![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68719807/rectangle_large_type_2_2bd089a3ac38a5c6c70a4325041c2ea7.png?width=800)
超軟水の「天満天神の水」で出汁をとると出汁がよく出る?→実験しました。
大阪天満宮の境内から汲み上げられる地下水(見出し写真はくみ上げられた地下水が流れる「天満天神・神水社」)。膜濾過を施すことで、安心安全な超軟水となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1640742152711-ZchxVFSjlr.jpg?width=800)
大阪の昆布出汁文化、東京の鰹出汁文化、という言い方することがあります。大阪の軟水が昆布出汁をよく出すのに対し、硬度の高い東京の水が昆布出汁成分の抽出に向かず、そのため大阪では昆布出汁が、また東京では鰹出汁が優位となったとされます。
超軟水の「天満天神の水」と水道水。出汁の味にどのくらい違いを感じるのかを確かめようと、出汁の官能評価(飲み比べ)を行いました(2017年2月、5月)。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59684829/picture_pc_30dc294d7140d3a1d3bd0484df9b0abe.jpg?width=800)
まったく同一の材料と分量、同じ道具でとった出汁。異なるのは水(天満天神の水・水道水)のみです。鰹を入れている時間などはストップウォッチで厳密に計測しました。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59744597/picture_pc_04201b16239fc9b124b341e8d4c3b76d.jpg?width=800)
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59687540/picture_pc_db263baf0290ffb66476bc2963aa541c.jpg?width=800)
実験では、リサーチアトリエ(5月の実験では、関西大学なにわ大阪研究センター)を訪れ、実験に参加してくださった方々に、旨み、甘み、香り、まろやかさ、こく、好みの味の 6 項目について、色違いのシールを貼ってあるカップのうちどちらの評価が高いかを選んでもらいました。3回合計で、144名の方に参加いただくことができました。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59686904/picture_pc_4ca42979d3fa091dbb9ed57531863520.jpg?width=800)
実験の詳細と分析結果は、以下の論文に報告していますが、ここでは、ごく簡単に結果をご報告します。
与謝野有紀、林直保子、老川典夫、山本秀樹 (2021) 「ポジティブネットワーク形成の主軸となる地域産品の特性、機能、条件」 『社会的信頼研究』,2, 25-42.
実験の結果、旨み、甘み、香り、まろやかさ、こく、好みの味の6項目すべてで、「天満天神の水」の出汁は水道水の出汁の評価を上回っていました。また、詳しい分析の結果は、「天満天神の水」は、水道水よりも昆布出汁の旨味成分をよりよく引き出しているというものでした。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59686823/picture_pc_7b1d655339f73425bd52ff81c51b528d.jpg?width=800)
「天満天神の水」を仕込み水につかった「祝うてエール」は、泡がクリーミーで泡もちがよいビールですが、この水は昆布出汁の旨味もよく引き出すことが、実験で示されました。大阪天満宮の地下70メートルからくみ上げられた水は、大阪の昆布出汁文化の伝統を受け継ぐ水といえそうです。
![LINE_ALBUM_祝うてエール2021_210920_13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62320363/picture_pc_2f82a783828fe7941fe2fa2df5e295e9.jpg)
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