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初めてできた彼女の話

noteを始めて約8ヵ月。
今まで元カノの話を具体的に書いたことがない。
それは書くことで思い出すのが嫌だったから。
そもそもnoteを始めたのが元カノに振られて引きずっているのを文章をかくことで、客観視し次に進もうというのがきっかけなのだ。

だけど、それから日が経ち、新たな恋愛をした今なら書ける。
あと今書かないと多分忘れるなと思ったから。
まあ、元カノのことなんて忘れてしまったほうがいいのかもしれないけど。
長い男子校生活を終え、できた初めての彼女だったんだ。
少しくらいは思い出として残してもいいんじゃないかな。

あまり元カノと言い続けるのに抵抗があるので'あの人'と呼ぶ。別にヴォルデモートのことではない。

あの人と出会ったのは大学のサークル。
僕が後輩であの人は一つ上の先輩。
いつもニコニコしている人だった。
あの人と初めてきちんと話したのはサークルの確定新歓で焼肉を食べに行ったとき。
途中、1度席替えがあり、そこで同じテーブルになった。
4人掛けで男子は僕だけだった。
他の女子2人があまり話さなかったので、僕とあの人がその場を盛り上げようと主に会話していた。
ずっと笑顔でとてもいい印象だった。
後から聞くとあの人も僕に対していい印象で、絶対彼女がいると思ったらしい。6年間の男子校上がりなのに。
焼肉の後は近くの公園で雨の中だるまさんが転んだをした。
その時にあの人が鬼で、でも誰も捕まえられそうになく僕が手を伸ばしてタッチされにいったのをよく覚えている。

それから週に1回サークルで会う状態がしばらく続いた。
帰りの電車が一緒なので、他にも人はいたがそこでよく話していた。

関係が変わるきっかけとなったイベントがある。
それは夏の合宿である。
合宿が始まるころには、あの人のことが気になる程度にはなっていた。
そして、買い出しのときに2人になる機会があった。
他のメンバーと別れて2人で違うスーパーへ行ったのだ。
そこで歩きながら話し、ホテルへの帰りでは途中で雨が降ってきたので相合傘することになった。
今思えばなんと偶然なんだろう。

そして、合宿で1日遊ぶ日があって皆で大きな動物園に行った。
サークル全員で15人ほど。
全員まとまって回ると必然的に同性同士で固まってしまい、サークルメンバーと仲良くなるという合宿の意味も薄れてしまうので、男女混合の4人程度の班を作って回ることになった。
そこで僕はあの人と同じ班になったのだ。
実はあの人が同じ班になるように行動したらしい。これも後から聞いた。
一緒の班で動物園を回る間、僕はずっとあの人と話していた。
そしてその晩に同じ班の男子に「お前らが2人でずっと話すから残された2人できまずかった」とクレームが入った。
僕はそのときに初めて2人きりの世界に入っていたことに気づいたのだ。
恋は盲目というのはこのことか。

この合宿というイベントであの人の距離が縮まり、僕の気持ちも”気になっている”というステージから”好き”というステージへと進んだ。
合宿が終わっても長い大学生の夏休みは続く。
僕はあの人をUSJに誘った。
だが、まだ2人きりで行くのはハードルが高く友達に付いてきてもらった。
USJではハロウィンのホラーナイトという夜になるとゾンビが徘徊するイベントがやっており、あの人と少しだけ手を繋いだりした。
3人で行って2人でいちゃつくという、本当に友達には悪いことをした。
後日、飯とカラオケを奢った。良い友を持った。

USJの帰りに映画に誘った。
あの人は同世代では珍しく”君の名は”を見たことがない人だった。
帰国子女で上映当時海外にいたのが理由だろう。一応、住んでいたところでも上映はしていたらしい。
当時、”すずめの戸締り”の上映記念で”君の名は”が映画館で再上映されるということで、それを観に行くことになった。
今思えば、初デートはその映画だった。
映画は何度も観たことがあったからか、あまり集中できなかった。
映画の後はたこ焼きを食べ、その後クレープを食べた。
このクレープがとても美味しく、お気に入りになった。
そして17時くらいに解散という見本と言っても過言ではない完璧なデートだった。

あの人への恋心を抱えながら、ある日曜日ふと思いついたことがあった。
サークルが始まるのは19時と遅く、授業が終わってからいつもどう過ごすか悩んでいたのだが、
そこで車で学校近くの自然が豊かな観光スポットへ行って時間を過ごそうと。
さっそくあの人によかったら一緒に行かないかとLINEする。
すぐに「行きたい!行きたい!」という返信が来た。

そして当日。授業終わりに待ち合わせし、学校近くのタイムズでカーシェアを使う。
ドライブデートというものを初めて経験した。
二人きりという空間が心地よかった。
目的の場所につくと2人で自然の中を歩いた。
川魚を串焼きしていたのでそれを食べたり、一緒に写真を撮ったりした。
その後、近くに夜景スポットがあったので車で向かった。
とてもきれいだった。
そして、もうここで告白するしかないと思った。
夜景を見ながら神社の階段に座っていた。
そして人生初の告白をした。
返事はYESだった。緊張しすぎてなんて答えたのか実は記憶にない。
お願いします的なやつだったはず。

そうして僕たちは付き合った。

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