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幹部が“現状に満足している”という危機感【情熱社長倶楽部】VOL.200

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【今週のご相談内容】

うちの会社は正直、とても雰囲気がいいです。
業績もそれなりに安定していて、経営者仲間から、
会社経営について相談をされることもあります。

しかし、私は今の状態に危機感を感じています。
なぜなら、今まわりから見えている
「会社の雰囲気」は、経営者である私が
中心となってつくりあげたものだから
です。

なのでこの先、更に会社を成長させよう
と考えたときに、私がやってきたことに代わって、
中心となって組織を創り上げてくれるような存在が
いるかと言えば、そうではありません。

もちろん、現在の幹部は優秀ですし、
だからこそ今の会社があるとも思っていますが、
なんだか現状に満足しているというか・・・

もっと、社内に現状に満足することなく、
同じように会社の未来を考え、アイディアを
出し合いながら組織をつくる人材を
育てていきたいと思っています。

そのために、どのようなことから着手し、
組織づくりをはじめていけばよいでしょうか。

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【今週の回答】組織コンサルタント 永坂 紗希

ご相談いただき、ありがとうございます。
株式会社ソリューションの永坂がお答えいたします。

業績が安定しており、社内の雰囲気もよいということで、
比較的社歴の長い社員様も多く、
安定した会社経営をされているのではと
想像しながら、ご質問を読ませていただきました。

一方で、ご相談内容から、
経営者様と幹部の方の会社経営に対する認識に、
ギャップが生じている
なと感じました。

相談者様の視点に立つと、

「現状が良い状態であることは、
 あくまで一時的なもの」
「さらに会社を成長させるためには、
 自分ひとりの力では難しい…」

という認識でいらっしゃるかと思いますが、

一方で、幹部の方の視点に立つと、

「業績も安定していて、この会社は安心だなぁ」
「自分は上司として、部下とも上手くやれている」
などと、

守りの思考や幹部を務めている自分への自負心が
強くなっていらっしゃるのではと想像いたしました。

経営者が良い会社を創ろう、
社員を大切にしようと努力した結果、

それは実現できたものの、いつのまにか、
社員が挑戦しない
ぬるま湯組織になってしまっていた・・・
というのは悲しいですよね。

今回は社内に現状に満足することなく、
同じように会社の未来を考える
人材育成のステップについての質問ですが、

最初の一歩として、
【情報を開示する範囲を広げる】ことから
始めてみてはいかがでしょうか。

組織の中で会社経営に関する危機感のギャップは
生じやすいですが、その原因は、単純に
「持っている情報量の違い」
である場合がほとんどです。

特に優れた経営手腕をお持ちの経営者様であるほど、
社員様にとって「雲の上の存在」になりやすく、
実権を全て握っていることが当たり前になっていたり、

社員様がその「現状に満足」すればするほど、
無意識的に「それは社長の領域だから触れられない」
と捉え、自ら情報を取りに行ったり、踏み込んだ
意見を伝えなくなっていってしまいます。

経営者様からすると
「幹部なんだから、自分から情報を取りに来いよ!」
と思われる気持ちも、とても理解できますが

まずは一度、
・自分はどこまでの情報を誰に共有しているのか
・幹部にどんな視座で物事を考えて欲しいか

に合わせ、これまで幹部の方に伝えてきた内容を
変化させてみてはいかがでしょうか。

幹部の方それぞれにおいて、
部署など役割は異なるかと思いますが、

数字や事業計画、戦略など、いわゆる
「経営」の領域の情報を伝えていくこと無しには、
幹部の方が経営者様と同じように
会社の未来を考えることはできません。

経営者様と幹部の方の信頼関係や、
会社の雰囲気の良さは貴社の強みだと思いますので、
その強みを土台に、まずは幹部の方へ、

・会社の現状
・これから目指していきたいこと
・それに伴うリスク

を伝えていくことから始めてみてください。

貴社の「挑戦する組織」への変化を応援しております!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株式会社ソリューション
組織人事コンサルタント
永坂 紗希


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