終わりと始まり

3月28日20時17分、またひとつ歳を取った。

去年の今日はどんな風に過ごしたんだっけ?と考えたけれど、あまり良く思い出せない。
多分、入園と入学準備で慌しく過ごしていたのだろう。

来年の今頃は何をしているのだろう?
ついこの間まで、平穏な日々が続くと思っていたのに、ここへ来て仕事や生活の先が見えなくなって、9年前の震災直後と同じような薄っすらとした不安が常に漂っている気がする。

今回の騒動で社内の採用事項はほぼストップした。
決まっていた異動が白紙になりそう、と伝えられたのは先週初め。
外資勤めをしていると良くある話だし、今回は全世界的にインパクトが強い事態だから、ある意味想定内で冷静に受け止めた。

一方で外でのポジションも探しているけれど、いくつかは同じように採用自体を一時停止する企業も出て来て、そう見通しは良くない。
完全にタイミングが悪過ぎる。

仕事は5月末まで残っているし、今は役割をこなしてゆくのみ。
在宅勤務の合間を縫って、昨日は誕生日休暇を取った(ぼんやりしていると取得しないまま退社になりそうだから)。

ふと思い立って、仕事運が上がるという神社へ足を運んで、石段を一気に登った。
帰宅した夫は、『本当にいつも発想が斜め上だよなぁ』と半ば呆れ気味に笑ったけれど、私は結構本気でピンチをチャンスに変えようと思っている。

実は先週末くらいに、急に気持ちが切り替わって、それまであれこれ悩んだり考えていたことが、自分から切り離された気がした。
いつもなら、色々と考えたり悩んだりしながら徐々に気持ちを切り替えていくのだけれど、今回は見事に、朝起きたら全く違う世界線へ飛んできたかのように思考が切り替わっていて、正直とても困惑した。
前の思考に一旦戻ろうとしたりしたけれど出来なくて、これはもう元の世界には戻れないのだな、と悟った。
何だか良く分からないけれど、多分これもきっと神様のレシピなのだと。

そんな中での今後の見通しの悪化だったから、ああきっとこれは他の悩みは切り離して、キャリアの事だけしっかり考えなさいという啓示だったのだなぁ、と勝手に理解した。
いくらマルチタスクが得意であっても、人生に関わることはマルチタスクでなく一つ一つ向き合っていかなければならない、ということだと。

背筋を伸ばして、真っ直ぐ前を見て。
来年の今日、笑えているように。
頑張ろうね、新しい私。

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