マリアブルー

先日、旅先で教えてもらった“マリアブルー“。

とっても素敵な色だったので、ネイルを替えるときに思わず選んでしまった。
“しまった“というのは、勢いで選んだけれど、これ果たして40代が付けてて良い色かしら?とちょっと冷静になったから。

このネイルで作ったご飯は、美味しくなさそうだ。
でもネイルは約3週間で付け替えだし、暫く指先にマリア様と旅の想い出を宿しておくのも、悪くないかな?と思い直した。


昔から、なぜか相談事を持ち込まれることが多かった。
あまり積極的に話を聞きに行くタイプでもないし、余計なことも喋らないから、逆に話しやすいと思ってもらえてるのかな、と勝手に思っていた。

先週、人生の先輩と夜な夜な話し込んでいた時に、どうも私はイメージカラーが無いらしい、というような事を言ったら、『白だね。相手に合わせて色を変えられる』と即答された。
先日、他の友人にも白だと言われた、と言うと『そのままでいなさい。一番良いところだから』と彼は微笑んだ。
変わらなくて良いこともあるんだよ、と。


出産後、なかなか母乳が出なくて、病院の授乳室で独りで泣いた。
満足に出るようになったのは、退院して2日ほど経ってからだった。
2人目を出産後もやっぱりなかなか出なくて、でも前回の経験から私は落ち着いていた。

夜中の授乳室は、辛そうな初産後のお母さんが入れ替わり立ち替わりやってくる。
驚かせないようにそっと話しかけると、彼女たちは例外なく『いつになったら出るんでしょう?この子が心配で申し訳なくて。』とポロポロ涙を溢した。
自分も全然出なかった、今回もなかなか出ないけど、いずれ出るようになるから大丈夫!と話すと、ホッとするのか出産のエピソードを話し始めたり、笑顔が出てくる。
翌朝、授乳室で再度会うと、『あれから良く眠れました!』と彼女たちはみんな晴れやかな顔をしていた。


育児中、よく児童館に通った。
ママたちの座談会に何度か参加するうち、職員さんから次回も出てね、とご指名いただくようになった。
『Solaさんが話聞いてアドバイスしてくれるだけで、育児頑張れるってママ達からリクエストがあるのよ』と。
ママ友がいても、実はママ達はとても孤独だ。
それは、私自身も感じてきたこと。

決して理想的な生き方をしているわけじゃない。
悩んで、迷って、どうしようもなく後悔もしたりしている。
真っ直ぐ、正直にばかり歩いてきた訳でもない。

悩んでいるひとがいたら寄り添いたいし、話を聞いてあげたいと思う。
的確な言葉をかけてあげられはしないけれど、なるべく、そのひとが言いたいことを正確に理解して、似合う言葉を探して渡してあげたい。

10数年前、同僚だった友人は私のことを『皇室級の微笑みで、話を聞いてくれるひと』と常に言っていた。
その頃は、“なにその例え!“と笑い飛ばしていたけれど、ふと今になって、ああ、自分は“人に寄り添いたい“といつも思いながら生きてきたのかもしれない、と気付く。
産後のママ達も、育児中のママ達も、女性としての生き方に悩んでいる少し歳下の女性たちにも、家族や大切なひとたちにも。


このところ、悩むこと、迷うことが急に沢山降ってきて辛かったけれど、あの街に行って、何となく自分のライフワークと、生まれ持った使命が分かってきたような気がしている。
いつも真っさらな心で、ひとと向き合いたいと思う。
誰かが必要としてくれるなら、心に寄り添っていきたいと思う。
マリアブルーのように、深く静かな心で。

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