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【図解】なぜ、Netflix (ネットフリックス) は儲かるのか?

どうも、ソラッチです。

近年、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、Hulu、Youtubeなど動画配信サービスが非常に伸びています。

その中でも急成長し、巨大IT企業群FAANGの一つに数えられるNetflix。
新型コロナウイルス下で業績を成長させた代表格で、売上は前年度より24%増の71億6328万ドル、世界のユーザー数では2億760万人(2021年4月)で、他社から頭一つ飛び抜ける存在になっています。

そんなNetflixはどんなビジネスモデルで儲け続けているのか、ビジネスモデル、戦略を図解してみました。

Netflix (ネットフリックス) の戦略図解

Netflix (ネットフリックス) の戦略図解


1.なぜ、顧客に選ばれるのか?(上段)

そもそも、我々はテレビではなく動画配信サービスの方を見るようになったのでしょうか?

理由の一つとして、テレビよりも動画配信サービスの方が、顧客が求めていたニーズを満たしたからだと言えます。

その本来求めていた顧客ニーズとは、自分にとって魅力的な動画がいつでもどこでも気軽に見れる事になります。

だから、決まった時間に配信するテレビでは、そのニーズを満たせません。同様に、DVDレンタル会社も気軽に見れないためニーズを満たせません。

では、数ある動画配信サービスからNetflixを選ぶ理由はなんでしょう?

それは、自分にとって魅力的な動画を多く見つけられる事です。

つまり、Netflixは魅力的な動画が大量にあり、いつでもどこでも見放題という顧客価値をどの競合よりも高めているからと言えます。

顧客価値を高めるためには、図解の③他社との違いが重要になります。

特に他社との違いの中でも、幅広い顧客層を満足させるために、コンテンツ配信数の多さとその動画の質が重要になります。

イメージは分かると思いますが、質が悪い動画がどれだけ多くても顧客価値を満たしません。

実際に、配信数でいえば、アマプラの方がNetflixより3倍多いのですが、魅力的な動画ではNetflixが多く、登録者数はNetflixの方が多いのです。

つまり、質が高い動画を多く揃えている事が、配信サービスの成功要因といえます。⑥この事業の重要なプロセス(KSF)でも上げている点になります。

魅力的な動画を制作するために、Netflixは毎年多額の投資を行っています。ちなみに2021年度のコンテンツ制作予算170億ドル(約1兆8700億円)もの巨額を投じる予定になっています。

2.なぜ、儲かるのか?(中段)

2021年1~3月期決算は、売上高が前年同期比24%増の71億6328万ドル(約7745億円)。純利益は同2.4倍の17億671万ドル(約1800億円)で、ともに過去最高を更新しています。

約1800億円、ものすごい利益を上げていますよね。

なぜこんなにも儲けられるのでしょうか。
儲けの仕組みを考える時には、④儲けのポイントから考える方法と、⑤収益構造から考える方法がありますが、今回は⑤収益構造から考えてみましょう。

収益構造とは、儲かる仕組みのことで、下記のような利益の式から考えることができます。

利益売上(平均単価×会員数)- 費用(オリジナルコンテンツ作成+ライセンス料+宣伝プロモーション etc)

この式から特に利益に貢献する指標(KPI)として⑤収益構造にも上げていますが下記3つになります。
1.会員数の増加
2.上位プラン移行
3.解約率の低下

この中でも特に、解約率の低下が他の二つに影響するので、最重要になります(センターピンといいます)。

解約率の低下を実現するための方法として④儲けのポイントを考えたものが下記の3つになります。
1.魅力的なオリジナル作品と配信本数
2.全世界同時配信
3.ビックデータによるレコメンド、スムーズな視聴

1の魅力的なオリジナル作品と配信本数は見たい動画があること、かつ、ここでしか見れない動画が解約率の低下に繋がります。

2つ目は、全世界同時配信、多言語化することで、例えば日本だけのローカル配信が全世界で見られる事です。
実際に全裸監督は世界中で成功を収めました。

この同時配信は、①世界中での視聴データの収集、かつ各地域のインフルエンサーによる口コミ効果などで視聴数が増加すること、優秀なクリエイターが世界への挑戦する窓口となり、魅力的な動画が増加すること、これらが解約率低下につながっています。

ちなみにアマプラはローカライズ戦略で、国ごとに動画配信しています。Netflixは世界同時配信(多言語化)戦略で、世界同時配信するための通信の技術力と、多言語化の労力を必要とする分、これらは簡単には真似できない強みの一つにもなっています。

3つ目は、顧客に合った動画をレコメンドする技術と、そのスムーズな視聴が可能なことです。
大量の動画から自分に合った動画を見つけるのは至難の技。それを大量の視聴データからレコメンドする技術を開発しています。
さらに、動画が止まる事があれば、一気に解約に進むでしょう。スムーズな視聴ができる事も解約率に低下に直結しています。(アメリカや日本のようにインフラが整っている国はまた少数です)
ちなみに、配信数がそこまで多くなかった時に、このレコメンド技術によって、顧客が満足する動画をマッチングさせた事が、解約率を低下させることになり、今のNetflixを作ったとも言えるので重要な技術です。

この3つ儲けのポイントを徹底することで、解約率低下しつつ、会員数を増加させて、儲けを生み出しています。

3.なぜ、勝ち続けるのか?(全体)

儲け続けるためには他社に真似されない仕組みが必要になりますが、Netflixではどのように実現しているのでしょうか。

図解にあるように、基本的には⑦強みが③他社との違いと④儲けのポイントを強化する関係性になっていることで、真似されなくなります。

詳しくみると、図解の⑦強みが強化されることで、③他社との違いがさらに強化され、それが顧客価値を高めます
そして、⑦強みが強化されることで、④儲けのポイントを強化され、さらに利益が増加します
顧客価値の高まることでユーザ数が増え、利益が増加することで、さらに強みが強化して、この繰り返しの美しい一貫性の仕組みになっています。

まとめ

ネットフリックスは、魅力的なオリジナル動画を全世界で配信すればするほど、大量のコンテンツが増加し、顧客価値を高める事ができます。
そして、顧客価値を追求すればするほど、会員が増え、解約率の低下していき、強みや儲けが増加することで、更に顧客価値が高まる美しい一貫性のあるビジネスモデル・戦略が成立している事がわかります。

顧客価値を高め、競合に勝つためには、コンテンツ配信料やオリジナル動画の制作などの多額の費用を先行投資として必要なビジネスモデルではあります。
ここがこのビジネスにおける⑥この事業の重要なプロセス、成功要因(KSF)だと認識し、信じて投資し続けられるかが非常に大事になります

皆様のビジネスでも、成功要因(KSF)の箇所に多額の費用を必要とする場合があると思いますが、その時に英断ができるか、ネットフリックスをご参考にして頂ければ幸いです。

最後までお読み頂いてありがとうございます。

分かりづらい点、間違いがある部分があるかと思います。何かお気づきの点がありましたらお知らせください。

■参考

貸借対照表の比較(Netflix、東宝、東映アニメ)
8500億円の巨額予算! ネットフリックス vs. アマゾン 激突する配信ビジネス
急成長企業のビジネスモデルはここが違う
圧倒的コンテンツメーカー「Netflix」から学ぶマーケティング戦略
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