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どんなにネアカを演じていても、結局みんなバラードに心を打たれる。

人はしんみりする歌に心を打たれる。
別れ、心の痛み、かなわない恋、人生の挫折、報われない努力
人が人生のなかで一度は味わう大きな悲しい出来事や暗い過去を歌の歌詞に見たとき、自分だけじゃないんだ、つらいことは誰にでも起きるんだと慰められる気持ちになる。

ヘビメタのバンドでも名曲といわれるのは哀愁漂うバラードだ。
バラードでなくても、頭が割れるようなガンガンの音を鳴らしている曲でも、実は歌詞の内容は人生哲学だったりする。

僕らは旅立つんだ!サヨナラなんだ。もうここには戻れない!
どうしてなんだ!君がどういうつもりだったか知りたい!
ジャングルにようこそ!ここでは毎日悪くなっていくばかり。生き延びることを学んだだろ。

とこんな風に。

ヘビメタの人気バンド、ガンズアンドローゼズの名曲は「November Rain」。
やはりバラードだ。サビはこんな感じ。

暗闇のことは気にしないで
僕らは道を見つけられるんだ
永遠に続くものは何もないから
冷たい11月の雨の中でも

冬の雨はつらさを象徴している。でも大丈夫だって歌っている。


BOØWY(ボウイ)の解散コンサートで氷室京介が

「フォークのバンドじゃねえんだから、じめっとすんのが似合わねえと思うから、最後にビシッと決めるぜっ!」

って叫ぶけど、実際は会場のみんなは悲しくて、しんみりしたがっている。
最後の曲は「DREAMIN」。
歌詞は、「社会に埋もれて、落ちこぼれて。みんなそれに組み込まれている。でも、俺はそんなにバカじゃない。俺は夢を見ているだけさ」という内容。元気をくれる歌に聞こえるけど、哀愁が漂っていて、みんなどこかに自分を投影しているから心を打たれる。


僕はロックも聴くけど、一周回って、結局フォークに戻る。

兄貴の影響でフォークソングが好きになったけど、高校の時、フォークは暗くてかっこ悪いみたいな世間の風潮になって、そこからロックを聴くようになった。
すべての責任はオフコースの「さよなら」のせいだと思う。

だけど、小田和正はいまでも小田和正のままだ。
「さよなら」はオフコースファンにとってはなくてはならない曲だ。

伊勢正三だってずっと悲しい歌を歌い続けている。
「星空」「あいつ」「夏この頃」は山で死んだ”あいつ”の唄のシリーズ。
どうしてこんなに人が死ぬ歌ばっかり歌うのかなと思うときがあったけど、気になる人は一度聴いてみてほしい。(「お前だけが」や「ささやかな人生」という悲しくない歌もあります)

でも小田和正はそれが小田和正だし、伊勢正三はそれが伊勢正三なのである。


オフコースの「秋の気配」「愛を止めないで」
風(伊勢正三)の「あの唄はもう唄わないのですか」「なごり雪」
浜田省吾の「悲しみは雪のように」
サイモン&ガーファンクルの、「サウンドオブサイレンス」、「ボクサー」

あげればキリがないけど、さみしい曲でもそれが一番好きだ。


しみじみするブログばかり書いていて、だれが読むんだろうかと疑って、何かいいことを書こうとしたら、全然続かなくなってしまった。
歌のことを書くのは、歌の詩にしんみりさせられるし、そこに僕自身の心情を投影できるからだ。
僕はそんな自分でいいのだと思う。

雨の歌を集めてみたりしたけど、
悲しさを歌う雨の歌は実は名曲ばかりだ。名曲ということは多くの人から賛同を受けているということだ。

哀愁があっていい。
今の人はみんなネアカみたいに見えるけど、悲しみ、悩みを抱えていない人はいないはずだ。
フォークなんて、知らない人は多いかもしれないけど、僕はそこから受けた感動、感銘を書いていくことを続けようと思う。

今そう思っている。

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