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なぜ日本茶カフェが売上の8割を捨ててまでお茶に本気になったのか

こんにちは。
名古屋で伊勢茶カフェの店長をしています、松本壮真です

6年目の大きな大きな決断でした。5年間続けてきた人気メニューを無くすのは非常に苦労しました。
さて早速タイトルの『なぜ日本茶カフェが売上の8割を捨ててまでお茶に本気になったのか』をお伝えしてきたいと思います。
結論から言うと、これには大きく2つ理由があります。

①長期的に考えて会社にとって大事したいものを考えた結果
②ビジネス戦略的に考えた結果

ご存知でない方も読んでくださっているかもしれないので少し説明します。
写真は2019年6月17日までのメニューです(いろいろ粗い写真でごめんなさい、手元にこれしかありませんでした…)。

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そしてこれが現在のメニューです

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6月28日のメニュー変更によって、オープン以来5年間続けてきた「ラテ(緑茶&ほうじ茶&玄米茶)」「パフェ」「シフォンケーキ」「あんみつ」「お茶ぜんざい」「ソフトクリーム」などの人気メニューをすべて無くしました。前述の通り、これらは店舗売上の約8割(時期によっては9割)ほどを占めていました。
さらっとお伝えしましたが、実際、売上の約8割を捨てるってけっこう勇気が必要でした。
実際に「メニューにソフトクリームだけは残しませんか」などの意見も社内では最後までありましたが、僕が一蹴しました。笑
※現在のメニュー写真を貼っておきます

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前述のように、僕にはメニュー変更の明確な理由がありました。それをこれからお伝えしていきます。

①長期的に考えて会社にとって大事にしたいもの

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、深緑茶房はお茶を生産している生産法人です。つまり、お茶農家なんです。
農家がちょっと背伸びをして出したお店が「深緑茶房 名古屋店」です。
そのため、僕らが本当に大事にしないといけないのは「お茶そのもの」ではないかと感じました。
もちろん「お茶をつかった何か」も良いのですが、僕たち深緑茶房がお茶農家としてまず伝えたいのは「お茶そのもの」の良さです
「お茶って面白いんだよ」「お茶ってまだまだ楽しむ余地があるよ」って伝えるのが、農家としての深緑茶房が伝えなきゃいけないことかなと思っています。

②ビジネス戦略的に考えて必要だと思ったもの

ここ数年、東京では日本茶カフェが増えました。
それも本格的な日本茶を楽しめるお店が増えているように思います。
そう考えると、この流れはいつか名古屋にも来ると感じました。
そうなった時に、私たち深緑茶房はパフェやスイーツで立ち向かうべきなのだろうかと考えました。色んなものを削った後に残る、僕たち深緑茶房のコア(強み)はパフェやスイーツなのか、と。僕たち深緑茶房が持っている一番強い武器、それはやはり何度考えても考え尽くしても「お茶そのもの」です。
「今あなたが持っている武器の中で何か一つだけを持って、未知のダンジョンに繰り出していけ」と言われたら、僕が持っていくのはやはり「お茶そのもの」です。

誤解のないように1つお伝えしておきたいのは、僕は深緑茶房のパフェも美味しいと思っています。シフォンケーキもラテも美味しいと思っています。※これらは現在も本店でご提供しています(ラテは期間限定)
これは正直に言うと、他店のものとも比較しても本当に美味しいと思います。でもココで見誤ってはいけないのは、パフェなどが美味しい最大の要因は原料の粉末緑茶が美味しいからだと思います。僕たち深緑茶房は何十年もパティシエをしてきたわけではなく、私たち深緑茶房が何十年もやってきたのはお茶づくりです。
毎年変わる自然環境の中でお茶とともに仕事をしてきたというのが深緑茶房で、何度も言いますがそれが深緑茶房の強さだと思っています。

つまりどこまでいっても、僕たちには「お茶そのもの」が最大の強みなんです。今後、新しい挑戦をどんどん展開していき、名古屋で日本茶の良さをお伝えするお店の1つになれればと思っています。

何が『本質』かは難しいですが、深緑茶房名古屋店では不器用ながらもこの日本茶、自分たちの伊勢茶の『本質』を求めていきます
長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます!


今後、noteでお伝えする予定のテーマとしては、「なぜ “やぶきた”1品種しかメニューに載せないのか」「“自社の茶葉100%”の本当の意味」などです。
今後ともよろしくお願い致します。
最後に、深緑茶房の地元:三重県松阪市飯南町のお茶畑の風景写真を載せておきます。

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