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かわら版No.18「政策デザイン」へ!会派管外視察①

いつもお読みいただきありがとうございます。今回は「政策デザイン」についてです。先日福井県庁の視察の機会をいただきました。目的は、「ふくい政策デザイン」の取組を先進地視察としてお聞きするためです。

「ふくい政策デザイン」は、杉本福井県知事の着任により令和元年から始まり、現在試行錯誤しながら進めて取組とのことです。「政策デザイン」は、行政政策の立案において、県庁とデザイナー・クリエイターが協働して政策を立案します。担当課長さん曰く、政策の中の“改善”の一部であり、県庁とデザイナー・クリエイターが協働して、デザイン思考とデータサイエンス(EBPM)により政策の質の向上を進めていくものです。

政策デザインの対象範囲・流れは、
コンセプトのデザイン ①本質的な課題抽出②目的の明確化③ユーザー目線
プロセスのデザイン ①ターゲットに合わせた場や手段②共創プロセス
コミュニケーションのデザイン ①タッチポイント②理解しやすく、伝える
③共感が得られる④行動に移そうという気持ちになる
と、政策づくりの上流から下流まで、各段階がデザイン(概念的な整理)を通じて構成されています。

要するに、僕の言葉でめっちゃ平たく言うと、これまでのオカタイ行政政策ではなく、広い意味でのデザインのひろがりとゆるさを取り込んで、今どきでありながらエッセンシャルでエコー(echo)な行政政策に作り込んでいこうとする取組と言えます※。
※ オカタイ≒縦割り・供給者目線。デザインのひろがり≒現代デザインの概念的な広がりとその諸相。ゆるさ≒遊び。今どき≒再帰性と時代性。エッセンシャル≒ほんもの志向、メタ認知的な目的性。 エコー(echo)≒共感や需要者目線、ケア、コミットメント。など

具体的なアウトプットとしては、例えば、「フクション!」
福井県で「幸せ就労」の仕組みをつくるために生まれた、福井県福祉障がい課の事業です。

交通安全の自分ごと化の取組、交通安全家族!

など、福井県では、ブランドではなく、プロジェクトをつくることに、重心が置かれています。「今、(広まりは)どれぐらいですか?」とお訊ねしたところ、「感覚値で3割ぐらい、達成感、面白さがあり、知事が変わっても続いていくのではないか」とのことでした。また「(政策を)見たことのない景色まで持っていきたい」とのお答えも印象的でした。現在福井県庁内では、予算枠をとって、各事業課から毎年政策デザインよる政策立案の希望・要望を出してもらっていて、数自体は自然と増えて行っているとのことでもありました。また、令和3年3月から、「政策デザイン」をアフォードする場の整備のため、行政と県民、専門人材等の協働・共創のためのプラットフォーム「パブリックデザインラボふくい(Public Design Labo Fukui)を担当課(未来戦略課内)に開設して、場所の環境整備もしたそうです。最後に、政策デザインの目指す先として、政策の変革(PX Policy Transformation)、さらには、組織文化の変革(OX Organization Transformation)が目的とのことでした。

福井県庁では、「ふくい政策デザイン」というチャレンジをしています。抽象度を上げれば、誰かの、他の自治体の後を追うのではなく、それぞれの強みや特徴・個性を生かして、その地域や個人に合ったコミュニティとしての生き方を模索しているのだと思います。「community(共同体)」という言葉そのものは、ラテン語のcom(「共に」)とmunus(「贈り物」)からなりますが、「一緒に生きること」を表すだけなく「与え合うこと」をも意味します。私たちがコミュニティに属するということは、私たちがそれぞれ異なっていることを前提にしたうえで、それぞれ与え合うものを持っているからでしょう。多様な人々が心地よく生きることができる社会を、みんなでデザインして行きたい、その可能性を問う、視察となりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

かわら版No.18




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