ブルースにおいてコードとメロディーの独立
前日ビートルズの「ドライブ・マイ・カー」について書いていて、ブルースやブルース的なものの中で、メロディーはどこまでコードを無視し得るのかということについて書きたくなりました。アウト・フレーズとかは除きますよ。
まずはこちらをお聞きください。8小節1コーラスのブルースです。
一聴して、どのコードでも同じメロディーを歌ってるのが分かるのではないでしょうか?今回問題とするのは歌に入って3~4小節目。コードはB♭7(Ⅳ7)。
とりあえず8小節のコード進行を書きます。
次に3~4小節目をメロディーも付けて抜き出します。
この中で赤丸を付けたE♭の音がコードと協和せず出来れば避けたい音(アボイドノート)なのですがご覧のように中心的な音となっています。聞いてもらえば分かると思いますが、この部分に限らず全体的にメロディーはE♭の音を一貫して中心としてますね。んでコード進行は上記のようにそこそこ細かく動いてますけどメロディーはそれに合わせようという気はほとんど見られませんね。
このようなことは特にブルースのみに現れる現象ではないでしょうが、比較的顕著にかつ頻繁に起こる現象だと思います。
この記事は冒頭に書いたようにビートルズの「ドライブ・マイ・カー」について書いたことに自己触発されて書きました。「ドライブ・マイ・カー」のよく分からない音使いはこういうブルース的発想ならありなんじゃないかという考察でしたけども、やはり「ドライブ・マイ・カー」は冒頭からトニックコードの上でずっと4度の音を歌い続けるというのは他に思い浮かばないし(今回のJohnny ''Guitar'' Watsonの 「You Can't Take It With You」例はサブドミナントコードの4度の音です。)、「ドライブ・マイ・カー」はやはりまだ謎ではあります。
コードとメロディーが合わない場合については、また別に例を挙げて考察した記事をあげたいと思います。
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