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大海の一滴

(日本を脱出したり見直して帰ったりして) この地に生きてきた最大の幸運は「死を恐れず、いつでも受け入れる」心境が出来たこと。こりゃ宗教でも悟りでも無い。一番近いのは悩みを知らない子供の心境かな

利点は幾つもある。 

売名欲、拝金主義、我さき、我よし、等の執着からの解放。ストレスフリーの毎日

人との勝ち負けに拘る日々の終わりと、純粋に自分の好きな事に熱中できる毎日

夜寝れなかったり、「思い悩むこと」は無い。

恐れを持つのは、他人や他の存在を傷つける自分自身の危険性。真と善に逆行する何かをすれば、これは(後になって)永遠の後悔という形で自分の魂に襲いかかる。そうしないことは、しかし、苦しんで得心するほどの難行じゃあ無い。

「死を恐れない」生き方には難点もある。

まず、家族や仕事仲間に自分の価値観(死の恐怖が無意味である事実)をストレートに伝えようとすことが出来ない。これは誰もが自分で学び切るための究極の命題だから、人から聞いて「ああ、そうですか」という話じゃ無い。

野心や金銭に拘らない生活は家族から見ると頼りなく見える。家内は苛立たしい日々を送り、息子は落胆する。自分の夫や父親が「いつ死んでもいいし、楽しみ」だなぞと言い出したら「頭がおかしいか、趣味の悪い冗談」としか取らない。

「死ぬのは楽しみ」という自分の心境が周りには結構な迷惑になる。だから自分も若いころの鎧兜(よろいかぶと)を身につけ「我さき・金さき」の競争選手を演じて、社会貢献より損得に拘り、さまざまなポイントを貯め、税負担に苦言を吐き、スーパーでは1円でも安い買い物に心がけ、携帯の月額は最低限に抑える。当然ながら「演じて」いる程度だから今ひとつ迫力に欠けるし、中途半端でしか無い。
日本には「ほどほど」という文化、「まあいいや」という中道の精神がある。これに救われる。

何かの拍子にコロッと綺麗に死ねたら良いと思うが、その時までは興味ある話に聞き入り、安価で美味い物を食べ、だらし無く太らないように日々運動して、新しい知識を仕入れることをやめたりはしない。全ての経験は永遠の価値。自殺なんて、とんでもない。Disney Land の1日を途中で切り上げて帰る人は「楽しもう」という気持ちを捨てた人だけ。無駄な瞬間は一切無いんだ。


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