・発症日からの勤怠記録詳細
・感染者の出社日に関して行動詳細
・同日にフロアにいた人数
・感染者との接触に関して詳細
ヒアリングの後、保健所から会社に対して「何をすべきか」の指示があります。会社はその指示に従い速やかに対応します。
【感染発覚後-7】保健所から濃厚接触者へ連絡がくる
◎保健所→濃厚感染者
濃厚感染者(疑い)と判断された方へ保健所から連絡が来ます。
主に下記のようなヒアリングや案内があり、濃厚接触かどうか判断されます。
・感染者と交流した状況の確認 (例：感染者と食事をした際にどこに座っていたか等)
・PCR検査のご案内（濃厚接触者となった場合）
濃厚接触者から会社へは、後日PCR検査を受けた後に結果を報告してもらうようにしましょう。
【感染発覚後-8】社内に情報共有&アナウンスする
◎会社→全スタッフへ
保健所からの指示を受けて、どのような対応をするかの方針を固め、全社アナウンスします。
※来客予定の方や業務委託等、社員以外で出入りのある方へのご案内も忘れずに。
【感染発覚後-9】取引先へ報告する
◎会社→取引先
社外に公表するかどうかは、義務ではないため会社の判断となります。誠意ある対応としては、相対する可能性のある取引先に対して、事実共有と対策の報告をすることが安心へと繋がるので、メール等で報告すると良いです。
この場合、現場担当者にオペレーションを委ねるのではなく、会社(経営)が送信先を取り纏めてリスト化し一斉送信します。そうすることで対応のバラつきを防ぎ、迅速かつ正確に取引先へ報告することができます。
【その後】アフターフォロー
ひと通りの対応が終わった後は、下記のようなフォローも必要に応じて随時行っていきます。
・感染者や濃厚接触者へのフォロー
・再発防止のための感染予防アナウンス
・スタッフのメンタルケア
ざっと一連の流れを書き出してみましたが、感染拡大防止の観点から、感染発覚から１日～２日間という短期間で非常にスピーディーな対応が求められます。
まずは感染しない・させないための啓蒙活動や、換気消毒等の日頃の予防活動が大切ですが、いざとなった場合に混乱せず冷静な対応が出来るように、事前に体制を備えておくことが重要となります。
いつ誰が感染してもおかしくない今、今回の記事がバックオフィスのみなさまの参考になれば幸いです。
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