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【図解】なぜ、コロナ禍でも「焼肉きんぐ」は儲かるのか?

この新型コロナウイルスの影響で、外食産業は大ダメージを受けています。

そんな中でも、うまく行っている外食業界はあるのか気になって調べてみると、下記の記事を発見しました。

外食業界で一人勝ち、新星「焼肉きんぐ」の食べ放題が魅力的すぎる

素晴らしい記事だったので、こちらを元に、なぜ「焼肉きんぐ」が一人勝ちしているのかその戦略やビジネスモデルを図解してみました。

焼肉きんぐの戦略図解

焼肉きんぐの戦略図解

1.なぜ、コロナ禍でも焼肉きんぐはお客さんが来るのか?(上段)

このコロナ禍でも、お客さんが沢山来ているお店って気になりますよね。

その理由としては、下記の三つを満たしている事が考えられます。

①焼肉というカテゴリーと立地
②コロナ禍で安心して食べられるシステム
③メニューが充実した食べ放題と良い接客で、楽しさと満足度を提供

①焼肉というカテゴリーと立地
コロナを避けるように外食を避けるようになりましたが、自粛解除後は「お店でしか味わえないもの」を提供している飲食店は賑わいが戻ってきています。
その代表格が「寿司」「焼肉」になります。

特に食べ放題は、家では味わえない一つです。

また、都心部ではない郊外立地も、コロナ禍においてリモートワークの普及、ソーシャルディスタンスを避ける意味では好立地として見直されています。

②コロナ禍で安心して食べられるシステム

ターゲットであるファミリー層において、家族が安心して食べられる事は重要です。

その点、従来の自分たちで取りいくバイキングではなく、オーダーバイキングであるため焼肉きんぐは利点があります。
さらに、タッチパネルオーダーであるため、スタッフとの接点が少ないのもポイントでしょう。

③メニューが充実した食べ放題と良い接客で、楽しさと満足度を提供

遊びに行くのも難しく、コロナ疲れが出ている家族において、楽しめる一つが食事です。

食事の中でも特に楽しめる一つが、食べ放題です。

あなたも食べ放題でワクワクしたことはありませんか。

家の食事では考えられないほどの種類と量があり、何を選ぶかを、迷う楽しさに心が満たされる。

コロナ禍において、大人も子供も、楽しさとリフレッシュが得られる空間は非常に価値ある場所になります。

また焼き方や食べ方を教えてくれる「焼肉ポリス」が巡回しており、おいしいタイミングを伝えてくれます。
焼き方で大きく変わる焼肉にとって、この「焼き肉ポリス」の接客は、満足度に直結しています。

これら3つを満たしているからこそ、他の外食ではなく「焼肉きんぐ」が選ばれていると考えられます。

2.なぜ、焼肉きんぐは儲かるのか?(中段)

その理由を知るにはまず食べ放題の利益構造を知る必要があります。

食べ放題の利益は、売上ー経費なので、それぞれを分解してみます。

売上   = 食べ放題の単価 × 客数
経費   = 変動費 + 固定費(人件費、家賃など)
変動費  = 食べ放題の材料費 + etc

上記から食べ放題のビジネスモデルで儲けるためには下記の三つになります。
①食べ放題の単価を上げる事
②客数の増加(稼働率を上げる)
③食べ放題の材料費を抑える事

焼肉きんぐでは、それぞれを上げる取り組みをしているので、それぞれを見ていきます。

①食べ放題の単価を上げる事
焼肉きんぐでは、3つのプランがあります。

・58品コース 2,680円
・きんぐコース 2,980円
・プレミアムコース 3,980円

単価を上げるためにはプランを複数持つことが定石です。
多すぎても選びづらくなるため、3つが良いとされています。
そして、この3つの値付けが絶妙で、行動心理学的に真ん中のきんぐコースを選ぶようにされています。(気になる方は参考の記事などご参考ください)

また、飲み放題オプションは別であるので、さらに単価を引き上げる効果もあります。

②客数の増加(稼働率を上げる)

ファミリー層において、狙うべき人はだれか。
それは子供です。

親は自分が楽しむ以上に、子供の喜ぶ顔を見るために、食事に来ています。

つまり、子供たちを外食に連れて行って喜ばれるお店であり、かつ子供を連れて行きやすい値付けが重要になります。

その点で、焼肉カテゴリーとメニュー充実度している点で子供に喜ばれます。
そして食べ放題のコースは幼児無料、小学生は半額という値付けがさらに行こう!という後押しになります。

これを顧客ミックスという考え方で、子供たちからは儲けずに、子供向けのコースの値付けが家族で来てもらうための集客の役割をしています。

夏休みの映画館で、子供向けの映画が増えて、ランキングを総なめするのも同じ理屈ですね。

さらに、来店頻度を上げる取り組みとして、食べごろのタイミングや肉の知識などを伝える「焼肉ポリス」によるコミュニケーションが満足度を向上させている点も客数の増加に影響しているでしょう。

③食べ放題の材料費を抑える事

基本的に、お客さんの食べる量を操作する事はできません。
つまり、材料費を抑えるためには、原価率の低い商品を沢山オーダーしてもらう事が重要になります。

焼肉きんぐでは、4大名物を作っています。
贅沢な厚みや長い肉など、食べ応えと、満足度が得られる商品ですが、他の商品よりも原価率が低くなっています。
さらに、肉よりも原価率が低い創作のサイドメニューも充実させています。

ただ、ここで重要なのが、店都合だけで原価率が低い商品を作れば、お客さんは離れるという事です。

上記3つであげたように、焼肉きんぐはお客さんの楽しさや満足度を提供するために、名物やサイドメニューの充実を行えば行うほど、原価率も下げる事にも繋がるとともに、上のコースの変更、顧客満足度向上、稼働率も上がる一貫性のある素晴らしい仕組みになっています。

3.なぜ、勝ち続けるのか?まとめ

焼肉きんぐは、競合がひしめく焼肉業界において、13年で241店舗と着実な成長しています。

なぜ、このコロナ禍においても、一人勝ちしているのでしょうか。

これは、コロナ禍に適したカテゴリーなどもありますが、来店頻度に繋がる顧客の満足度向上(ファン化)を最重要ポイントとして、追求し続けているからではないでしょうか。

焼肉業界は競合が多く、そして肉を焼くだけの仕組みであるので、競合との差が出しづらい業界になります。

その業界において、重要な事はお客様にまた来てもらえる=ファンになってもらう事です。(味は大前提)

焼肉きんぐでは、ファンになってもらうための仕組みとして「焼肉ポリス」が存在します。
美味しいタイミングを教えてくれたり、焼き方や食べ方などを教えてくれます。
これは、満足度が向上するだけではなく、肉の焼き方などの知識を知れば、次に上手く焼けるように工夫したくなるワクワク感も提供しているのでしょう。

今、ウイズコロナの時代において、子供だけでなく大人たちへのワクワク感の提供は非常に重要なテーマです。

これらにより、美味しい食事を家族で食べたい、楽しんでリフレッシュしたいなど思った時に「外食なら焼肉きんぐに行こう」というポジショニングを確立させて、このコロナ禍においても伸び続けているのではないでしょうか。

最後までお読み頂いてありがとうございました。
よければフォローなどして頂ければ幸いです。


■参考

外食業界で一人勝ち、新星「焼肉きんぐ」の食べ放題が魅力的すぎる
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