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“採用と育成”を全社員で考える、組織文化のつくり方【情熱社長倶楽部】VOL.167

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【今週のご相談内容】

弊社では新卒採用を行なっていますが、
新卒採用に意欲的なのは、社長である私だけのような気がします。

新卒採用をするとなると、
ある程度のコストもかかりますが、それらに関しても

「未経験のやつにかけるくらいなら
 社内に還元してほしい」

という声が聞こえてきたり、現場からは

「僕たちは毎日忙しいんです」

という声が聞こえてきたり・・・

当然の感情だと思いますし、説明会などは、
経営者が参加した方がいいと言われていることもあり、
私としても、まったく関わらないつもりはないのですが、

もう少し周りの社員にも関心を持ってほしいと思っています。

入社後に、新卒の育成に関わるのは、
私ではなくて社員たちだからです。

弊社が新卒採用を始めたのは3年前であり、
それまでは中途採用が中心の会社だったので、
「教育する文化」がないことも影響しているかもしれません。

現場では、新卒を足手まといのように
思っている社員もいるようです。

私以外のメンバーが新卒採用に
興味をもってくれるためにはどうしたらいいでしょうか。

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【今週の回答】
担当:東京拠点 責任者 濵川 桃子

ご質問いただきましてありがとうございます。
本日は、東京拠点責任者の濵川が回答いたします。

お悩みを解決するにあたり、最も重要なところは、

既存社員様がいかに新卒採用に関心を持つか、というより

【今の自身の仕事の領域から出たくない】
もっと言えば、【領域を出なくてもなんとかなる】

という考え方の転換だと捉えています。

「教育をする文化」という
キーワードがあったかと思いますが、

このような“社内の文化”は、組織の中で
以下の流れを繰り返しながら浸透していくと言われています。

①リーダーの判断や対応、
 評価の仕方
によって社内の文化が形成される

②文化が明文化され、目に見えるものになることで浸透していく

③組織が、文化を通して成功体験を重ねること
 更にその文化が浸透していく

ある意味、現在の貴社の場合は

「社内で教育はしなくてもよい」
が暗黙知の社内文化として存在
していながら、
その日常の中でも自分自身の仕事は遂行され、

会社としては存続し続けているという経験そのものが
成功体験になっている状態かと思います。

つまり、極端に言ってしまえば

「教育の文化」が社内になかったとしても、
目の前の業務の遂行が役割である社員様としては
特に困ることがなく働くことができるため、

現状を変える必要性を感じづらい環境である
ということです。

当然のことながら、
これまでのやり方・考え方・価値観で
通用してきたものを覆すことは、簡単ではありません。

特に“社内文化”というものは、
今までの「当たり前」や「無意識」の行動が
絡み合って形成されているものなので、

分かりやすく言えば、
当たり前の基準が低ければ低いほど、
変革にはエネルギーを要します。

我々の組織変革支援においても、
この「当たり前」をつくっている影響力のあるリーダーの方と

「変わりたくない」というエネルギーの方がぶつかり合うと、
ただの派閥になってしまうので、

いかにその“エネルギーの矛先”を
前向きなものに導くことができるのかが、
腕の見せ所となっています。

話を戻しますが、
このような現状を打破するためにまず大切なことは、

自分たちを【客観視】することかと思います。

日々の業務が忙しい中で
「採用説明会に参加して」と言われたところで、

その重要性が分からなければ
「忙しいから無理です」の一言で断られるのも当然です。

そのためまずは“新卒採用”というキーワードは置いておき、

・5年後の組織で実現しておきたいことは何か?
・どのようなことが想定されるか?

など共通の未来を【共に】描く時間を取ってみてください。

おそらく、その時間が良いものになれば、
話は自然と【人材の採用と育成】にたどり着いているはずです。

そのときに初めて、
「教育する文化がないことが当たり前」であった社員様は、
【変わる必要性】に自ら気づいてくださると思います。

その、変わる必要性が、
“人を育成する”というチャレンジと結びつき、

“育成のためには入口である採用が重要だ”
という流れが一気通貫でイメージ出来たときに、

前向きなアクションが生まれる
きっかけができるのだと思います。

是非、数年後の組織を皆様と共に描きながら、

新卒を3年継続されている社長の信念や、
その背景にあるもの、未来として描いているものも、
皆さんに共有して差し上げてくださいね。

応援しています!

最後までお読みいただきありがとうございました。

濵川 桃子

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