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🔸🔶 炎の告白 🔶🔸

 自分の中で劇場版の炎の告白のシーンは聖域であり、特別なものだ。いつも観ることに躊躇いがある。Blu-rayが手元に届いてからも何度も観ていない。

 映画館で観ていた時は否応なしにその場面はやってくるので、毎回、胸が締め付けられる思いでタオルを握り締めて観ていた。自身の感情に構うことなく、ストーリーはどんどん進んで行く。感傷に浸る暇もない。

 だが、いざ自身がそれを自由に掌ることが出来るようになると、逆にそのことが自身に負荷をかける。Blu-rayはずっとセットしてあり、リモコンを操作すれば好きなシーンから何度でも観られる。好きな箇所で止めることも、思い存分声を上げて泣くことも出来る。

 それでも観られないのだ。全くどうかしてる。銀河鉄道999の鉄郎役の野沢さんが、メーテル役の池田さんが他の誰かと話してるだけで腹が立った(ヤキモチ)という話をしていて、それに爆笑問題の太田が「どうかしてますね」と言っていたのだが、野沢さんは『そうなのよ、ホントどうかしてると思う』と笑って答えていた。存外〝どうかしている状態〟なのは、本人にとっては幸せなことなのだ。

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 未だに特典映像を紐解いていない自分は、現実の世界から遊離した春田と牧が、自身の手のひらから零れ落ちないよう、そおっと掬い上げている時間を大切にしたくて、ひとりで観ているのになぜか声を上げて泣くことも出来ない。そこにずっと浸っていたい気持ちと、そう簡単に触れては行けないような気持ちとが鬩ぎ合う。

 このシーンを具象化することは容易いことではない。それは誰かにとっても聖域であり、特別なシーンだからだ。ただ、自分の心にまっすぐに向き合い、心の水面に映るものをひとつひとつ丁寧に拾う。自分の中で炎の告白を超えるラブシーンはないので、どんな愛の世界も色褪せてしまう。

 自分の中の春田は情操に欠けている部分があると思っている。それが牧と出会い、牧を好きになり、人として欠けている部分が満たされ、心から人を愛する喜びを知った。そして愛する人を傷つけ、愛する人に傷つけられる悲しみを知り、それを抱えて生きて往くことの重み、愛する人を守ることの難しさを知ったのだと思っている。その春田の成長に深いまなざしを向ける時、涙が溢れて止まらない。自分はこの感情に名をつけることが出来ない。

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 天空不動産を背負い、互いを支え合いながら愛するもののために立ち向かう。その姿は雄々しく、誇り高く、より美しい。

 迫り来る炎、行く手を阻む瓦礫、そして春田と牧の涙。牧が自身の壁を突き破り、春田が自身の弱さに向き合い、互いの未熟さを赦し、受け入れ、永遠の愛を神と約束する。誰からも祝福されることのない二人だけの密約。そこに横たわる甘美な背徳感。それは苦しく切なくも、愛おしさに溢れている。

 それはどんな愛の言葉より、何キャラットのダイヤより、華やかな世界の祝福よりも重く、彼らが彼らの在るべき姿へ戻る時、その精神は軽やかに天を駆ける

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 創作の中で気が付いたのだが、炎の告白の甘美な背徳感は、純文学の流れを引くJUNEに通ずるものがある。エンターテイメントとして一昔前ならあの時、二人は共に死ぬことでやっと結ばれる展開になっただろう。

 天空不動産おっさんずラブが確かに切り拓いた道は、温かくほほえましいラストに繋がっていた。それは決して〝あたりまえ〟のことではない。パイオニアとしての影響力と功績は大きく、その後を往く者、救われた者は多い。その奇跡に心から感謝したい。殺伐とした世界の中に在って、ただ、春田と牧を想い創作に更ける時間はとても幸せだった。

🔸 各パーツの説明

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 共通世界観 …いつもは〝ポップ〟〝可愛いもの〟に特化したガーリーなものが多いですが、炎の告白だけは〝雄々しさ〟〝誇り高さ〟〝退廃的な美しさ〟といったものにこだわりました。

 金古美(アンティークゴールド)…退廃的世界観に合うと思いこの色に決めました。スチームパンクなどにも良く使われる色味で、個人的には一番好きな色です。

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 セルリアンブルー …うちではおなじみ、天空不動産の象徴。ビーズとスウェードコードも青系で統一。

 ピンク …春田の象徴。炎の告白のネクタイからピックアップしたもの。ビーズ、リボン、スウェードコードはピンク系で統一してありますが、ピンクでも出来るだけ深い色味のピンクを採用しました。

 バーガンディ …牧の象徴。炎の告白のネクタイからピックアップしたもの。ビーズもリボンもスウェードコードも全てバーガンディで統一してあります。バーガンディはワインに由来する色で、深い紅にやや茶色が強めに出ているものを指すようです。深く渋い色味が牧にぴったりだと思い採用しました。個人的にこの色はとても気に入っています。

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 炎 …個人的にはファイアーというより、フレアという方がしっくり来ると思っています。フレアは揺らめく炎のほかに、爆発の意味もあります。炎は二人の行手を阻むものであり、その向こう側にある互いの情熱の高まりであり、永遠に消えることのない愛の象徴であると思います。

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 キーホルダー …普段使いとして遠慮なくガンガン使って頂きたいと思います。傷だらけになっても、リボンがボロボロになっても、それは行手を阻むものへ立ち向かった証です。その重みはそのまま二人の存在の重み。リボンは自由な精神の象徴。風に吹かれるその精神は、どこまでも自由に天を駆けるイメージ。華やかな装飾やパーツが擦れ合う賑やかな音は、自分を奮い立て目に見えない敵を跳ね除ける力になると思います。ご自身の背中を押すお守りとなれば幸いです。

 タッセル …単なる装飾としてだけではなく、魔除け、厄除け、運気を上げるものとされます。春田のピンク、牧のバーガンディ、天空不動産のブルーをイメージカラーとして採用。

 片翼 …不完全なものの象徴。拙作、まなざしのゆくえ(SSにつき注意)とリンクさせてあります。

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 カブトピン …丸カンを使用しているので、強い衝撃には耐えられません。ブローチとしてお使い頂くか、オブジェとして飾ることを想定して制作しております。センターのチャームはフレアという名が付いています。カブトピンのリボンは、誇り高き天空不動産と、そこに控える春田と牧の雄姿です。自身や見えない敵に立ち向かう勇ましき姿です。見て愉しむもの、おまじないとしての役割を担って欲しいと願っています。

 チェーン …装飾であると同時に、牧が雄々しく春田を助けに向かうシーンの象徴。

 チェコガラスのドロップ …春田と牧の涙の象徴。

 ガラスドーム …炎をビーズで表現。アンティークなガラスドームを採用。

🔹🔷 炎の告白 🔷🔹 〜外伝〜

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 今回、炎の告白と同時進行でコロナウィルスに立ち向かうためのお守りを作ることにしました。それぞれ微妙に色やチャームが違います。

🔹 🔷 🔹

⚜️ 春田誕生祭2020記念キーホルダー

 セリアのストラップパーツを基準にしたのでブラック×ゴールド。黒いタキシードに白バラのブーケを持った宣材写真と、連ドラのラスト、春田の白いタキシードと牧の朱い衣装からイメージを膨らませました。フォーマルでおめでたい感じに。

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 ※在庫は全てなくなりました。ありがとうございました


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