「サンフレ取材班」の18年 Part4
変わってしまった日常
2020年、「新型コロナウィルス」という言葉がなんとなく聞こえてくるようになった1月末。客船ダイヤモンドプリンセス号で起こった感染拡大が報じられ、なんとなくではなく、不安や恐怖の感覚が具体的に、現実的になってきた。
2月に入り、花粉症用のマスクを購入しようとしたら、マスクの値段が十倍に値上がりしていた。
2月23日リーグ開幕鹿島アントラーズ戦。学生達にはマスク必須で集合をかけたがどうしてもマスクを入手できなかった学生が1名。機材バッグの奥に2009年の新型インフルエンザの時のマスクが残っていたのでなんとかその場をしぐことができた。
撮影業務等についてのレギュレーションの変更はなく昨年通り、撮影そのものもいつも通りに進んだ。勝利時の挨拶映像の収録を行い、翌日には360度映像の納品も完了した。
次のホームゲームに向けたPVの編集も無事に終了。実は2020年シーズンから冒頭のクレジットもカッコいいものに変更していた。(冒頭のみ)
ところが、その直後から事態は一転。人が集まる行事が次々と中止となった。2006年からピッチ横やサポーター前にカメラを置いて、試合そのものを撮影し、次のホームゲームで上映する振り返りPVの制作はこの試合が最後になり、この最後のPVもスタジアムで上映されることはなく、お蔵入りとなってしまった。
※その後、このPVは、広島ホームテレビ、サンフレ応援!森﨑浩司の Foot style(12月16日(水)午前0時50分~)で放映して頂いた。感謝。
3月8日、サンフレ取材班を引継ぎ、支えてきた造形デザイン学科の一期生が卒業した。当時勤めていた学科長の祝辞はプリントにして配布した。
これまでも震災等の災害の影響で試合が延期になることはあったが、先が全く見通せない。世界中の人々の生活も風景も、日常という概念そのものが変わってしまう不安の中で暮らすことになった。
人の接触が制限された世界では人が人を支えたり励ましたりすることそのものができない。がんばりようがない状況の中で私たちはどうすれば良いのか・・・・
4月には大学でオンライン授業が始まった。もともと動画を沢山取り扱っていたのだが、オンライン授業用に自撮り動画を毎日のように撮影・編集していた。学外との会議等も全てリモート。研究室は、街中のエディオンを走り回って調達したYouTuberご用達機材であふれ、Zoom,Skype,Meet,Teams なんでも来い。いろんな人があたりまえにリモートで打ち合わせをおこない、みんなYouTuberになったのではないかと思ったほど。
李忠成さんのチャンネルのこのコンテンツもこの時代だからこそ実現した企画だろう。
7月4日、アゥェイ ヴィッセル神戸戦から無観客のリモートマッチとしてリーグ戦が再開。7月8日のホーム 大分トリニータ戦も無観客で試合が開催された。
7月12日のアゥェイ サガン鳥栖戦から人数制限がかかっていたものの初めて観客が入り、7月18日のホームセレッソ大阪戦ではエディスタに3千人の観客が入り試合が行われていた。観戦はできたが、声援は禁止。今までとは雰囲気が一変していた。有観客になっても、メディア関連スタッフとしての場内への立ち入りは相変わらず厳しく制限されていた。
8月9日ピースマッチ湘南ベルマーレ戦。厳しい規制のため、相変わらず撮影隊としてスタジアム内に入ることはできないままであったが、今年もピースマッチ企画の展示は行った。学生の召集は無し。おっさんだけでごめんなさい。
9月27日ガンバ大阪戦。取材レギュレーションが変更され、サンフレ取材班の学生カメラマンもスタジアム内での作業ができるようになった。チェックイン時の名簿の提出や検温を経て久しぶりのカメラマン控室へ。各エリアへは立ち入り人数が厳しく制限され、活動できるエリアそのものも変更されていたが、とにかく「サンフレ取材班」の学生カメラマンたちが半年ぶりにスタジアムに帰ってきた。
