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ソロ温泉の醍醐味は「独泉」にあり

温泉の湯船にひとりでつかる(=独泉)ことは、ソロ温泉の醍醐味である。

上質な源泉であれば、その湯とじっくり向き合う。自然の中にある露天風呂であれば、景色を愛で、木々や川、鳥の声に癒される。

日々、人混みの中で心をすり減らしているビジネスパーソンにとって、独占浴の時間はなかなか味わえない貴重な時間である。

今回は、独泉を愉しむためのちょっとコツをお伝えしよう。

浴場に人が少ない時間や施設を狙う

独泉を愉しむためには、浴場が混み合う時間を避ける必要がある。もちろん、人が少ないほうがひとりの時間を満喫できるからであるが、余計なストレスを避ける意味でも他の入浴客がいないほうが安心できる。

だから、私はできるだけ浴場に人が少ない時間や施設をねらって入浴するようにしている。いくつかポイントを紹介しよう。

①「チェックイン開始時間直後」と「食事の直前」

チェックイン開始時間(たとえば15時)直後は、まだ到着していない客もいるし、部屋で一息つきたいという人が多い。だから、私は早めにチェックインしたら、すぐに浴衣に着替え、浴室に向かう。

食事時間の直前も入浴客は少ない。たいていの人はチェックイン後、一息ついてから入浴するので、食事時間前にはすでに入浴が済んでいることが多い。18時から食事であれば17時15分~17時45分くらいがねらい目である。逆に食事スタート時間の1~2時間前は入浴客が多いので避けたい。

独泉をするためのテクニックをもうひとつ。夕食の時間を18時からか19時からかを選べる場合、19時からを選ぶ。このようなケースでは、18~19時のあいだは半分の宿泊客は食事をしているので、必然的に入浴客が少なくなる。

②客室が少ない宿を狙う

客室数が少ない温泉宿をねらって宿泊すれば、浴場でバッティングする可能性は低くなる。

私の感覚からいえば、5組以下なら浴場でいっしょになる可能性は低く、複数の湯船があれば、ほぼ独泉が叶う。

③貸切風呂や温泉付き客室がある宿にする

コスト高になるケースもあるが、サービスの一環として採り入れている宿が増えている。貸切風呂も無料で提供している旅館も少なくない。

④休前日を避ける

ひとりの時間を確保し、旅を充実させるためには、宿泊客が多い休前日は避けたほうが無難。どこの観光地もそうだが、温泉地の人手は週末と平日とでは雲泥の差だ。

ある程度人気のある宿であれば、週末はほぼ満室の状態である。だから週末は、移動中はもちろんのこと、温泉地に着いても、そして浴室に入っても、多くの人と顔を合わせることになる。あまりにまわりの人が気になるようだと、ソロ温泉の効果と魅力が半減してしまう。

ソロ温泉を決行するのに向いているのは、休前日よりも断然平日である。カレンダー通りにしか休みをとれない人は、有休を最大限に活用したい。土曜日はとくに混み合うので、せめて金曜日や月曜日に有休をとって混雑を避けるといいだろう。

独泉ができたら「ラッキー」

最後に、ひとつだけ注意点がある。うまい具合にひとりになれなかったとしても、イライラしないことだ。

言うまでもないが、他のお客がいるのは当たり前だし、温泉は共有の資源である。ひとりになれないことでストレスをためてしまったら本末転倒である。

複数の湯船があれば空いているほうに移動すれば済む。たまには見知らぬ人と湯船の中で言葉を交わせば旅の思い出になることもある。

独泉ができたら「なんてラッキーなんだ!」とありがたがるくらいの心持ちでいるのがちょうどよい。


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