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台風を人工的に消すことは可能なのか

今週末、猛烈な台風が日本を襲うということで、台風について少し考えてみました。

台風は人工的に消せるのか

このテーマは、誰もが考えたことがあるのではないでしょうか?
楽しみしていたイベントが、台風で延期もしくは中止になってしまったら、どうしようもなく悲しいですよね。

人工的に台風を消せるなら、消したいものです。
現代の技術を考えれば、すでに実現可能なレベルまで到達しているのでは?と思い、調べてみました。

結論から言うと、消せません

1940年代に「原子爆弾による台風制御の可能性」という論文が発表されました。爆弾で台風を吹き飛ばすなんて、アニメのような話ですよね笑。

原子爆弾ほどの威力があれば、確かに消せるようにも思えます。しかし、台風からしたら、原子爆弾のエネルギーはわずかなもので、進路を多少変える可能性があるくらいらしいです。観測史上最大の台風で考えた場合、広島に投下された原子爆弾300万発分のエネルギーが必要らしいです。。台風恐ろしい。

さらに、原子爆弾では膨大な量が必要なことに加えて、放射能汚染などによる被害も出てしまうため、全く現実的なアイデアではなく、実際に原子爆弾を投下したことはないということでした。

次に考えられたアイデアは、ヨウ化銀を用いた人口降雨です。
簡単に言えば、台風来る前にヨウ化銀与えて、雨降らして台風を消耗させようというもの。この実験は実際に行われましたが、多少の成功はあったものの、海への環境問題などがあり、実験はあまり進まなかったようです。

台風のメリット

これまでは、台風を消すことについて考えていましたが、それは一概に良いと言えるものでもなさそうです。

実は台風による良い影響もありました。

1つは簡単に想像できますが、水不足の解消です。台風は1度通過するだけで、ダムの貯水量を5千万トン以上回復させます。日本でも何度か渇水状態を台風に救われました。

2つ目は「かきまぜ効果」と呼ばれるものです。
これは、海面付近の温水と深海の冷水がかき混ぜられて、海面付近の水温が下がるというもの。

そして、水温の影響を大きく受けるのがサンゴ。サンゴは水温が高い状態が続いてしまうと死んでしまいます。サンゴが死ぬとサンゴ礁を住処にしている生物が死にます。さらに、その生物を食す生物が死に、結果的に生態系のバランスが崩れてしまいます。サンゴ礁は海洋生物の約1/4から1/3を保護しています。

ただ、台風の勢力が強すぎるとサンゴは破壊されてしまうみたいです笑。

最後に

台風による良い影響を踏まえると、人工的に消すことは良くないと思えます。生態系のバランスは繊細で、自然にあるものを人間の都合で安易に無くしてしまうことは、危険だなと感じました。

しかし、台風の影響でイベントが中止になるは嫌ですよね笑。
台風によるメリットは享受しつつ、人間への被害を最小限に抑えられる方法を誰か考えてください笑。


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