【フリースクール・ロビオキ 新教室~解体作業②~】
先週の金曜日にもフリースクールの生徒さん達と一緒に、新教室のリフォーム工事を行いました。
前の週に片方の土壁は壊していたので、そちら側からバールで壊します。
最近は石膏ボードと呼ばれる壁材を下地に使っていますので割と簡単に壊せるのですが、今回は薄いとは言えベニヤなので意外と壊れません。
今回に限らず解体のワークショップをやると、子供達が本当に楽しそうなんですよね。
普段家でやったら絶対に怒られるヤーツなので、存分に力を込めて壊してます(笑)
ハンマーやバールでの解体が難しい木材は、のこぎりで切断作業も。
思っていたより切れなかったらしく、頑張って切っていました。
そこで、用意していた電動の丸ノコで一瞬にして切断するのを見せると
「おぉーーーー!すげーーーー!!」と歓声が。
流石に危険な作業なので、これは私がやりました。
建築の知識がないとこのままオープン空間として使っちゃうと思うんですが、貫(ぬき)と呼ばれる部材を解体したので、少なくとも構造的な面で何らかの補強が必要です。
同じ場所に✕型の筋交いを設けるか、同じ並びの壁面を代わりに耐震壁として補強するか、の2択になります。
こういった構造のバランスに関して、DIY工事においては特に経験者や建築士の関与、監修が必要だと思います。
今週の金曜日も引き続き壁や天井の解体作業を進める予定です。
来週からは大工さんも乗り込み、一気に進んで参ります。
DIYを通じて、職人の仕事にリスペクトを
先日、知り合いの建築士の方とDIYについて話していたのですが
「自分で作業してみる事で、大体が思い通りに行かなかったり、体力的にキツかったりするんだけど、その結果として職人さんへのリスペクトが生まれるよね」
という事で共感し合いました。
職人あるあるなんですが、パッと見簡単そうに見える作業が実はこれまで培われてきた技術と経験によってそう見えるだけで、実際誰にでも出来る訳ではない、という事が結構あります。
言い換えると、その工事が1時間で終えられたのは、実際に費やしたその1時間だけではなく、これまでその職人さんが培ってきた時間や手間が土台にあってはじめて実現するんだよ、という事です。
これを一般的な時間軸だけで評価してしまうと、おかしなことになります。例えば1時間でキレイに素早く工事を終えたら、時給で3,000円とします。
同じ作業だけど3時間かかったら、時給は同じ3,000円だと9,000円という事になります。これは明らかにおかしいですよね。
チンタラやった方が儲かるなら、急いでやる必要ないですから。
これは職人だけに限らず、日給や月給にも置き換えられます。
職人がやったら「仕上がりが良く」「1時間で」工事を終えます。
素人がやったら「仕上がりが悪く」「3時間も」かかります。
ここの差が職人が提供している「価値」の本質な訳です。
こういった目線が持てるかどうかは、やはり自分で同じ事をやってみるに限るんですね。
同じ作業を行う事で、ようやく適切に判断するものさしが手に入ります。
私が長年コツコツとDIYを続けてきたのも、このものさしを手に入れたかったからです。
最近の家づくりにおいてのクレームや揉め事は、職人と施主の距離が離れすぎてしまった事が起因するように思えてなりません。
そして職人さんだって同じ人間です。機械の様に毎回100%の精度で仕事をする事は現実的に不可能です。
それでもアベレージで90点以上をキープするのが職人さんだと捉えていますし、その10%の寛容さもない今の社会では、職人になりたい人が減るのも致し方ありませんよね。
私がこうしたDIYワークショップを開催している狙いの一つに、自然と職人さんへのリスペクトや感謝が芽生えてくれるといいなぁという事もあったりします。
それなくして、職人さんの賃金アップは無理ですし、職人不足を解消する事なんて不可能でしょう。
少しづつですが、建築の仕事や面白さを伝えていけたら嬉しいです。
それではまた!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?