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農家は価格を自分で決める方向に持っていかないと厳しくなってくるよね

どうも!
しろべこ農園のウージーです!

先日に「なぜ、ネギ1本が1万円で売れるのか?」という本を読みました。
これはネギをブランド化して、1本1万円で売っているねぎびとカンパニー代表の清水さんが書いた本です。

僕自身もこれから作っていく会津みしらず柿をブランド化したいと考えているので、
どのようにしてネギを1本1万円で売ることができているのか。
また、なぜ、ネギをブランド化しようと思ったのかを知りたくて、
この本を読みました。
今回はこの本を読んで感じたことを今回は書いていきたいと思います。

なぜ、野菜をブランド化するのか

この本によるとネギの小売価格は20年以上も変わっていないとか!
これには驚きですね。
ネギの価格は変わらないのにネギを栽培するのに必要な資材や燃料代、人件費などはどんどん値上がりしています。
普通の産業であれば原価が値上がりすればそれは商品の価格に反映されるようになっています。
しかし、農業の場合には市場での競りで価格が決まるため、価格が安定しません。
さらに不思議なのが、豊作の年であればあるほどに価格は下がって農家は苦しい思いをするということ。
このようなシステムに疑問を持ち、価格を自分の意思で決め、販売する方向にシフトしていったといいます。

やっぱり、「農協に出荷して終わり」というやり方だけでは農家は生き残っていけないなと改めて思いました。
いくら頑張って栽培しても最終的な価格を自分で決められないというのはかなりリスクだなと思います。
普通の会社員でも一生懸命に頭を働かせて、体を動かして成果を上げている人もいれば、ただの指示待ち人間で言われたことだけをやっている人もいます。
それで同じ給料だったらやる気を無くしてしまいますよね。

農家でも同じで、一生懸命に手間暇をかけて、熱い情熱を持って作っている人もいれば、ただ生活費を稼ぐだけの為にやっているような人もいます。
農協や市場に出荷しているだけでは、どちらの農家の野菜も同じ値段で「〜見産」という形で取引されてしまいます。

こんなんじゃ、志高く持って作っている農家はやってられません。
だから、できるだけ高い価格で、自分で価格を決める方向にしていかないと経費だけが嵩むばかりで生活が苦しくなっていくだけです。


ブランド化は他のネギも高く売る為にやっている

ブランド化して高い値段で販売するというと「金儲けに走ったか!」とか「そんな高い値段で売って消費者を騙している」とか言い出す人がいたりしますが、ただの金儲けの為にやっているわけではないです。
そして、騙して金を取ろうなんても思ってもいない。

清水さんは「1本1万円の高単価のネギを販売することによって他のネギの単価を上げることにつながっている」といいます。
ネギを年間で約200万本を出荷しているといいますが、1万円で販売しているのはその中から毎年10本ぐらいだけできる「ビックリするほど太く、見た目のバランスも美しく、味もこの上なくいい芸術品」のようなネギのみです。
なので、単純計算で売り上げだけでいうと10万円ぐらいになります。
年間で200万本も出荷しているねぎびとカンパニーからしたら売り上げに大きな影響はありません。
でもネギを1本1万円で売る理由は残りの200万本のネギの単価を上げることにあります。
「1本1万円のネギを作っている農家だから他のネギもコスパが良いだろう」という風に感じてしまいます。結果、普通のネギよりも50円とか100円ぐらい高くても買ってみたくなるということです。
そして、実際に売れている。

農家は「きつい、汚い、カッコ悪い」 だけど・・・

農業の仕事はよく3Kと言われています。
それは「きつい」「汚い」「危険」
そのほかに、「カッコ悪い」「稼げない」なんかも言われていたりしますね。
それぞれの言葉の頭文字をとって「3K」ということです。
しかし、最近ではスローライフだったり農的な暮らしなどがクローズアップされて田舎に憧れを抱いている人も少なくありません。
老後は田舎でまったりと暮らしたいと思っている人も少なくないでしょう。
退職金を使ってのんびりと暮らしていくなら良いかもしれませんが、軽く野菜なんかも作ったりして生活したいなんて考えていたら結構甘いです。
もちろん規模とか作るものによりますが、家庭菜園でも結構大変だったりします。
農家に対するイメージが良くなってきているのは良いことですが、幻想を抱きすぎるのは危険だなーと思います。

著者の清水さんも農業は「泥だらけになるし、汗臭い。肥料は臭うし、腰が痛くなる。天候に振り回されて気が休まらない。それでいて、たいして儲からない。」と仰っています。
それらを認めた上でも農業は大好き。
農業は「汚い、臭い、きつい。でも、かっこいい」のだと力説しています。


ねぎのブランド化に向けたドタバタ劇をリアルに熱く綴ってくれている良書です。
ねぎ栽培している人や興味がある人、農業に関心がある人、農家などにぜひ1度読んでもらいたい本です。

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