ハーフタイムの花火ショー。そういえば花火大会もことごとく中止されていたので花火を見たのは久しぶり。
カメラマン控室もご覧の通り。これまではキックオフ4時間前にチェックインしても、カメラマン控室は撮影スタッフでいっぱいだったが、参加メディアの数そのものが制限され、スタッフの滞在時間も短くなった。キックオフ2時間前でも我々以外には誰もいない状態。テーブルにに☓マークが貼られ、椅子はテーブルに一脚しか置いていなかった。もちろん弁当は黙食。
11月3日浦和レッズ戦。この試合から観客の人数制限が緩和され、アゥェイのサポーターの入場もできるようになった。少しづつだが前に進んでいるのかもしれない。
学生が偶然に撮影したお孫さんとの会話。Jリーグ公式のツイッターにもリツイートされた。
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葉っぱがいっぱいあるね
そうじゃね、葉っぱがいっぱいあるね
銀杏の葉っぱ
今から寒い寒いになるけ
葉っぱも落ちよる
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このころまでは、メインスタンド前のエリアは立ち入り制限が厳しく設定されていた。キックオフ前の軒下中継を終えたら、一人でケーブルを巻きながら仲間が待つマラソンゲート前まで移動。
コロナ禍の撮影レギュレーションでは、ピッチレベルに入れるカメラマンの人数が制限されるため、昨年までのように前の試合を振り返る試合前上映PVを作ることはもう不可能になった。キックオフ前のバス到着時中継と選手アップ時のピッチイン中継、キックオフ直前の軒下中継を行い、勝利試合の挨拶映像を提供するという形で活動を続けた。参加学生を3名〜4名に縮小し、「サンフレ取材班」の新しい活動を再開した。
12月16日、ホーム最終戦となる柏レイソル戦は雪の中のナイトゲームというかなり厳しい状況であったが、山下教授をはじめ全員無事に生還することができた。大変な1年でしたが皆さんお疲れさまでした。
禍福は逆手巻きするケーブルの如し
2月27日リーグ開幕となるベガルタ仙台戦。今はお客さんがここに並んでバスから降りてくる選手をハイタッチで迎えるが、この時はZoomを使ったリモートバス待ち企画が実施されていた。
スタジアムに来たくても来ることができない人のためにもっと早くからこんなサービスがあって良かったような気もするが、急ごしらえでこんなことができてしまうのが凄い。
ウォーミングアップ時、選手を迎えるのも学生カメラマンの仕事。
3月3日清水エスパルス戦。中継ケーブルの逆手巻きに苦労していた学生カメラマンを見つけたサンチェ。見事な手さばきで指導してくれた。
中継をやるとき、新人に最初に覚えてもらうのがこの逆手巻き。素人がケーブルをそのまま巻くと解く時にからまってしまうが、巻く方向を交互に入れ替えて巻いてえけば、絡まずにケーブルを伸ばすことができる。順手と逆手の繰り返しなので坂手巻きと呼ぶが、どう見ても手元が見えないはずのサンチェは普通に坂手巻きをしていた。バイトでもしていたのだろうか。
卒業アルバムの撮影で卒業式に来ていたカメラマンは、なんともとサンフレ取材班カメラマン。なかなか気づかずに申し訳ない・・・
3月17日清水エスパルス戦。4年間頑張ったFKSさんが卒業。
4月3日の入学式。卒業式に続きサンフレカメラマン卒業生と再開。業界で大活躍しているようで嬉しい。
4月21日ベガルタ仙台戦。新入生が初参加。
5月13日、新型コロナウィルスの感染再拡大により大学も対面授業からオンライン授業へと移行した。学生は自宅待機となったため・・・
5月15日の徳島ヴォルティス戦はまさかのおっさん3名によるサンフレ取材班・・・
学生カメラマンは皆んな元気なのだが、大学ロックダウンにより、サークル等の活動自粛期間中のため、16年の歴史上初めて教員だけの参加となった。
