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初めての「温泉ワーケーション」では成果を期待してはいけない

人生初めてのワーケーション。「せっかくだから楽しみたい」という期待する気持ちや、「しっかり仕事ができるだろうか」という不安な気持ちが入り交じっているかもしれない。

初めての温泉ワーケーションを成功裏に終えるためのコツは、「成果を期待しすぎないこと」である。

最初からうまくいくとはかぎらない

どんな仕事でも「初めてのこと」は、最初からうまくとはかぎらない。たとえば「初めての出張で想定外の事態が起きて右往左往した」「初めてのテレワークでZoomの使い方がわからなくて何度も中断を余儀なくされた」といった失敗はよくある話だ。

しかし、何度か場数を踏むことで、必要な準備がわかるし、心構えもできる。トラブルにも咄嗟に対応できるようになるだろう。何事も慣れることが上達の秘訣である。

「温泉ワーケーション」も最初から満足のいく成果が得られるとはかぎらない

ワーケーション経験者の失敗事例

株式会社クロス・マーケティングと山梨大学生命環境学部地域社会システム学科の田中敦教授・西久保浩二教授の「直近1年間にワーケーションを実施した1000人」を対象にした「ワーケーションに関する調査」(2021年3月)によると、「リフレッシュできて仕事の効率が上がった」「整理整頓されたホテルでの作業でとても集中できた」といったポジティブな意見が見られた一方で、次のようなネガティブな声も寄せられている。

「ON/OFFの切り替えが難しい」                  「コミュニケーションが円滑にいかない」               「ネットワーク環境が意外とネック」                「業務としての能率は下がる」 など

実際、私もうまくいかなかった経験を何度もしている。

「Wi-Fi環境が悪くてネットを使った仕事の能率が著しく下がった」   「仕事を詰め込みすぎてかえって疲労して帰ってきた」        「宿の食事が口に合わなくて憂鬱だった」              「宿のHPでは源泉かけ流しと謳っていたが、実際は循環ろ過していた」

こうした経験を積み重ねてきたからこそ、今では事前の準備や計画、宿選びを徹底し、同じような失敗は避けられるようになった。

現地で経験しないとわからないこと

もちろん、前もって経験者の事例などから学ぶことで、こうした失敗は防ぐこともできるが、実際、期待していたような成果を出せるかどうかは、正直わからないことが多い。

たとえば、「オンとオフの切り替えが難しい」「集中力が上がらない」「能率がダウンした」といった問題は、実際に現地で体験してみないと実感がわかないだろう。

初めて訪れる場所で、普段通りに仕事をすること自体、簡単ではない。「温泉地でワーケーションをすればいつも以上の成果が出るはずだ」といった過度な期待をかけても必ず裏切られる。

したがって、温泉ワーケーションにある程度慣れるまでは、仕事の成果を期待しすぎることは禁物である。

仕事が捗るはずと期待してたが、実際は思うような成果を得られないと、「やっぱりワーケションはダメだ」となりかねない。慣れの問題であるなら、最初のワーケーション体験で、そのようなネガティブな判断を下してしまうのはもったいない。

最初は「温泉中心」のプランから

初ワーケーションでおすすめしたいのは、仕事よりも温泉中心のプランを立てることだ。感覚的には「温泉7割、仕事3割」である。

会社の枠組みの中でワーケーションを行う場合は仕事の配分を高める必要が出てくるだろうが、ある程度自分で決められる立場にあるなら、温泉入浴でリフレッシュされることを主目的にするといい。

「普段の仕事の3~5割できれば十分」と前もって低めの基準を設定しておけば、仮にオンとオフの切り替えがうまくいかなかったり、仕事に集中できなかったりしても、それなりの成果を得ることができ、不完全燃焼のまま帰路につく事態は避けられる。

当たり前だが、温泉旅館に宿泊するなら、仕事で成果を出すよりも、温泉でリラックスするほうが簡単だ。ゆっくりと湯に癒されればいい。それができれば、温泉ワーケーションの目的はほぼ達成である。「やっぱり温泉ワーケーションはうまくいかない」といったマイナスイメージを最初からもつことは防げるだろう。

最初の温泉ワーケーションは、肩ひじ張らずに温泉を愉しむことを主眼としてはいかがだろう。そこから自分なりのペースや傾向がつかめれば、仕事の成果も期待できるようになるはずだ。


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