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ソロ温泉で堪能する「おこもり旅」

春を迎えたことにくわえ、感染状況が一段落したことで、世間では旅行への需要が高まっている。

だが、「久しぶりに旅には行きたいが、人が集まるところへ出かけるのはまだ不安・・・」という人も多いようだ。

そこで、おすすめしたいのが、ひとりで温泉に出かけ、ひたすら湯と向き合う「ソロ温泉」である。

こんな時代だからこそ「おこもりの旅」

昨年のことであるが、ある報道番組で、「感染急減で高まる旅行気運」というテーマで特集が組まれていた。

そのなかで、ある家族連れが取材を受けていた。露天風呂付きの客室で、夕食は板前さんが部屋で天ぷらをあげてくれる、という高級宿に宿泊し、宿の外には一歩も出なかったという。いわゆる「おこもりの旅」である。

「今はまだ人が集まるところへ出かけるのは抵抗がある」というわけだ。

今後コロナの感染状況がどうなるかは読めないが、旅に関してはどんなに政府がGO TOを推進しても、「大手を振って旅行に出かける気分にはなれない」という人も少なからずいるだろう。

そんな人は、ぜひソロ温泉を選択肢に入れて欲しい。

温泉だけを目的とする

ソロ温泉の目的は、温泉につかって心身の疲れを癒やすことだ。だから、基本的には宿泊する旅館に直行。観光スポットなどに寄り道はしない。そして、チェックインが済んだら温泉三昧である。

コロナ前の旅は、とにかく欲張りであった。

「名物グルメを食べないと」
「名所に行かないと」
「せっかくの旅だから現地の人と触れ合わないといけない」

旅の目的は温泉である。そう最初から決めていれば、このような強迫観念に縛られることはない。「誰かと感動を共有できない寂しさ」、そんな感情にとらわれる必要もない。

温泉宿に直行すれば、接触する人も最小限で済む。人混みに不安を覚える心配もない。グループの旅行に比べてひとり旅は圧倒的に感染リスクは少ない

また、ソロ温泉なら、同行者の「観光をしたい」「グルメを楽しみたい」という希望に振り回されることもない。

「ここに行った」「あそこにも行った」「あれも食べた」「温泉にも入った」と欲張るのも旅のひとつの形だが、そういう旅に疲労感や不安を覚えるようなら、温泉だけを目的にした旅を試してほしい。

「何もしない」ソロ温泉は最高の贅沢

「温泉に入るだけでいい」などと言うと、「温泉だけが旅の目的なんて辛気臭い」「せっかくの休みに遠出をするのだから、もっと贅沢な旅をしたい」などと反発する人もいるかもしれない。

こう考えてみてはどうだろう。数万円で海外旅行に行けてしまう時代に、同額もしくはそれ以上の金額をかけて国内の温泉地に出かけて、ひたすら温泉に入るだけ。そんなシンプルな旅は、逆にとても贅沢ではないだろうか。まったく辛気臭くなどない。

あれもこれもと手を出すよりも、ひとつのことをじっくりと楽しむ。量より質を重視するのが、大人の旅といえる。

贅沢をしたいなら、少し値の張る高級な旅館に泊まってもいい。一流のサービス、料理を堪能し、良質の温泉につかれば、激安の海外パックツアーに行くよりも満足感を得られるはずだ。

何かをしようとしない

ソロ温泉では、ただ湯船につかり、心身を解き放つのが目的である。だから、温泉宿に着いたら、ただ湯につかる。何度もつかる。それに徹する

もちろん、ずっと温泉に入っているわけにもいかないので、入浴と入浴のあいだには昼寝をしたり、好きな本を読んだりしてもいい。ただただボーッとしていたって誰も文句は言わない。

無理して何かをしようとしてはいけない。パソコンを開いて仕事をするなど言語道断。パソコンはソロ温泉に持ってきてはいけない。仕事や人間関係などの日常から心身を解放するのも目的なのだから。

ソロ温泉では、温泉に入るのが最優先事項なので、ひたすら湯と向き合うことになる。そんな時間は日常では決して得られない。

コロナ禍を機に、一人きりの温泉旅(=ソロ温泉)に目を向けてみてはいかがだろう。


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