カメラマンは選手のアップ入場時にカメラの後ろで選手に手を振って迎えるという重要なミッションがあるのだが、選手のテンションが落ちてはいけないので丁重に辞退させていただいた。
6月28日柏レイソル戦。久しぶりにスタジアムに戻ってきた学生カメラマンの初仕事は7月公開の映画「Bittersand」主演の井上祐貴さんのトークショーの中継。特別に控室で挨拶させていただき、学生カメラマンもラッキーだった。
サポーターとのハイタッチ入場ができないかわりに、笑顔でアップに入る選手を迎えるミッションも無事に復活。1年前はスタジアムに入る事もできなかったので、かなり前進したなぁ。
7月3日 サガン鳥栖戦。無線も多くなってきたのでケーブルさばきが必要な時代がいつまで続くかわからないが、からまない巻き方って大切。知っておいて損はない。
8月28日大分トリニータ戦。まだ花火大会は復活していないので、久しぶりの花火。
9月5日、大雨のために順延となったピースマッチ ヴィッセル神戸戦が開催された。
造形デザイン学科、書道学科、日本文学科が共同で出展した安田女子大学のブースでは4名の学生が、対話説明無しで解説資料を配布するというという形式で案内を行った。
展示終了後はスタジアムに入り、Jリーグの応援基準を守って手拍子で応援。
10月3日名古屋グランパス戦。大学行事のため学生のみの撮影。機材回収のため車が着いた瞬間に試合終了の歓喜。久しぶりの勝利試合。機材だけを引き取りに行くこのパターンでは勝ち試合が多い。
11月3日鹿島アントラーズ戦。塩谷選手が戻ってきた。試合終了時、鹿島側サイドにいたため、鹿島の選手をやりすごしてから反対側のサイドまで全力疾走して(私は途中でついていけなくなりましたが・・・)ギリギリでセレモニー収録に間に合った。
11月27日ホーム最終戦、FC東京戦。16シーズン目のサンフレ取材班の活動が無事に終了した。2年連続でコロナレギュレーションでの活動となり、学生の育成・撮影技術の継承がリセットされてしまったが、昨年の開幕戦以降初めて1万人を越える観客の中での活動となった。徐々にかつての姿が戻りつつある感じもした。今シーズンも沢山の皆様にお世話になりました。ありがとうございました。
さあ行こうぜ どこまでも 走りだせ
2月19日の開幕戦はまさかの積雪。換気のためにカメラマン控室のドアも全開放されていて厳重な防寒対策もむなしくとても寒かった。
クラブSNSではキックオフ前に撮影した動画はキックオフまでにアップロードしなければならないというルールがある。今シーズンからカメラマン控室にパソコンを持ち込み、試合前に撮影した動画を控室まで走って持って帰り、その場で編集、納品ということに挑戦することにした。まずは90分の余裕があるバス到着動画。慣れない手順でちょっと手間取ってしまったが、仙田社長が選手を迎える動画の撮影と、時間内納品に成功した。
3月6日ヴィッセル神戸戦。撮影後、バス待ち場所からカメラマン控室まで走ってカメラをもらい、編集開始。今度は納品まで15分で完了。
4月6日横浜Fマリノス戦。勝利試合の場合は選手の挨拶映像(ウイニングラン)を撮影し、翌日編集・納品する。久々のウィニングランの撮影。
4月10日アビスパ福岡戦。新入生カメラマン候補性が初参加。久しぶりに学生4名体制となった。
スコアレスドローで終わりそうだったため、機材の撤収を始めようとした後半アディッショナルタイム。ラストプレーで決勝点が決まった。三脚付きの1カメは近くに出ていたが、ジンバルカメラを慌てて組み立てなおし、ギリギリで間に合った。カメラマン控室からB6前までスタジアムを半周走ってしまった。
4月23日徳島ヴォルティス戦。バス待ち中継とTwitter用動画撮影の準備を終え、いつものようにバスの到着を待っているのだが、なんか違和感。
あれっ・・・社長がいない。
