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11月30日、13時から18時までの5時間。

11月30日、13時から18時までの5時間。この時間を通じて、僕は今まで大切にしていた考え方・生きていく方針のようなものを変えることにしました。

図書館総合研究所と日販YOURS BOOK STOREで来年から共同開催する「図書館について語るときに我々の語ること」というプロジェクト。僕はモデレーター・旗振りとしてこのプロジェクトを推進しています。

タイトルはカーヴァー&春樹のオマージュ
これからの図書館を考えるために、3つのパートで進行

その前哨戦という立ち位置で、図書館総合展の最終日に生配信を行おうというのが、『「図書館について語るときに我々の語ること」について我々の語ること』です。(まぎらわしい)

当日は、TRCさんの本社ショールームを舞台に配信を行いました。今後、どこかのメディアで記事や動画の公開も予定していますが、クイックレポート的に、僕の感想をここに残しておきます。

左:染谷 右:廣木さん

このプロジェクトを一緒に進めてくれるのが、図書館総合研究所の代表廣木さん。色々謎に包まれているがFUGAZIが好き。改めて、廣木さんが図書館をどう捉えているかを知れてよかった。
あまねく出版されたものがきちんと分類され、保管されている場所。それを誰でも無料で使えること。図書館が本来提供しているサービスの広さと深さを、廣木さんはとても大切な価値だと捉えていました。僕もそれは賛成。そしてそれをどうやって拡大解釈していけるか。を考えていきたい。

三浦さんが記念すべき1人目のゲスト

1人目のゲストはUDS株式会社の三浦宗晃さん。街なかに新しい施設を次々と生み出すUDSさん。その中でも三浦さんの思考やポジションが前から気になっていて、今回良い機会としてお話しを伺った。
ふだんから妄想しておくことで、ボールが飛んできたときにすぐに打ち返すことができる。というスタンスが楽しい。「リフレーミングする」というキーワードもぐさっと刺さる。この企画を進行していく上での大切な軸をいただきました。


水島さんとお話ししてると脳みそがぐんぐん動く


2人目のゲストは編集者の水島七恵さん。tempoJAXA'sなど、さまざまなメディアの編集やディレクションを務めています。水島さんには、このプロジェクトを進めるにあたり、人の話をどうやって聴いていくのか、それをどうやってメディアに展開するのか、ということを聞いていきました。

「本当のディレクションとは、旗振りや指示出しをするだけではなく、関係者の出力を最大化することに徹底することだと思う。」という言葉にグサり。出力を最大化できたら、みんな気持ちいいもんなあ。

曽我さん、かっこいい。

3人目はCINEMA Dub Monks /仕立て屋のサーカスの曽我大穂さん。生い立ちや仕立て屋のサーカスのことは本に書いてあるから、それ以外のことをどうやって聞き出すのか慌てていたら、ご自身から色々話題を振ってくださった。やさしい。
「ぼくはずっと、線(決まったルール)をぼやかしたり消したりしてきたんです」という言葉にとてもうれしくなった。

むちゃくちゃかっこよかった。


そして、トークの後には演奏を。「読書のための音楽会」というタイトルで、会場は本を読みながら曽我さんの演奏を聴くというスタイル。目の前でいろいろやってくれてるのに、みんなページから目を離さないのがすごく面白くて、しかも文章がぐんぐん頭に入ってきて。ちょっと異次元に行ってしまうような体験でした。

最後のアフタートークはもうグダグダ。集中力が途切れてしまって、試聴してくださっていた方、すいませんでした。でも、頭はぐるぐる動いていて、何かが生まれそうな気がしました。

この5時間のイベントを通じて、僕は、いままで拠り所にしていた言葉を手放すことにしました。それは、「なくても生きていけるものを通じて、気持ちがうれしくなる時間と場をつくる」というもの。これは、僕がいままで、本や映画や音楽などに救われてきたので、それを仕事をしていくうえでのテーマとしてきました。

でも「なくても生きていけるものを通じて」と言い切ることは、とてもおこがましいかもしれないと気がつきました。Aさんにとって必要ないものでも、Bさんにとっては切実に必要としている。CさんのゴミがDさんを救うことがある。

この5時間を経た数日、これからの図書館を考える上で、「なくても生きていけるもの」なんて、本当は何一つないかもしれないと、じわじわと考えるようになってきました。ああ、僕はなんてえらそうだったんだろう。

広く開いている場所に集う、深く刺さって抜けなくなるものの集積。それを感じ取るために自分の感性を磨いておくこと。ここ数年やってきたアプローチや経験がコップに溜まり、この5時間を経て水がつつーっとこぼれたような感覚があります。まだうまく言語化できませんが、こっちに進みたい、というぼんやりとした方向はつかめたかもしれない。

このプロジェクトはまだ始まったばかり(というか始まってない)。第0回としては大成功だったと思っています。ぜひ2022年から始まる「図書館を語るときに我々の語ること」を、お楽しみに!

集合写真を撮りましょうか、の直前。


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