思春期を迎えた愛着障害の子どもの恋愛観|親密を避けるため秒速で結婚する
【お返事】10代の愛着障害の子どもの場合、自分が「親密感が怖い」と認識していない人の方が、多いかもしれません。
そういう人は恋愛も怖くありません。自分からガツガツと取りに行くような積極性はありませんが、相手がやってきたら、それを避けるようなこともしません。そこでは「合わせる」属性が働いていて、相手に合わせて「しょうがないから」付き合っている風情もあります。
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※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■愛着障害|しかたないので付き合う
容姿のカワイイ子ばかりでなく、愛着障害の子はどことなくはかない印象があり、それが魅力になっていつも声をかけられることが起こります。
それがめんどくさいから特定の異性を(しょうがないから)作っている人もいます。そして(しょうがいないから)セックスをします。彼氏は歓びますが、当人はどこ吹く風です。
この関係は長く続きようがありません。だから彼氏との関係が切れる前に、短期間の交際で、しらっと結婚したりして周囲を驚かせます。彼のDV気質が表出する前に結婚することにもなるかもしれません。こんな結婚なので、スピード離婚もあり得るでしょう。
それもしかたがないですね。しかたなく結婚して、しかたなく離婚する。
■愛着障害|かりそめの思春期
しかし、思春期の愛着障害の彼(彼女)が「かりそめの成人」を身にまとって、大人になった頃には、親密が怖くなる可能性があります。
とはいえ、かりそめの成人になっても、そんなに怖さを感じていなさそうな場合もあります。脱抑制タイプの人です。脱抑制の人は、かりそめの成人のマントを、身にまとってもいないように見えるときがあります。かりそめの思春期が長いというふうに見えてしまうこともあります。それらの外見によって、愛着障害の人々のもつ脆弱性が隠されてしまっていることがあります。
この原因は色々と考えられると思いますが、まず大きな要因としては、母親以外の周囲の人々のサポートが良かった場合、このような見え方をすることがあるようです。
愛着障害の人は、実家から早く離れるために結婚を急ぐこともあるし、相手にベタベタされるのがイヤで、結婚してしまえば家族になるので、ベタベタ度が減ることを願って早めに結婚することもあります。
「知り合って数か月で結婚」もザラです。ただ、このへんも無意識的にやっている行動なので本人は認識していません。なんだか自分って変だな、その程度の認識です。
愛着不全の人も、実家から早く離れるために結婚を急ぐことも多いですね。ただ、この場合はパートナーにくっついて安心したい、ベタベタしたい行動が増えるところが、愛着障害の人とは違います。
愛着障害の人にとっては、結婚もリスクが高いのですが、そんなリスクを無視しての、生きのびるための戦略なんですね。ロマンスなんて悠長なことを言っていられません。
■愛着障害|かりそめの成人期
そんな彼らが自分の変さを確認するのは、子どもが出来たときです。その頃には、かりそめの思春期心性は卒業して、かりそめの成人期に移行しています。うまくいかない子育てに、自分のおかしさを思い知らされます。
そして自分は虐待してしまうのではないかと恐怖が吹きだして、その恐怖の中でカウンセリングルームの扉をたたくこともあります。そんな人々の多くの主訴は「わたしは子どもを虐待してしまいそうで怖い」です。
そこまで自分のマインドがセットされてくると、本格的な愛着障害の治療が始まるといえます。
かりそめの思春期からかりそめの成人期への移行は、カウンセリングルームの治療の中で行われることもあります。その場合は、比較的スムーズにかりそめの成人期へ移行しますが、移行直後に恐怖が噴き出るので、訳が分からなくなることもしばしばあります。そこをしっかりと、相手に理解させながら、安心感を与え続けて、カウンセリングは進むことになります。
■まとめ
思春期の愛着障害の子どもたちは、しかたなく恋愛をし、結婚もする。
かりそめの思春期からかりそめの成人期に移行する。それが治療の中で行われることもある。
カウンセラーは、愛着障害を理解させながら安心感のある世界を作っていくこと。
◇ラジオおやすみカフェ:桃の花が咲き出しています。
■他の助けを求めるのもいいでしょう
もし、あなたが愛着障害を抱えている場合は、臨床心理士などの心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。時間はかかるかもしれませんが、あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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