デザイン史の勉強が思いのほか面白かった

デザイン史を学ぶクリティカル・ワーズという本を図書館で見かけて借りたら予想以上にハマってしまいました。

UXデザイナーを目指しているのに「デザイン」って分かりそうで分からない。ちゃんと歴史も知りたいな〜と思っていました。なんとデザイン史って100年ちょっとしか歴史がなくて浅いんですね!でも何かこう、サブカルにも似た得体の知れない情念が渦巻いており、内容は濃いな〜と思ってます。

デザイン = クリエイティブなイメージはどこから?

ITエンジニアや非デザイナーの人が「デザインかぁ、苦手だ」「絵が描けないから自分にはちょっと・・・」という意見を持つのは間違いなくデザイン = クリエイティブな印象があるからなんでしょう。デザイン史を学ぶと「デザインとは何か?」という問いに対して先人たちが既に定義してくれたり、闘ったりしてくれています。

デザインをめぐる闘争

デザインはもともと「設計」という意味で定義していたみたいですが、関わっているうちにどうしても右脳を刺激したり、美的感覚が問われる部分が入ってくるので「デザイン = クリエイティブなものだ!!」「デザインは人類の文化向上のために発展させるべきだ!!」という考えが湧いてきちゃうんですね。もともとイギリスの産業革命に対抗して出てきたアーツアンドクラフト運動がその元になっているので、人間性を回復させたいという願いが込められているのが分かります。

そしてある時には効率主義や大量生産主義と、ある時には商業主義と闘ったのですが、結局勝てずに何かうやむやな状況になってしまったようです。1970年、日本では「デザイン批評」が廃刊となり、日本宣伝美術会が解体したというのが、一つの大きな決着のようでした。

たまーにアバンギャルドで挑戦的なデザインが出てくるのは、「体制に争いたい!」という欲求から出てくるものなのだと思います。でもそれってデザインじゃなくて「アート」なんですよね。たぶん。

個人的に納得のいったデザインの定義

私個人のデザインの定義ですが、「ユーザーが心地よく目的を達成できるように設計すること」でしっくりきています。デザイン=「芸術」ではなく、「技術」だと捉えるとしっくりきます。ユーザーが機能的価値と感情的価値、そして社会的価値を素直に感じられるようにすること。そのための技術だと思ってこれからも勉強していきたいと思います。

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