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旅行記|彼からの提案/導かれるようにホワイトホースへ/準備 【Yukon Canoeing Trip】 



彼からの提案

 まだカナダに経つ前の日本で、日常を送っていたある日のこと。平日夜、晩飯を食べた後だったと思う。「ユーコン川をカヤックで下れるらしい。しかも簡単そうだよ」と彼は言った。彼の言う、”簡単そう”は未だ信じられない。もちろん信じたい気持ちはあるけれど、カヤック初心者だった当時、単独で2000kmもナイル川をカヤックで下ったことがある彼の言動を、どう信じればいいのか。私は、行ってみたいけど本当に行けるのかな、と思っていたっけ。

導かれるようにホワイトホースへ

 2人とも、常にユーコン川旅を叶えたいと強く思っていたわけでもなかった。偶然にも、カナダに着いてから彼が見つけた職場がホワイトホースにあった。ユーコン川下りのスタート地点となるのがホワイトホースだったことが分かり、私達はこの旅を実現していくために動いていくことになる。
”導かれる”という言葉でまとめたくはないけど、ご縁というのはあるかもしれない。これをしたい、という夢や目標があったとしたら、すぐに叶うことと叶わないことがあるけれど、今回は前者。川下り出発の1週間前にはまだCanmoreで仕事をしていて、やっと仕事環境に慣れてきたところだった。心の準備も儘ならぬまま、時間が過ぎ、あっという間にホワイトホースへ向かう日になってしまった。新拠点での生活を始める前には、ユーコン川の旅に出るんだ。

準備 〜出発の1・2日前〜

 ホワイトホースに到着後、ゲストハウスで2泊しながら、買い出しなどの準備をした。旅で必要なのは、食料とキャンプ道具、釣具などの遊び道具。食料以外は、できればセカンドハンドで、質の良いもの、コストが低いもの、と優先順位で探す。

  • Changing Gears
    キャンプ道具やスポーツ用品が豊富。釣りをするのに必須のFishing licenceをここでも取得可能。シュラフと釣り用品を購入して、licenceの登録もここでした。


・Thrift store (服、靴、食器、キッチン用品など)

・And-Again Consignment Store(服など)

カナダでは、セカンドハンド(中古)の店を、『Thrift Store』と呼んでいる。いらなくなった家具や食器、洋服などが寄付され、良心価格で販売されている。ホワイトホースには、リサイクルショップやこのThrift Storeがあるので、セカンドハンドの物はこの3つの店を巡って購入。

何を買うにしても、その他大型スーパーなど3〜4軒も全て回って、品質と値段を見極めていたので、とにかく気力と体力が必要。ダウンタウンの区画はとにかく広くて、車を持たずに歩いて巡るのは想像以上に体力が奪われた。

目標としていた分の買い物がやっとできて、さぁ帰ろう!と思いきや、雨が降り始めて、バス停で雨宿り。宿までの道のり3km程の道のりを、土砂降りの中歩くわけにもいかなかった。道路にはね返る雨のしずく、通りすがる車をぼんやりと見ながら、その翌日にはカヤックの上にいるという、少し先の未来がまだずっと遠くに感じる。

なんせ、まだ食料の大半はまだ買えてないなぁ。

9日分の食料を2人分ゲットするのも想像以上に時間がかかるものだ。

生きる、生き延びる、というのは、それだけで何らかの恩恵を受けていること。購入した食品の原料たちが、まだ穀物や果物、野菜などの植物として、大地と繋がっていた姿を想像しながら、考えを巡らす。私たちは1人で生きることができなければ、必ずしも、人間と大地(地球)を切り離すことはできない、と腑に落ちたのは、何分も遅れたバスがようやく遠くの方に見えた時だった。



つづく…🌿



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