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「結婚式に行くとやっぱ結婚したくなる」←どういうこと?

28歳にもなるとよく聞くセリフ

「結婚式に行くと、結婚っていいなぁ、結婚したいなぁって思いますよ」

これの理屈が分からなかったので分析してみた。

分析① 結婚ではなく結婚式がしたい

結婚式に参加して「結婚したい」の正体は、単純に結婚式がしたいだけなのではないだろうか?

きらびやかな会場に、七五三ぶりの晴れ姿。

イマまで交わることのなかった世界線の友人等が一堂に会し、自分の言葉や晴れ姿で問答無用に参加者が涙する。

普段ふざけてばかりの友人が、自分への想いを涙ながらに話す。

そんな表面的な結婚式を見て「結婚したい」と思うのはあまりに浅慮だと思う。

結婚式に憧れるのはいいが、そういう人は結婚式の裏側について知ろうとしたことはあるのだろうか。

何度も会場に足を運ぶ疲労と、「一生に1度」「皆様はこうします」の謳い文句に麻痺する金銭感覚。

キラキラした会場の裏に渦巻くウェディングビジネスの狡猾さに加え、親戚の意見や勤め先の関係性にまで思いを馳せなければいけない。

さらに結婚式は結婚のゴールではなくスタートであるため、キラキラをピークに(基本的に)死ぬまで続くものである。

そんなキラキラの表面だけ舐め取って「結婚しよう」と思い至るのが浅慮ではないなら何なのだろう。


分析② 結婚式の本質に憧れている

結婚式を見て「結婚式がしたい」と思う気持ちの裏には、「平和に結婚式を挙げられるだけの人生」への憧れがあるとも考えられる。

結婚式を挙げられるということは、

結婚式費用を出せるだけの財力が自分や相手、及びその親族にあるということ。

そのエピソードに涙できるだけの友人関係があるということ。

自分の幸せを素直に祝ってくれる親族がいるということ。

私のように冷静な分析を繰り広げることもせず、良く言えば素直に、捻くれた言い方をすれば思考停止的に、結婚式という儀式を受け入れられる人間であるということ。

それらが揃った人生を送る自信がある人、結婚式をビンゴだとしたらもうリーチまで来ている人が、結婚式を見て「結婚したい」と思えるのだろう。


分析③ 新郎新婦の関係性

ここまでの話を聞いて意外に思われるかもしれないが、私は、学生時代からアルバイトに渡り、あらゆるイベントの企画側に回ったことがある人間だ。

だからこそ、あのキラキラした結婚式というイベントの、準備から当日の撤収までの苦労が容易に想像できてしまう。

また、だからこそ、そんな大変な準備を乗り越えて、朝も早くから稼働した上で、参列者を見送ったあとの最後まで笑顔でいられる「二人」の関係性に思いを馳せてしまう。

たしかに、そういう二人を見ていると、素敵な結婚生活も想像に難くない。

が、それは汎用的な想像ではない。
かなり成功した部類の夫婦の姿を拝ませていただいたに過ぎないことは、この情報社会において理解できないとは言えないだろう。

結婚式の準備の負担の偏りや、ストレスによって離婚に至ってしまう夫婦もいる。
二人の関係が悪くなくても、どちらかの親の過度な介入によってなくなく関係を解除する夫婦もいる。

そういった困難を乗り越えて、あるいは困難に出会うことなく笑顔で結婚式を迎える二人は、ガチャで言うSSRなのだ。

正しく言うならば、「結婚したくなった」ではなく、「この二人のような結婚に憧れを抱いた」のである。

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「結婚式に参加した」「だから結婚したくなった」
という理屈が解らず、両者間の穴埋めを考えてみた。
誰かの理解の助けになれたら嬉しい。


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