監督に遅れて駆け込んできて、選手を迎えた社長、「俺は佐々木翔より速いよ」と捨て台詞?を残して去っていった。
5月3日柏レイソル戦。絶好の青空のもと、観客数が1万人を超えていた。
5月7日鹿島アントラーズ戦。山下教授と私はオリゼミで江田島。学生だけのチームで撮影を行った。勝利後の挨拶映像まで完璧。試合終了のタイミングで車で機材を引き取りに行ったがこのパターンでは勝ち試合が相変わらず多い。
5月28日名古屋グランパス戦。選手のピッチイン映像に挑戦。バス映像はキックオフまでに時間の余裕があるが、ピッチイン映像はフィールドプレーヤーのピッチインからキックオフまで30分ほどしかないため時間との戦いになる。
試合後、レジェンドのセレモニーが行われた。
6月18日セレッソ大阪戦。ピッチイン撮影用の小型カメラ導入。そのまま持って走れるため納品までの時間がちょっとだけ短縮された。
ホーム5連勝を達成した7月2日ジュビロ磐田戦。この日起こったAUの通信障害により、いつも使っていたWiFIルータが使えなくなった。ネットが使えないと編集した動画の納品ができないというピンチ。最終的にはスタジアムのWiFiを使わせてもらえることになってピッチイン映像の時間内での納品に間に合った。不幸中のWiFi。
7月30日ピースマッチFC東京戦。ピースマッチでは朝から出展の準備をしてブースを出し、夜は撮影となかなかハードな1日。例年凍らせた2リットルのペットボトルが空になる。
「これ何用?」「ツイッターです」「勝ちました~」
8月20日ガンバ大阪戦。レギュラーカメラマンのKMRさん。今日はサンフレッチェ広島でインターンシップ生。
9月3日清水エスパルス戦より声出し応援が可能になった。久しぶりにヒロシマナイトを聴いた。感無量。(画質と音質が悪いですが・・・)
9月25日ルヴァンカップ準決勝アビスパ福岡戦に勝利し、いざ国立へ。
10月22日国立競技場で行われたルヴァンカップ決勝戦、セレッソ大阪に1点リードされて迎えた後半アディッショナルタイムに逆転し、4つ目のタイトルを獲得した。
10月1日浦和レッズ戦。入試日と重なったため今回も学生だけでの撮影。自分のノートPCを持ち込んでバス待ち中継の納品を行った。
学生だけで撮影し、車で機材を引き知りに行くだけの試合は勝ちパターン。もう教員はいらないかも。
10月29日 ホーム最終戦コンサドーレ札幌戦の撮影をもってサンフレ取材班の2022年のミッションを無事終了した。1年間ありがとうございました。
エディスタ ラストシーズン
2月18日、エディスタラストイヤーとなる2023年シーズンが開幕した。昨年と同様、場内中継とバス到着動画等の提供、勝利後の挨拶映像の提供を行う。編集用のPCを持ち込み編集・納品という昨年通りのフローで作業を始めたところ、担当の高見さんからリール動画(縦のショート動画)作成のオファーをいただいた。
これまで通常のビデオカメラで横撮影をした動画を提供してきたが、基本的にスマホで視聴される動画は縦動画の方が相性が良い。今後、SNS用に縦動画を提供することが増えると考えられるため、次の撮影に向けて、スマホ用の三脚を用意した(900円のアダプターをつけただけですが・・・)。
また、ファイル納品の仕組みをメール便からクラウド共用の仕組みに変更、次の試合からはスマホで直接編集を行い、編集した動画をスマホから直接アップロードして納品できるようにした。もっと早くやっておけば良かった。
2月26日アルビレックス新潟戦。バス中継のカメラをセットし、Twitter用の動画はスマホで収録。その場で編集して納品の手順を試してみた。
結果は上々。これからは撮影後にカメラマン控室まで走る必要はない。撮影した動画をその場で編集、アップロードがてきるようになった。
続いて、アップに入ってきた注目の選手の縦ショート動画、Focused Player に挑戦。スマホは基本的に広角で撮影されるため実際に撮影してみると選手が遠い。拡大すると画質が荒れてしまうため編集に苦労し、結局この試合では納品まで至らなかった。
