交際387日目 歩んだ道を

彼とのLINEのやりとりで、
心に刺さったやりとりがある。

『いろんなものに出会うことは
人生を豊かにするよ
価値観はそれぞれだけど』

心に僅かな違和感を感じた。

言っていることは真っ当だと思った。
ツッコミようがないと思った。

『あなた(私)と話していると、
食べたことのあるものや
行ったことのある場所の少なさから
これまでの人生の内容を気にしてしまう。』

その場では、違和感は微かで
それに同意する自分なりの言葉を探して、
結局うまい言い換えの言葉が見つからなくて、

すごい要約すると『そうだね』と返事した。 

返事をして、
既読がついて、
返事がなくて。

まあ、別に特段取り立てるほどのものでもないけれど、
やけに心が重たくかんじる。

時間が経つほど
息を深く吸うたびに、涙が出そうになる。

そうなってわかる。
ここには何かあると思った。
おそらく見過ごしてはいけない何かが。

座って考える。

あ、そうか
これまでを否定されたように感じたのか。


母親にかつて言われたことがある。
あなたへの子育ては失敗だった、と。

幼稚園の頃、母親が大好きだと思ってた。

小学生の頃、母親の言うことが正しいと思っていた。
また私を評価する人たちの判断が、
全て正しいと思っていた。

中学生の頃、母親のもつ視点や知識は
この年代では得られない優れたものであると思っていた。

高校生の頃、母親は私の選んだことであれば
許してくれると思っていた。

大学生2年生の頃、親との問題が人生のエラーを引き起こすとの情報を改めて耳に入れた。
私には関係がなくて、問題がないことに感謝した

大学生の頃、何度も母親の言葉に救われた。

大学生卒業間際、親を尊敬できていないことに気がついた。
そして言われた、
あなた達の子育ては失敗だったと。

子育てはわからないけど、
人生は失敗してたかもしれないと答えた。

社会人になって、
これまでいた芸事の社会から一遍変わって、
すごく息がしやくすなった。

これまで触れなかったものに沢山触れて、
簡単な幸せを得るようになった。

実家と少し離れたことは、良い選択だと思った。

社会人1年目の頃、
また言われた。
あなた達の子育ては失敗だった、と。

私は今幸せだから、
あなたがどう思おうが構わないけれど
幸せだから失敗してないと思うけどな。
と伝えた。

他でもない、
私の今を肯定する為に、足掻いて返事した。

過去を否定されることは、
歩んだ道の先にある、
今の自分を否定すると同義だから。

微かな違和感を呑み込みながら。

自分を誰かに否定されることに、
私が耐えられなかった。
だから己の理論で、己の感情に刃向かった。

社会人2年目になった。
私が選んだことではなくて、
母親の良しとする価値観の範囲内だから
応援されていたことに気がついた。
母親が嫌になった。


私はどっちつかずで、
1つのものに向き合い続ける人生でも、
いろいろなことを経験した人生でもない。

どちらに振り切れる訳でもない己の人生を
どこかで恥じている。

そして自分が人生を否定することで、
母親に復讐しようとしている。
自分は誰かのせいで成功できないと、
何かに擦りつけないと思っている。

それなのに、
いざこれまでを肯定されないと
傷ついている自分に嫌気がさす。

自分が1番、これまでの人生を否定したいのに、
人からネガティブな印象を持たれると
心がジタバタと騒ぐ。


心がバタバタと騒ぐ夜、
つい最近友人から沼にはめられた
THE FIRSTのライブをみた。

これまで気がつかなかった歌詞に
心が安らぐ手がかりを見つけた

殴り書きの地図眺めて
自分自身 見失うけど
残してきたその足跡
無駄じゃないよ
『"A" Life』 Team A
https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/the-first-team-a/a-life/

これまで歩んだ道は価値があると力強く肯定することも、
全てを間違っていたと否定することもできない。

100%建設的な思考を導けない。
それでも、無駄だけではなかったぐらいになら
思える気がする。

これまでの歩みを誰かに
認めて欲しくて堪らない状況がおこるのは、
評価基準を人の目に委ねているからで、
今の現実に劣等感を持っているからだ。 

自分を自分で受け入れられない。
だから誰かから肯定してもらえないと
不安になる。

他人に私の人生の豊かさを図るなど出来ないと、
力強く気持ちを保つこともできない。

彼のものの見方が大好きだから、
尚更揺らぐ。

誰かに肯定してもらいたくなる。
心が暴れる。

だからそんな時は、
小さく呟くことにする

その足跡は無駄ではない。

私の歩んできた道は、
正解ばかりではなかったかもしれないけれど、
豊かといわれるものではないかもしれないけれど、
否定も肯定もせず、
ただあるものとして心にしまう。

自分さえ、自分の人生を否定しなければ、
きっとその歩みは
かけがえのないものになる。
私でしかありえない、
宝物になる。



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