写真

最近の人々は、思い出を写真として残す傾向にある。
たしかに写真というものはとても便利で、その一枚を見るだけでその時の記憶などが鮮明に思い出させる。
私も、写真は好きだ。撮った写真を集めて思い出に耽るのが楽しいからだ。旅行の後などは、その時の写真を眺めて、余韻に浸っている。
先日、一枚の写真を見た。それは、ハリウッドスターがレッドカーペットを歩いている所にファンが沢山集まっているという写真だった。その中の人たちはみんなカメラを構えていた。
だが、最前列に立っている1人のおばあさんだけは、じっとハリウッドスターを眺めている様子だった。その人は、確かに写真を撮るといつでも思い出すことができる。しかし、写真を撮ることによってその時の状況をしっかり眺めることができない、写真を撮る時間があるならば、この目にしっかり焼き付けて心の中でしっかりと思い出として残したいと。
私はその写真を見て、感銘を受けた。
それから私は、美しい景色や素晴らしい状況などは写真に収めることなく自分の目で眺めることにしている。今でもこの胸にその時々の記憶はしっかりと残されている。

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