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で結局、「フォトジェニックな選手」って何なのさ

Photogenic:写真映えする、写真写りの良い、写真向きの。

数日前、「"フォトジェニックな選手"って言っても試合中は必死で顔が崩れちゃうから、結局顔良くないとダメ。顔良い奴は得だよな(意訳」ってツイートがTLを流れてゆき、「いや違うそうじゃneee!」ってしばらく悶々としてました。ので、今日はそのことについて、写真撮る人として書きたいと思います。

しばらく前に「※ただしイケメンに限る」ってタグが流行ってました。そうかルッキズム(外見至上主義、身体的に魅力的でないと考えられる人々に対する差別的取り扱い)は女子だけでなく、男子も直面する問題なんだな。。。って何だかイヤーな気持ちになり。。。

「他人からどう見られるか?」がとても大事な思春期~若年成人期だと、その重圧は計り知れないのが容易に想像できます。
と同時に「ただしイケメン(美女)に限る」→だから自分なんかどんなに努力しても結局ダメだよね、って文脈で語られることが多くて心底残念な気持ちになるし、多くの人をそんな気持ちにさせるルッキズムは、やっぱり害悪でしかない。

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写真の先生に作品を見せ始めた頃、「いい写真を撮ろうと思ったら、イケメンに頼るな」って何度もダメ出しされ、悔しくてその意味を擦り切れるほど考えました。で、今のところの理解としては「確かに顔面偏差値が高い人は魅力的だけど、"魅力"ってそれだけじゃないよね?もっといろいろある、多面的なものだよね?」に着地。

じゃ、魅力って何なのよ?ってしばらく考えて、それは自分がぐっと心を掴まれるような、人や出来事だなって気が付いた。

例えばそれは、対戦相手へのリスペクトだったり、選手同士の仲の良さだったり、試合中めちゃめちゃ楽しそうだったり、ガチンコに勝負に向き合う気持ちだったり、優れたキャプテンシーだったり、目立たないけど献身的に選手を支える姿勢であったり、人知れず誰よりも努力して、その結果であるいいプレイだったり。。。。

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そういう人やシーンが「魅力的=フォトジェニック」な訳で・・・
全然顔面偏差値だけでおさまる話じゃない。確かに試合中はみんな必死なので、コンタクトプレーでものすごい顔になってたりするけど、そういう写真は人知れずごみ箱に葬ります笑。

ルッキズム滅びろ、フォトジェニックって全然、「外見」みたいなちっちゃな枠に収まる話じゃない。

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他の人とは一切重複しない、その人特有の魅力がいくつも組み合わさって、その人を形作ってる。その中に「顔面偏差値」も含まれてても構わないけど、それは単なる「魅力的な面」の一つに過ぎず、それ以上でもそれ以下でもない。
しかも「その人の魅力」って多面的どころか立体的な面の組み合わせになっているので、同じチームの写真を撮り続けても毎回違う発見があるし、何度通っていても、無限に砂金が落ちてる河原で延々とそれを拾い集めていくような楽しさがあります。

そしてその魅力を他人が理解するためには、話を聞かせてもらうことが一番役に立ちます。いろんな話を引き出せるようになるのも、写真撮る人には大事な能力の一つなんだなって、最近思います。

人の魅力とは多面的・多元的で、あなたの魅力はもしかしたら、まだあなたが知らないだけかもしれない。
その魅力を・美しさを知っていて、形にできるのが良いフォトグラファーだし、そうなっていきたいです(照

最後に。
緊急事態宣言継続で時間を持て余していたら、もう3年くらい前のだけど、私の好きな動画を見てください。このストーリー自体がルッキズムだって批判もあるのだけど、個人的には「(サーフィンを)めっちゃ楽しんでやってるうちに、自分で自分の魅力を掘り起こしていった」オタクの話だと思ってます笑


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