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【オープン社内報#51】判断の重さと軽さ

こんにちは。株式会社ひらくの染谷拓郎です。

 前回50号ではたくさんの方に読んでいただきました。引き続き、2週間に一回締め切りのある人生を続けていこうと思います。

 普段はあまり社会的な事象について書かないようにしているのですが、あえてこのタイミングで書き残したいことがありました。

 7月7日の日曜日、東京都知事選をはじめ、全国各地で首長を決める投開票が行われていました。以前ある地方自治体の仕事をしていた際、首長が変わったことでプロジェクトが一つなくなった経験があり、今回も関係している自治体の市長選があったためその動向をハラハラしながら見守っていました。

 そして今回一番驚いたことは、フィルターバブルやエコーチェンバーの影響です。これは限定された特定層のなかで是とされているものを是と確定してしまうこと、あるいは限定的な情報しかアクセスできなくなる(しなくなる)ことで、思考がある一定に偏ってしまうことを指します。

 僕が普段見ていたSNS上では、都知事選における特定の候補者を支持する意見が多くみられ、その熱狂がそこここに溢れ、もしやジャイアントキリングがあるのでは?と思いましたが、結局はゼロ打ちで現職が当選するという結果。SNSと実態社会がここまで大きく切り離されている(と感じてしまう)ことに、とても恐怖や違和感を感じました。

 どんなに自分自身が正しいと思っていても、客観的にみたときに大きくズレている可能性があるということ。投票であれば、どんな一票も一票です。どれだけ熟考して判断しても、なんとなくのノリで決めても、一票は一票。

 ただ、経営となると誰でも同じ一票ではなくなります。経営会議で議論し、取締役会で決議されたことが会社の総意としてメンバーに伝わり、それがコマンドとして実行され社会に還元されていきます。肯定されれば売上やブランドへの支持として返ってきますが、否定されれば企業活動を続けることができなくなります。

 その責任と覚悟を背負う代表取締役という重責に改めて身が引き締まり、自分がもっと大柄な器にならなければいけないと感じています。端的には、株式会社ひらくが持っている可能性や展開性を僕が止めてしまっていないかということです。いま現在しなければいけない判断と、将来を見据えた投資的判断を「最良のどっちつかず」で実行できているか。

 常に重心を低くして、様々な意見を傾聴し、判断を慎重に行うこと。だからと言って判断を保留しすぎるのではなく、ちゃんと決断し前に進めること。ダメだったらすぐに次の打ち手を行うこと。判断には重さと軽さを両立させてければいけません。

 また、メンバーがエコーチェンバーの渦中にあり、ある特定の思考や判断基準に依らないように、もっといろんな企業や人とかき混ぜたり、他責思考にならないようにしていかなければいけません。というか、そういうことを象徴的に表すために「ひらく」という社名にしたのでした。

 うーん、日々考えることがたくさんありますね。最後まで読んでいただきありがとうございます。今日もがんばりましょう。 

染谷

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今週の「うれしい」
7月5日放送のNHK「プロフェッショナル」は、建築家でありOpenA代表の馬場正尊さんでした。いまいくつかのプロジェクトをご一緒していて、5日も午前中に打ち合わせをしていた馬場さんの姿に胸を熱くしました。

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