この試合をもって4年間がんばってきたAOYさんが卒業。お疲れ様でした。
スマホだと選手をズームアップできないため3倍のテレコンアダプターを導入。
3月8日横浜FC戦(カップ戦)。卒業式と重なってしまったためまたしても学生だけの撮影となったがFocused Playerの撮影とキックオフまでの納品に成功。
3月19日柏レイソル戦。新エースのチャントがホーム初公開された。スマホ用のジンバルを忘れたのでカメラマン控室まで走って取りに帰ることになったがギリギリ間に合った。
Focused Playerは当日に指定されるため、タイトルバックをあらかじめ全選手分用意し撮影に臨んだ。今回は大迫敬介選手。目の前を通ってくれた。
勝利後の選手挨拶映像の撮影に全天カメラを用意し、久しぶりに360度映像を復活させた。発注したInsta360が間に合わず、今回は古い4Kカメラなのでちょっと画質が荒い。
4月19日ヴィッセル神戸戦。新しく導入したテレコンレンズの効果は・・・
この試合の勝利後の360度映像。到着したばかりの新カメラ(Insta360)を導入。5.7Kで少しは解像度が上がったはず。
4月22日FC東京戦。1年生カメラマンが初参加。最初に覚えてもらうのはサンチェ直伝の逆手巻き。
5月7日アビスパ福岡戦。通常は試合中にはカメラを出さないが、この日はInsideのお手伝いでサポーターカメラを担当した。川村拓夢選手のゴールの瞬間をゲット。
Insta360にはビニール袋をかぶせて対応。
6月4日京都サンガFC戦。学生カメラマンの発案でバス動画を2カメで撮影し編集してみた。
Focused Playerをスマホで撮影するとズームが足りず選手が小さくなってしまう。そこで普通のビデオカメラでカメラを縦にして撮影する方法を検討してみた。昔使っていたちょっとチャチな三脚がカメラを90度傾けることができ、これはいけそう。
小型ビデオカメラを縦に構えることで、ズームワークをともなったショート動画を撮影できるようになった。
7月8日の鹿島アントラーズ戦は雨の予報。2006年から機材ケースとして使い続けてきたキャリーバックもついに限界。ここで引退してもらうことにした。
7月8日鹿島アントラーズ戦。なにやらヤバイ雲がやってきて、土砂降りとなってしまった。
8月13日浦和レッズ戦はピースマッチとして開催された。今年は安田女子高校と共同でピースウィングスタジアムが位置する「平和の軸線」の展示と原爆ドーム内VR体験に沢山のお客さんに来場していただいた。
この試合で試合終了間際のベンチの様子を縦で収録するカメラを用意していた。インスタ・リール動画に採用。
8月19日川崎フロンターレ戦。従来のTwitter用の横動画とInstagram用の縦動画を2カメ同時収録し始めた。ベンチカムと加えで3名で同時撮影。それぞれに特徴があっておもしろい。勝利映像はその場で編集、納品して帰るのでちょっと残業となる。
9月15日ヴィセル神戸戦。中継担当のカメラマンが欠席のため急遽卒業生を召集した。私も一緒に(昔撮った)杵柄カメラマンとして久しぶりにカメラをまわした。
9月16日のヴィッセル神戸戦も大忙し。横のTwitter(X)と縦のInstagramの2台のカメラに選手の皆さんも大サービスしてくれた。
9月30日名古屋グランパス戦も前回に続き同窓会モード。卒業生が久しぶりに帰ってきた。
エディスタでの試合も残り2試合となったセレッソ大阪戦。いつも通り選手バスを迎えて、選手のピッチイン中継を行い、Focused Playerを撮影しキックオフ前までに納品・・・
この活動も2試合を残すのみとなっていた。
エピローグ
