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“兄弟経営”が失敗する、コミュニケーションの特徴とは【情熱社長倶楽部】VOL.159

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【今週のご相談内容】

弊社は、家族経営であり、
6年前に父から継いだ会社を兄弟で経営をしています。

弟が、組織のNo.2として経営をしているのですが、
方向性が一致していません。

そのため、ふたりで会社のことを話すときには、
決まって口論となってしまいます。

No.2である弟は、私とは違ってとても慎重な性格なので、
私が何か提案をしても、すぐに否定をしてきます。

そこから何か新しい提案をしてくれれば良いのですが、
それもなく、好き勝手に意見を言い、

最終的な責任は、すべて私に
押し付けているような気がしてしまいます。

私としては、父から継いだ会社を発展させるために、
もっといろんなことに挑戦するような組織にしたいのに、
思っていることが進まず、とても歯がゆいです。

弟とも方向性を合わせるために
話をしなくてはと思っているのですが、

相手も私に対して思っていることがあるのか、
上手く話し合いができず、
いつもお互いを否定するような場になり、
何も決まらずに場は終わってしまいます。

兄弟経営とは、そんなものなのでしょうか・・・

弟には、No.2として、会社のための挑戦をしたり
意見を述べたりしてほしいのですし、

できれば会社の方向性も、
しっかり話し合えるような関係になりたいです。

どのような工夫をしたら、
そのような理想を実現できるでしょうか。

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【今週の回答】
担当:コンサルティング事業部 責任者 城 麻実

ご相談いただき、誠にありがとうございます。
コンサルティング事業部責任者の城が回答いたします。

お父様から事業を引継がれ、
並々ならぬ努力と葛藤を感じてこられた
6年間だったのではないかと思います。

また、文面からは、

【会社を成長させていくためには、
 新しいことに挑戦していかなければいけない】

という意気込みが伝わってきました。

恐らく、過去やってきたことを
大切にしたい気持ちありながらも、

今の会社として優先順位が高いのは、
“変わっていくこと”“挑戦していくこと”への転換だと、
感じておられるのではないでしょうか。

だからこそ、弟様の発言の中で、
否定的に感じる発言・社長任せに感じる発言が出てくると、
つい感情的になってしまうのだと思います。

そこで、私からひとつ
アドバイスをお伝えするのであれば、

【兄弟コミュニケーションを辞める】ということです。

方向性を一致させることや、お互いの取り組みを
明確にするための話し合いの場ももちろん大切ですが、

その前に、あなたと弟様が
建設的に話し合える土台をつくることの方が
重要だと感じましたので、

そこに焦点を当ててお伝えいたします。

まずは、弟様とのコミュニケーションについて、
ご質問です。

“会社のこと”について話をしているつもりが、
いつの間にか“お互いの価値観や考え方”に
焦点があたってしまうことはありませんか?

実は、これは兄弟コミュニケーションの特徴の1つです。

では、何故このようなことが起こるのでしょうか。

それは、幼いころから一緒にいるため、
お互いの性格の良い部分も悪い部分も知っており、

その結果、相手の価値観や思考に対して
言いたいことがどんどん出てきてしまうため
です。

例えば、

「俺は会社に対してこうしたら良い思う」と提案をした瞬間、
「だから、お前の考え方は駄目なんだ」といったように、

提案そのものに対して意見を返すのではなく、
提案に対して、相手の価値観や考え方を
否定するようなコミュニケーションをとってしまう
のです。

相手の提案に対しての回答はなく、
「なぜそう感じたのか」の背景を聴くこともなく、

ただただ、相手の価値観や思考に対して回答、
しかも“否定”をしていくと・・・

「俺の考えを受け入れてくれていない」
という想いが蓄積され、

「この人とは、話し合いにならない」
という方程式が出来上がってしまいます。

兄弟だからこそ、相手の思考に対する
問題・課題が見えてしまい、

指摘したくなることも、
感情が出てしまうこともあると思います。

しかし、そんな【兄弟コミュニケーション】を
【経営陣としてのコミュニケーション】に
切り替えないことには、

理想の組織づくりは実現できません

切り替えのためには、
まず、相手の提案や意見に対して、

なぜその提案がいいと思ったのかの背景を聴き、
その“提案や意見”そのものに対して
意見を伝えるようにしてみてください。

慎重な性格の弟様だからこ見えている、
組織をより良くするためのアイディアが
あるかもしれません。

そして絶対に、目に見えない
相手の“価値観”“考え方”を
否定しないよう注意してください。

とはいえ、実際に感情的になってしまうシーンは
これからも訪れるかと思いますので、
そのようなときにお勧めの方法は、

・これを言われたときに、腹がたった
・この言葉を言われたら、話にならない

という、過去に話し合いが
進まなかった出来事を洗い出し、

「お互いに、これに注意して話し合いをしよう」
という“話し合いの共通のルール”を設定することです。

“ルールを設定する”という1歩を踏み出すことも
たいへん勇気が必要なことかと思いますが、

ご相談者様がお持ちである

「弟様とは、会社の方向性も
 しっかり話し合えるような関係になりたい」

というお気持ちを伝えた上であれば、
きっとよいルール設定ができるのではと思います。

6年もの間、もっと言えば
ご兄弟として過ごされた年月で積み重ねた
コミュニケーションの取り方を

今すぐに変えることは
時間がかかることかと思いますが、

続けていけば、ある日突然、
綺麗に歯車が噛み合う日がやってきます!

是非、一度試してみてください。

お二人が、お互いの考えを認め合いながら、
違いを活かし合いながら、

お父様から引き継がれた大切な会社を
更に成長させていかれる未来を応援いたしております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

大阪拠点
コンサルティング事業部 責任者
城 麻実


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