側湾症と生きる!ー①発覚ー

前屈テストで側湾症発覚

側湾症が発覚したのは14歳でした。
中学校の健康診断で行った前屈テストで、要検査の結果が出ました。
私の学校では、その年に前屈テストが初めて導入・実施されたため
それ以前には側湾症に気づくことがなかったのです。
思春期に発症することが多い特発生の側湾症なので
この検査で比較的早いうちに気づくことができて、良かったと思います。

前屈テストでは、前屈をして両肩が同じ高さになるのが正常なのですが
私は左の肩甲骨が圧倒的に高くて、
誰が見てもわかるほどはっきりとした結果が出ました。
ただ、自分の背中のことなので
自分でわかることがありませんでした。

それまでの人生で感じていた違和感としては、
長時間座っているとあらわれる左腰の痛みでした。
いつからかは覚えていませんが、授業中、短い時は1時間もしない間に
左の腰付近に言葉説明できない痛み?違和感が現れます。

この違和感については、長い間母親にも相談していて
内臓が悪いのか?など色々話して調べたりもしましたが
結論には至らず…。
この謎は、前屈テストで左肩が上がっているという結果をもって
答えがほぼ明らかになりました。

初めての病院

要検査の結果を受け、母と市立病院へ行きました。
レントゲンの写真を撮って、おじさん先生に説明を受けました。

話によると、特発生側湾症
思春期に多く、原因は不明。
ただ、最近研究が進んでいる分野で学会なども存在しており、
県内には優秀な執刀医も多くいる。

私の背骨はその当時40度ほど曲がっていました。
曲がっていたというか、歪んでいました。
横にただ曲がるのではなく、背骨がS字カーブしていました。
初めて自分の背骨が曲がっているのを目の前にして、
驚いたのは当然でしたが、
私はそれが今まで感じていた
左腰の痛みの原因であることを瞬時に理解し、
内臓の病気でなかったことに安心したような覚えがあります。
とは言っても、
歪んだ自分の背骨のレントゲン写真を目の前にして、
この歪んだ背骨が今自分の体を支えていることに不安も感じました。

その日そのおじさん先生から頂いた言葉は
現時点で40度を超えていながら成長期であるため
今後も進行が予測されること。
成長期が終わる頃には50度から60度の歪みにまで進行すること。
45度以上は手術が推奨されること。
進行を遅らせるための器具を付けることは可能であるが
年齢的に若干手遅れであること。

手術をしない=死んでしまう 病気ではないこと。
手術をするかしないかは本人の意志に一任すること。

それまでの人生で、手術という選択肢がなかった私は、
痛いのは嫌だ、
どれだけ腕の良い先生であっても、
100%成功する手術がこの世にない限り手術はしないと
それしか考えられませんでした。

そして何より、手術をしないと死んでしまうわけではない
ということが私の中で引っかかりました。

もしも、左腰の違和感がさらに進行し
自分が40・50代になってひどい腰痛の原因になったとしたら
手術しなかった自分を憎むのではないか。
80代になって、ひどく腰が曲がったら、
10代の自分を憎むのではないか。

そう考えながらも、
いやいや、10代の今の自分なら
この違和感=痛みに耐え抜くことができる。
将来的の痛みは、将来の自分が考えるだろう!
とにかく手術はしない。

安易な考えしか出来ませんでした。

手術をおこなった同年代の子の背骨写真を見せていただいたり、
逆に手術しなかった子のお話を聞いたり。

「とにかく、死ぬ病気じゃないから。
ゆっくり考えて。」
おじさん先生はそう言ってくださり、
側湾症を扱う大きな病院への紹介という提案をいただきました。

その後も、
1ヶ月後おきにおじさん先生のもとに通院しましたが、
いただけるお話は
「手術するかしないかは君次第。」
「手術しなくて死ぬ病気ではない。」
「だが医者としては手術を奨める。」
という同じこと。

おじさん先生にとっても、ずっと曖昧に悩んでいる私に
かけられる声はそれしかなかったのだと思います。

手術を強要するわけにもいかないし、
なんせ”した方がいいけどしなくても良い手術”という
曖昧な立ち位置だったから。

母親は、決断を急がなくて良いと言ってくれながら
手術しないなら「しない」と
先生に伝える必要があると私に言いました。

そして「手術はしない」とおじさん先生に伝えた上で、
より詳しいお話とセカンドオピニオンを取り入れるため
提案してくさった大きな病院への紹介状を書いていただきました。

次回:③紹介してもらった病院と有名医師

本記事はここまでになります。
次回も読んでいただければ幸いです。

ありがとうございました!


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