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前編「変動金利vs固定金利」

※2020年2月掲載コラム
住宅ローンを組む際に変動金利か固定金利か、どちらを選択するべきか悩む方は多いと思います。
そんな悩みを解決する為、住宅ローンアドバイザーの資格を持つ長谷川がわかりやすくご説明します。

2020年2月現在、メガバンクを筆頭に変動金利は0.4%前後(中には0.3%台も)、固定金利は約1.3%前後、開きとしては約1%程になります。

変動金利は、一般的に5年毎に返済額が見直され(元利比率は半年毎に見直されます)期間支払額の1.25倍を上限に返済額が変動します(10万円返済の場合は上限12万5000円)。

固定金利は名前の通り返済期間、支払額が一定です。

どの金融機関も現在、変動金利<固定金利であり、変動金利の方が支払い金額が抑えられますが、一定期間以降、支払い金額が変動する為、リスクが伴います。

ローン計算の際、私流のかなりざっくり計算になりますが、3000万、35年借入(期間は一般的)、金利1%で「利息」の総支払額は600万で考えると便利です。
6000万円借入、35年間、金利1%、利息支払額1200万、総支払額が7200万円になるということです。
(1200万円も金融機関に対して利息を払っているのです!単純計算で35年間、毎月2万8500円!)

バブル期は金利が8%超であったので、金利だけで住宅がもう一軒買えたというのはあながち間違いではなかったのです。



重要なのは金利がどのように決定されるかです。



変動金利は、各金融機関が決める「短期プライムレート」と呼ばれる金利に連動します。
この短期プライムレートとは、銀行が財務体質など良好、返済不安がないなどの優良企業に対して、1年以内の短期間だけ貸し出す、最も優遇された金利のことです。
そして、このレートは金融機関同士がお金を貸し借りする際の「市中金利」に連動し、この市中金利をコントロールしているのが日本銀行の「政策金利」なのです。

つまり、短期金利は日銀の政策によって決まってくるのです。
景気が良くなれば、日銀は短期金利を上げるように動き、景気が悪くなれば下げようとします。

一方、固定金利は日本国債10年物金利を基準に設定されます。
一部例として(その他要因として物価、為替もあります)景気が良くなれば、企業の業績が良くなり、国民の所得が増え、消費が増え、更に企業にお金が集まります。
市場では企業の業績が良くなれば、株価が上昇し、株にお金が集中する為、国債等の債券価格が下落し、利回りが上昇します。

景気が悪くなれば、企業の業績が悪化し、国民の所得が減少し、消費が落ち込み、更に企業の業績が悪化します。市場では、企業の業績が悪くなれば、株価が下落し、投資家はリスクヘッジで株を売却し、安全性の高い元本保証(ほぼ)の国債にお金が集中する為、債券価格が上昇し、利回りが低下します。

日銀はこの国債を大量に買い入れ保有することで、国債金利を調整し、景気の調整を行っています。
固定金利はこの国債10年物金利を基準に決められます(一定期間固定金利は円金利スワップレートに影響)。
よって固定金利も日銀の政策次第で決まります。


日銀の政策、景気動向を読み解くことが、変動金利か固定金利、どちらの選択をすべきかの重要な手助けになります。


世の中の動向を掴むことが難しくても、会社員の場合、自身が勤める企業の先行きはある程度は肌で感じられる部分があるかと思います。
雇用されると言うことは、雇用主の企業に対する自身の最大の投資とも言えます。
この先も長期間働き、安定した収入を得られる見込みがあれば、変動金利にすることをオススメしています。
(ただし、金利変動時、返済額増減にある程度は耐えられるキャッシュの余力も必要になります)


一方、ステップアップを図り、何年か毎に転職を視野にいれている方、フリーランスや経営者の方にとっては、リスクを抑える固定金利をオススメしています。


ちなみに変動金利でローンを組み、金利が上昇した場合に固定金利に借り換えれば済むと思う方も多いかもしれませんが、借り換えたい時、既に固定金利は変動金利より高い金利に設定されているので、条件面では不利になり、逆に固定金利を組み、状況を見て変動に切り替えることも出来ますが、借り換え手数料等が高額な為、住宅の売却益で賄う以外の方法はあまりオススメはできません。
また、一定期間固定金利プラン(10年間固定、その後変動など)は、当初期間終了後の金利の引き下げ幅が小さく、その時の変動金利より高い金利設定が残存期間に続いてしまうリスクもあります。


続く



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