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温泉ワーケーションの成果を決める「ワークスペース問題」#後編

温泉宿でのワーケーションに必ずつきまとう問題がある。ワークスペースについてだ。仕事をするスペースをどう確保するかは、ワーケーションの成果を左右するテーマといえる。

前回に引き続き、温泉ワーケーションにおける「ワークスペース問題」について考えてみよう。

〈前回の記事はこちら〉

温泉宿でワーケーションをする場合、「ワークスペース」の候補として、次の5つが考えられる。後編では③~⑤について見ていこう。

①宿泊する部屋                           ②宿内の共有スペース                        ③近場のコワーキングスペース                    ④カフェや公共スペース                            ⑤屋外

③近場のコワーキングスペース

宿泊している温泉宿に「Wi-Fiが飛んでいない」「座卓で姿勢がつらい」といった事情があって、仕事に向いていないのであれば、宿の外にワーキングスペースを求めることになる。

宿の近くにコワーキングスペースがあれば、ドロップイン(立ち寄り利用)で利用するのも選択肢のひとつ。

当然、Wi-Fiも飛んでいて、PC作業もしやすい環境なので、仕事も捗るだろう。オンラインミーティングも可能であるし、個室を備えていればなおよしである。

近年はワーケーションが観光・地域活性化の起爆剤として期待を集めているため、コワーキングスペースが新設される温泉街が増えている。インターネットで「温泉地名+コワーキングスペース」で検索すれば、これに関連した情報を見つけるのは容易だ。

お目当ての温泉地があるなら、コワーキングスペースの有無をまずは調べてみるといいだろう。

④カフェや公共スペース

コワーキングスペースが温泉宿の近くにないなら、カフェや公共スペースが選択肢となる。

カフェといっても、スタバのようなPC作業に適したチェーン店がある温泉地はほとんどないため、地元の小さなカフェや昔ながらの喫茶店などが候補となる。

なによりテーブルで作業できるのはありがたい。素泊まりで滞在しているなら、カフェでご飯をいただくついでにPC作業をするという手もある。

ただし、長時間の利用はマナー的に問題があるし、Wi-Fiが飛んでいないケースもある。あくまでも旅館での作業に行き詰まりを感じたときなどの一時利用が現実的だろう。

カフェよりも広く開放された「公共スペース」のほうが使い勝手がよいかもしれない。たとえば、福島県のいわき湯本温泉の最寄り駅「湯本駅」の2階には、無料で利用できるワーキングスペースがある。

いわき湯本温泉ではワーケーションプランを売りにしている宿も多い。ワーケーションの受け入れに積極的な温泉地には、公共スペースをワーキングスペースとして開放しているケースがあるのでうまく活用したい。

⑤屋外

ワーケーションを取り上げた記事を読んでいると、海岸の砂浜の上や緑豊かな高原の風景の中でノートPCを広げているイメージ画像が使われていることがある。

ワーケーションといえば「自然の中で優雅に仕事」というイメージなのかもしれないが、実際にやってみると難しい。

屋外だと日が当たってPC画面が見づらいし、Wi-Fiが飛んでいない場所がほとんど。真夏や真冬は論外だが、天候が穏やかな季節でも、日差しが強い日は暑いし、逆に曇天だと肌寒い。外に数時間座って仕事するのに適した天候は意外に少ない。

アイデアを練るといった脳内作業なら問題ないが、屋外でPCを使ってがっつり仕事をするのは現実的ではない。

屋外でおすすめできるのは足湯。散歩のついでにちょっと考えごとをするにはちょうどよい塩梅である。

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以上、2回にわたって温泉地におけるワークスペースについて検討してきたが、現状ではまだ不便を感じるケースが多い。

だが、テレワークやワーケーションの普及によって、温泉地でも少しずつテレワーカーを受け入れる環境が整っていくと予想される。将来、温泉ワーケーションが定着・普及するかどうかは、受け入れる側の環境整備にかかっている面がある。今後の展開に期待したい。

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