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90歳代の大拙「東洋的な見方」Keyword で見る

 こんにちは。鈴山です。

 大拙の晩年93歳頃に発行された『東洋的な見方』と、95歳頃発行の『東洋の心』には、90歳前後に書かれた短編が収められています。ここでは、『東洋的な見方』に出てくるキーワードを多く出てくる順に並べてみました。これら二冊の本には、「即非の論理」「超個」「宇宙霊」などの文字はあまり出てきません。「霊性」の文字は『東洋的な見方』に20回出ていますが、『東洋の心』には4回しか出てきません。意外なのは「華厳」で、『仏教の大意』以降は増えているのかと思っていましたが、下表では欄外となり、『東洋的な見方』で2回、『東洋の心』で3回出ただけでした。晩年に特徴的に多くみられるキーワードは、「禅」は当然として、「東洋」「自由」「二分性」「科学」「組織」など、それに、「矛盾」「無限」も結構出てきています。

 限られた著作で調べた限りではということになりますが、晩年の大拙は、西洋と東洋の違い、知性や科学と二分性、今後の日本の課題として [組織のあり方] などに主題が移っているようです。そして、本丸の禅意識・無分別智については、真の自由とか、矛盾、無限という言葉となって現れてきています。最晩年の大拙は、自ら70歳代でひねり出した衆目を集める新奇な文字をあらかた手放してしまって、普通の言葉を用いて悟りへの道を私たちに示そうとしているようです。

Aki.Z

「東洋的な見方」の頻出 word 多い順に


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