タイの故郷


https://samansa.com/videos/153
作品時間: 15分 25秒
Tubby Brother

ドキュメンタリー作品、タイの郊外で、「ケーン」という笛楽器を作る一人の男性のお話。伝統と文化と継承の苦悩が、ケーンの素敵な音色と地元の人とのお祭り騒ぎの音と主に切り取られた作品。

まずケーンという楽器が初見だったのですが、笙みたいな音色。構造も同じだろうか。パイプオルガンと同じ構造な気がする。なんせ私が大好きな音色だったことにまず大歓喜。
そして奏者のバリテクも楽しめて最高の作品だった。
一方でそんな素敵伝統楽器ケーンがおかれる、職人の継承者がいない問題にも心が痛くなった。
主人公となる男性は、もう無骨な職人。ストイックに、放牧している家畜の世話をして、料理を仲間に振舞って、ケーンをつくる。決してそこに哀愁はない。一人のかっこいい生き様。でも孤独かもしれない。家族はいるし、温かい人に囲まれてはいるけど、生き様はひたすら孤独だった。そこにケーンの音色があまりに中毒性があるサイケ感をもたらして、作品の世界観を作っていた。
ケーンづくり自体もとても興味深かった。特別な器具を使うわけではなくて、彼が使い込んだことによる特別な職人工具になっていた。そしてシンプルな作りかと思いきや人の心に突き刺さる音色が出るんだからすごい。
いつか生ケーンを聞いてみたいし、こういった伝統楽器の存続にはなにかしら貢献したい。


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