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餃子について

餃子道という宗派を貴方はご存知だろうか。

餃子とはなにか。
ただそれだけを愚直に探求する好事家達の歩んできた道程である。

餃子道を歩んできた先人として、これから長く険しい餃子の道を歩んでいく諸君らに向けて此処に記す。

君は餃子を知っているか

餡が皮に包まれたあれでしょ?となったやつは、餃子を包むに能わず。何かのレシピとは言い換えればそのものの定義である。

まだクックパッドでレシピ検索してるの?

問題は哲学的なのだ。

何が人を人たらしめるものか。
餃子とは何かというのは諸君らにとっての餃子を定義する重要な問いである。

王将で食べるもの、セブンで買ってチンするやつ、人のありようのように餃子のありようも無限の可能性を秘めている。

調理は既に始まっている。
心の中に餃子の姿を描くのだ。
クックパッドに書いてあるレシピだけでは辿り着けない餃子の真髄を共に目指そう。


先人の知恵

餃子を作る上での心構えについては十二分に理解頂けただろうか。
あなたの心に餃子の姿があり続ける限り、道が途絶えることは決して無い。
失敗を恐れず、それぞれの餃子道を歩み出そう。

とはいえ、餃子を作る上で皆が守るべきセオリー、お約束も存在する。

これから険しい道のりを進む諸君らの道標としてそれを記す。

水気は餃子の敵
アンパンマンみたいに餃子は水分に弱い。
餡には何を入れるも思うがままだが、水分だけは親の仇とばかりに徹底的に排除するべし。

火加減は大事
遥か昔クシャナ姫は巨神兵に焼き払えと命じた。
そう、水分を飛ばす最善の手段。それは炒ることだ。
ただ、怒れる王蟲の大群に向けるような火力でやると一瞬で黒焦げになるので気をつけられたし。

包んだらさっさと焼け
君の餃子が綺麗に皮に包まれたものならば、早めに焼くのが吉。

食べるタイミング考えて焼くべし
君の餃子が熱々ならば食べる直前に焼いた方が熱いままだろう。

蒸焼きは熱湯で
君の餃子がプリンとしているならつべこべ言わずに熱湯を注ぐべし

蒸焼きの最中はたまにゆすれ
君の餃子が全方位皮に包まれているのならゆすってゆすってガタガタいわすべし。

上記のセオリーを守れば、ひよっこでも餃子道の中を少しは自由に飛び回れるであろう。

皮の中という極小のスペースに宇宙を詰め込む。





以上、今日初めて餃子を作った人からのありがたいお言葉でした。
師範、本日はありがとうございました。


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