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「地方移住」に関心があるならワーケーションから始めよう

「地方移住」に関心をもつ人が増えている。とはいえ、すぐに決断し、実行に移す人はまだ少数派だ。移住は人生を大きく左右する決断となるから当然だろう。

そこで、地方での連泊が基本となる「温泉ワーケーション」を足掛かりにして移住について考えてみてはいかがだろうか。

地方移住に関心をもつ人が増えている

テレワークが浸透し、人々の働き方が大きく変わった。一部の職種のビジネスパーソンは、毎日出社する必要がなくなり、自宅や好きな場所で仕事ができるようになった。

なかには都会から地方への移住を決断する人もぽつりぽつりと出始めている。私自身もそうだ。2021年1月に東京・新宿区から北海道札幌市に引っ越してきて、まもなく1年が経とうとしている。

もともとフリーランスの立場でコワーキングスペースやカフェで仕事をすることが多かったが、リモートワークが当たり前になり、なおさら「どこに住んでもOK」という状態になった。ちょうど子どもを自然豊かな環境で育てたいと考えていたこともあり、札幌に拠点を移したのである。

〈札幌移住に関する記事はこちら〉

さて、話を元に戻そう。テレワークなど働き方が変化するなかで、地方移住に関心をもつ人が増えている。とくに若者の間で顕著だという。

内閣府の調査によると、大都市圏(東京都 23 区、東京圏、大阪・名古屋圏)に住む 20 代において、地方移住への関心が高まったという。とくに東京23区に住む20歳代の若者の35.4%が地方移住に対して「関心が高くなった」もしくは「関心がやや高くなった」と答えている

「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」より

では、どのくらいの人が実際に移住を決行したのだろうか。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査(2021年1月)によると、コロナを契機とした移住を「実施した」1.3%、「実施予定」1.0%、「検討している」4.0%、「関心はあるが未検討」10.2%であるのに対して、「検討していない」と答えたのは80.2%という結果になっている。

調査結果は、実際に移住を敢行する人はわずかであることを示しているが、1.3%が「実施した」という数字は小さくないとも思える。数字をそのまま捉えれば、100人が働く職場があるとして、そのうち1人は移住していることになる。「意外と身近な事象になっている」と言うこともできそうだ。

まずは「温泉ワーケーション」から

とはいえ、「移住に関心はあるけれど、実行には移していない」という人がまだ多いのはたしかだ。

実行に移さない理由は千差万別だろう。「仕事上むずかしい」「持ち家だから」「子どもを転校させたくない」などさまざまな理由が考えられる。単純に「気持ちの踏ん切りがつかない」というメンタル面が理由の人もいるだろう。

理由はともかく、移住に二の足を踏んでいる人に提案したいのは、ワーケーションを実行してみることである。私は「温泉ワーケーション」を強く推すが、移住前提であれば必ずしも温泉地でなくてもいい。

たとえば、移住先として自分が興味のある町で1週間ほどワーケーションしてみる。実際にその土地を訪れてからわかることはたくさんある。

「空気が都会とは違っておいしい」「意外とお店が多くて生活に困ることはなさそう」といったプラス面だけでなく、「アクセスが悪くて、車がないと生活できない」「想像していたより物価は安くない」などマイナス面でも気づきがあるだろう。

ワーケーションは「プレ移住」

ワーケーションで各地を訪れることで、幸運なことに「ここに住みたい」という街と出合えるかもしれない。

一方で、「移住しなくてもいい」という結論になる可能性もある。あらためて都会の便利さに気づくパターンもあるだろう。

また、定期的にワーケーションができる立場・環境にある人なら、「移住までする必要はない」と思い至る可能性もある。今の生活にワーケーションをうまく組み込みながら、人生を豊かにすることも可能だからだ。

ワーケーションを「プレ移住」と捉えてみてはどうだろう。その延長線上には本当に地方移住という選択肢があるかもしれないし、ないかもしれない。

ワーケーションは「どこで、どんな人生を送るか」を考えるきっかけになる。温泉に入りながらゆっくり考えるのも悪くない。

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