見出し画像

後半【億ション不動産を手放すべきか】

※2020年5月10日掲載コラムです。 
③今後の経済状況から

・東証REIT指数のチャート分析

リーマンショックを遥かに超える、コロナショック。
世界大恐慌並み、あるいはそれ以上の経済危機に直面しています。
1929~33年の大恐慌で米国は実質GDPが約3割縮小し、失業率は25%に達しました。
人々の活動を抑制することが感染防止対策であるだけに、経済の下押しはあらゆる産業に及ぶと言われています。



J-REIT(不動産投資信託)市場にも多大な影響が及んでいます。アベノミスク効果により2012年から2019年にかけて大きく躍進した東証REIT指数。
市場全体の値動きを表わす東証REIT指数は2,000ポイント台から一時1145ポイントまで急落し、直近高値から安値までの下落率は▲49%に達しました。
その後は反発に転じたものの3月の下落率(▲21%)は月間として過去2番目の大きさとなりました。


急落要因としては
(1)あらゆるリスク性資産を売却し現金化を急ぐ「需給要因」
(2)日増しに悪化するパンデミックへの不安感といった「心理要因」
(3)将来の不動産価格の下落を見据えた「ファンダメンタルズ要因」
が挙げられます。


チャート分析をしてみます。

年初来高値の2255ポイントから1145ポイントまで約49%値下がりしています。その後、5月現在では、1655ポイントまで回復しており、急落からの半値戻しのポイントが1695近辺となりますので半値戻しは達成しています。この半値戻しが、高値切り下げポイントとして機能し、ダウ理論ではトレンド転換の判定が行われようとしています。

グランビルの法則に当てはめても、移動平均線がお辞儀する形となる典型的なパターンと言えます。

また、2016年ドル円のチャイナショックによる、急落から現在に至るまでの円高相場も最高値が125.85円、最安値が99.004円、半値戻しラインは112.42であり、一時的に2016年11月から米大統領選挙でトランプ氏が勝利したことで財政拡大型の景気回復期待が強まったことなどから、ドル高円安傾向になりましたが、再び、実線に関してはこの112.4ライン付近で強く抑えられている状況です。


この様に強いトレンド形成後、急落からの半値戻しというのは、その後の市場にも大きく影響を及ぼす投資家の基準ラインであり、経済の先行きの不安から高値を切り下げていく傾向がとても強いと見ています。


不動産市場は2019年がピークであったと考えられます。


・爆買いした中国人のその後の動向

五輪と円安で加速した「爆買い」
もともと東京の不動産価格はニューヨークやロンドン、香港などと比べて割安とみられてきましたが、2013年に東京オリンピックの開催が決まったことで海外投資家の目線が一気に集まりました。
円安も追い風となり中国マネーの流入が続き、都心部の地価は年々上昇し、その後、地価の高騰に伴い、世界的に見た東京の投資妙味は薄れました。



日本の都心部の不動産投資表面利回りは2013年に5.85%でしたが、2019年は3.07%まで下がり(アメリカは11.24%)、タイやマレーシアなどを下回ってアジアの中でも下位に落ち込みました。
このような状況の中、中国人投資家のタワマンや一等地マンションへの投資は既に手仕舞い傾向にあり、次なる投資先は利回りの高い、東京の築古一棟物件や再建築不可の中古戸建をリフォームし、外国人向けに貸し出すことに照準を合わせ始めていました。



以上、①〜③の観点から、相談者へ売却を勧めました。
既に次の物件の買い替えをしており、5年居住し購入金額より高値で売却が出来る為、支払った5年分のローンの元金が手元に残ります。
指値であり、本来の売却希望額から金額は大きく下げることになりましたが、コロナ状況下、損切りではなく立派な「利確」が出来たのは素晴らしい結果であったと考えます。


長谷川


#sollabo  #不動産 #不動産仲介 #豊洲 #賃貸 #売買 #ソルラボ #部屋探し  #東京 #江東区 #23区

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?