サンフレ取材班の18年を振り返る記録をまとめ始めて約2週間。11月25日のエディスタ最終戦に間に合わせたいと勢いで書き進めて4編、4万字を超える記録となってしまった。写真や動画データ等の整理は昨年から進めていたのだが、選んだ写真1枚1枚にラベル(キャプション)をつけながらあらためて整理してみるとそれぞれの風景の中でシャッターを押した(押された)瞬間がよみがえってくる。
この18年間、サンフレッチェ広島には降格や復帰、残留や優勝まで、フルコースのラインナップで楽しませていただいた。また、その間、東日本大震災、豪雨砂災害からコロナ禍まで、様々な災いにも遭遇した。2006年までの50年程の人生でも経験したことがなかった色々な事が起こった波乱万丈の18年となった。
2014年の豪土砂災害で大きな被害を受けた広島に、セレッソ大阪、ガンバ大阪や神戸、浦和から新潟のサポーターまで快く「がんばろう広島」のコールをいただいた。災害直後の広島に、セレッソサポーターから送られた広島コールは今でも忘れない。対戦相手に共にたちあがろうとエールをくれた皆さん、ありがとうございました。本当に「がんばろう」という気持ちになれました。
活動は2006年、当時サンフレッチェ広島の森脇さんに声をかけていただいたことから始まった。クラブのWebサイト用ストリーミング動画導入の相談からはじまり、試合前演出の一環として場内映像用の動画を作成することになったのだが、放送局から借りてきた素材テープの規格があわず、ダビングしに深夜車を走らせていただいて締め切りギリギリで間に合った。あの時は大変ご迷惑をおかけしました。
Jリーグの現場で素人カメラマンがプロのカメラマンに交じって撮影を行うという無謀な試みを実際に実現するためには大変な苦労があったと思う。本当にお世話になりました。
カメラマン控室で出会ったメディアの皆さんにも大変お世話になりました。素人カメラマンの学生たちを温かく見守っていただいたおかげで18年も続けてくることができました。加えて、この出会いを使ってマスメディア系の非常勤講師として安田女子大学の多くの学生に楽しい講義をしていただくことも実現できました。お世話になった皆さん本当にありがとうございました。
2006年3月5日は当時小学校1年生だった息子のスタジアムデビューの日。その雰囲気に一発ではまってしまった息子は、小学校6年生になるまでビッグアーチの全試合に母子で通い、B6とバックスタンドの境目最前列あたりの定位置で応援を続けていた。現在、東京で暮らす息子はスタジアムマニアのようで、サンフレッチェ広島以外の試合も含めて毎週末のように色々なスタジアムに行っているらしい。先日、サンフレッチェ広島レジーナのWeリーグカップ決勝のInsideにしっかりと映っていた息子の姿を見つけてしまった。そういえば、2007年、天皇杯決勝の応援に旧国立競技場に行ったのと家族旅行ついでに埼玉スタジアム行った事はあったが、ついにはビッグアーチ/エディスタに家族で応援に行った事はないままだった。11月25日のエディスタ最終戦のために息子も東京から帰ってくるそうで、久しぶりに家族全員がスタジアムに集結する。(場所はバラバラですが・・・)
新スタートレックの最終回のラストカット。ライカー副長やエンタープライズのクルーたちが毎回行っているポーカーゲームのテーブルに、これまで一度も顔を出したことがなかったピカード艦長がやってきて一言、「ちょっ寄ってみただけだ、仲間に入りたくて・・・」 。ライカー副長「もちろん」。
スタジアムに集い、歌い、踊り、タオルや旗を振り回し、歓声をあげたりがっかりしたり・・・そんなサポーターの皆さんの姿を18年間見続けてきて、実はちょっとうらやましいと思っていた。
いつかの日か、新スタジアムのサポーター席の端っこに、こっそり行って言ってみたいと思っている
「仲間に入れてもらっていいですか?」
part5に続く
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