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【倫理規範】愛着障害はあばら家、愛着不全は御殿|どちらも簡素な家が心地良い

【質問】マインドブロック外しはナンセンスのお話、胸がすく思いでした。ありがとうございました。
その倫理規範について質問なのですが、愛着不全は親の倫理規範を抜けてない or 構築中と想像したのですが、愛着障害はかりそめの成人期ということなので、(仮)でも自分の倫理規範があるってことになりますか?
だとしたら回復後はそれまでの(仮)の倫理規範はどうなるのでしょうか...? リノベーション ?それとも解体後にほぼ新築でしょうか?

【お返事】こちらの放送への質問ですね。ちょっと復習しておきます。

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■マインドブロックと友だちになる理由

上のマインドブロックの話は、「マインドブロックはあなたの友だちだから仲良くしましょう」ということでした。邪険にしないように。

だいたい、ほとんどの人は自分の嫌な部分を邪険にします。ここが不幸の始まりです。その視点で見ると、ほとんどの人はわざわざ不幸を背負って生きています。

ここを起死回生できるかは、40代以降、どのように生きたかが問われます。

つまり、嫌な部分を自分の中に統合していく個性化の話ですね。個性化は、自分のアイデンティティを再構築するようなものですね。これまでの生き方にダークな部分を塗り重ねて、深い陰影のついたアイデンティティを作るわけです。

さらに、この時代は、ちょうど育児と重なります。中年期の発達課題は、生殖性、世話でした。次の世代を育てていくことです。つまりアイデンティティの再構築(自己の内部の問題)と世話(自己の外側の問題)が同時にやってくるのが中年期なのです。

こうやってマインドブロック、つまり自分の中からダークなものとして排除してきた部分に再度、光を充てる必要があるのです。光を充てるとは、友だちになると同義です。ここまでが、前回のnote の復習でした。

■愛着と倫理規範(生き方)

ここからが質問者さんの質問の本題です。愛着と倫理規範。カウンセリングをしていると倫理規範(生き方)という問題がいつも浮上してきます。どのように浮上してくるのかというと、

「この人は自分で生きるルールをどの程度作り上げて、現在、そのルールに従ってどうやって生きているのか。そしてそれは無理なく使うことができているのか」

そのように目の前に座った相談者の人に対して思いを巡らすのです。これは、目の前に座った人の人生の風景と言ってもいいでしょう。

愛着障害と愛着不全の人の倫理規範(生き方)は違った風景を作ります。

  • 愛着不全の方は倫理規範(生き方)の構築中です。実年齢が大人になっても構築中です。
    親から受け継いだ倫理規範をぶっ壊して、再構築真っ最中という感じです。10年、20年、30年の長いモラトリアム中です。
    それだとまだ良いのですが、ぶっ壊す作業をせず、後生大事に持っている人もいて、なかなか人生がスタートしない人もいます。
    愛着不全の人でも、さまざまな人生模様があるのですね。倫理規範という視点だけに絞っても、このようにグラデーションを成しているように見えます。

  • 愛着障害の方の倫理規範(生き方)は、もともと「かりそめ」の倫理規範(生き方)ですが、それは自分で作ってきたものです。それは、あばら家かもしれませんが、自分のものなのです。しかし、自分で作っているにしては自信が全くありません。吹けば飛ぶようなあばら家と分かっているからです。

ここが通常の方の倫理規範とは違うのですね。普通に育った人(安定した愛着の中で育った人)は、自分の倫理規範に自信があるし、台風が通過しても持ちこたえることができます。

■簡素な倫理規範、御殿の倫理規範

愛着障害の方はぶっ壊す規範もないとも言えます。彼らの規範は、あばら家のような倫理規範で、基礎もないので、1時間かからずにさら地になります。

しかし、愛着不全の人は、なかなかさら地になりません。基礎がゴツゴツしているので重機も必要です。そして土地も所々ぬかるんでいます。土壌改良も必要でしょう。イメージ的には、こんな大きな違いがあります。

愛着障害から回復した人は、さら地になった場所に、さっさと簡素な(ミニマムな)家を建てて生活を始めます。家にこだわりがないので、アレコレ考えたりせずに500万円くらいで建つ最低限の家を建てて、自分の生活へ向かっていきます。

それと比較すると、愛着不全の人は、御殿(りっぱな倫理規範)を立てようとするところが難儀なことで、大変なんですね。回復の途上でもやっぱり御殿への執着はあります。捨てきれないところはあるのですが、回復が進むと、ぬかるんだ所を避けて、無理をせずに建てられる場所に比較的簡素な家を建てるでしょう。

■まとめ

  • マインドブロックと友だちになれれば、幸せになれる

  • 愛着不全の人は倫理規範が建設中の状態で、御殿を作ろうとしている。その思考から脱却することが必要。

  • 愛着障害の人はあばら家のような倫理規範なので、さっさと作り替えることが可能。

◇ラジオのおやすみ談話室:関東地方では雪が降りました。今年の冬は終わりでしょう。

■他の助けを求めるのもいいでしょう

もし、あなたが生きにくい生き方(倫理規範)を持っていて、自分ではどうしようもないのでしたら、臨床心理士などの心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。あなたが様々なストレスにうまく対処できるように、心理士は特別なトレーニングを受けています。

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