見出し画像

フリーランスは自由なのか

だいぶ間が空いてしまいましたが、「フリーランスという働き方」シリーズ第3弾です。

疑問3:フリーランスは自由なのか?結局拘束されるのか?

結論から言えば、自由を最優先すればどこまでも自由になり得るし、拘束を受け入れる代わりに安定や高い収入を得ることもできるといったところです。つまり自分が「どういった働き方を目指しているか」、それを実現するため「仕事にどういった条件を課すか」が大事になってきます。

僕は東京で満員電車に揺られてサラリーマンをしていた20代前半の頃に

  • 「絶対にこんな満員電車に乗らずに済む仕事をしたい」

  • 「スーツを着ずに好きな格好ができる仕事をしたい」

ぼんやりとこう思っていました。その後、好きでもないのになんとなく就いてしまった仕事のせいか辛くなって会社に行けなくなり休職を繰り返した挙句退職した僕は、貯金で暮らしながら次の仕事を考えるときに

  • 「次こそ自分が楽しいと思えるネット関連の仕事をする」

  • 自由な場所で働けるように、パソコン1台あればできる仕事にする」

といった条件を追加して、独学でWeb制作会社になんとか転職しました。

ある程度好きな仕事ができるようになってしばらくは良かったものの、まったく業績が改善しない職場環境と、それについてモノ申しても熱意の感じられない上司たちにヤキモキし、

  • 他人に自分の人生の舵取りをされないようにしよう」(ぬるま湯な環境で今は楽でも、後で実力がなくて後悔する)

  • 「一社だけでなく『市場』に評価されるよう働こう」(転職してもまた人に恵まれなかったら時間を無駄にする)

と新しい考えが生まれ、転職するのをやめフリーランスとして独立を決意しました。それまでは「独立するとかリスクありすぎてとんでもない…」と考えていたのが、「いや、サラリーマンにはサラリーマンのリスクが結構ある。上司は選べないし、仕事も選べないし、社内政治に長けても市場価値が上がるわけじゃない」と考え方がだいぶ変わったのもあります。仮に良い会社に巡り合ったとしても、結局そこで一生働くわけじゃないんだろうな、だったら…という思いもありました。

そして独立して案の定大変苦労をするのですが笑 なんとかギリギリで生き残りを図りながら

  • 「誰もができるようなことをやっていても買い叩かれるだけだ。大事なはずなのに誰も気づいていない盲点を見つけなければ」

  • 「単価交渉をしなければ安く使われるだけ。積極的に高値で交渉しよう」

  • 「デザイナーとかプログラマーとかこだわらずに、必要なことはすべて学んで吸収しよう」

といった戦略的な考えが芽生えていきました。フリーランスは「自由な場所や時間に働ける」というイメージが強いと思いますが、むしろ「自分を成長させたり収入を増やすための選択が自由」という面が特徴的だと思います。

自由とひと口に言っても

仕事の大半はクライアントワーク(企業さまから依頼をいただいている仕事)なので、自分の好きな仕事のやり方ができるかといえば必ずしもそうではありません。この「顧客に拘束される」というのはどんなに自由度を高めたところでゼロになるものではありません。

たとえば僕は個人的にゲーム開発を進めているので、もしゲーム販売だけで十分な稼ぎが立ったとしたら、「完全な自由を手に入れた!」と見えるかもしれません。

しかし「誰かが欲しがるゲーム」だから売れる(ダウンロードされる)のであって、「おれがつくったさいこうのげーむをくらえ!」的な稚拙なリリースをしても、まったく売れないのは間違いありません。(そもそもニーズを狙ったつもりでも売れないことは多々あります)

つまり「自由」という1つの言葉でも、

  • 安定して高収入を得る「自由」 ※ただし企業からの拘束を受け入れる

  • 企業に依存せず商品を販売する「自由」 ※ただし顧客のニーズを受け入れる

  • 誰にも縛られない作品を作る「自由」 ※ただし商業として成り立たない状況を受け入れる

などがあるわけです。自由と拘束は表裏一体であり、ただその割合や性質を選べるのがフリーランスの良いところです。

もちろんフリーランスこそが正義!ではなくて、

  • フリーランスのような不安定さのない日々の安心感やある程度の給与、大案件に関われたりチームワークが学べる「自由」 ※ただしフルタイム拘束を受け入れる

というサラリーマンならではのメリットもあります。

だからフリーランスが自由か否か?というよりは、自分がどういった働き方をして生きていきたいか?(あるいはどういう状態は絶対に嫌なのか)を先に決める、のが何より重要 だと考えています。

「本当は仲間と対面で話し合いながら仕事がしたかった…」と内心思っていたのに家でリモートワークをしていたらモヤモヤするだろうし、「自分で働き方を決める自由さより、好きな仕事に日々安心して取り組める土台に乗りたい」という人がフリーランスになっても毎日が不安でしかないからです。

自分にとっての「自由」とは何なのか? それを本当に望んでいるのか? こういった自分への問いを繰り返していきましょう。フリーランスは目的ではなく手段なのですから。

自分が心から望んでいるものをまず自覚することから全ては始まります。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?