絵画教室に通おうとして挫折した話
「お前、絵描くの好きなら絵画教室とか行ったらどうや?」
母親から突然、こんなことを言われた。
昔から、文章とか絵とか作るのは好きだったけど、そういった団体とか組織に属して勉強したことはなかった。
最近、家に引きこもってモンハンとかボーダーブレイクとかとにかくプレステ4しか触ってないのでそれは妙案だと思った。
「それ、よさそう」
新しい趣味を持つことで、生きがいも増えるし、視野も広がる。
善は急げ。残りの人生で何か始めるなら今日が一番早い日。
ものぐさな僕が珍しく、前向きに物事に取り組もうとしたのだった。
とは言うものの、僕の住んでいるところはなかなかに田舎である。絵画教室は開催されているのだろうか?
Googleで 地名+絵画教室 で検索してみると…
「〇〇コンクール入賞作品一覧」
「〇〇展、募集のお知らせ」
まあそうだよね。こんな田んぼしかねぇクソ田舎に絵画教室なんてあるわけなかった。でも僕は諦めず、県の中心部に範囲を絞って探してみた。すると…
「〇〇絵画教室」
「アートスクール〇〇」
出た!
なんだ、意外とあるんじゃないか。クリックして詳細を見てみると…
「当絵画教室は定員人数になりました。」
「※女性限定です。」
おいおいサム、冗談だろう?
僕はアメリカ人になりつつも、諦めずに他に場所がないか検索した。さすがだ、こんなクソ田舎だから募集が集中してしまうんだろうな。性別の壁はどうしようもないけど。
検索結果は……ヒット! よーし! いい子だ。
僕はまたアメリカ人になりつつも、検索結果を眺めた。
「小学生から高校生まで、優しくレクチャー致します♪」
「月~金まで、平日限定の絵画教室です。」
「月謝7万円」
Holy shit!(クソが!)
僕はもはや完全に洋画に出てくるアメリカ人になっていた。年齢の壁、時間の壁…さまざまな要因が邪魔をしてきやがる。っていうか最後の月謝7万円ってなんだよ。
結局、僕は絵画教室に行くことは叶わなかった。通ってから挫折するならともかく、まさか通うことすらできないとは…
何事も独学では限界があるからなあ。やはり教えてくれる人の存在は大きい。来世は美術部に入ろう。そうしよう。
おわり