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盤珪禅師の不生禅

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盤珪禅師の不生禅のまとめです。 鈴木大拙の不生思想についても解説します。
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盤珪禅師の不生禅「6つの教え」

盤珪禅師の不生禅「6つの教え」

更新 2024年4月7日

 盤珪禅師の教えはシンプルで、「不生で一切が調う」と言い、「まずは30日間、ただ思念を静めてごらん」と提案します。 ここでは、盤珪禅の骨子を6つの項目にまとめてみます。

1. 不生で一切がととのう

 人はみな、「不生の仏心」ひとつを抱えて生まれてくる。ところが、人は、その尊い仏心を、怒りや欲などの念に変えてしまう。不生のままでいれば、一切がととのうのに。

2. 仏

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鈴木大拙の不生思想 「ただ不生のまま」

鈴木大拙の不生思想 「ただ不生のまま」

更新 2024年5月12日

 盤珪禅師は江戸時代前期に活躍された臨済宗の僧で、いわゆる不生禅の生みの親である。禅師は「不生を念に変えるな」、「30日間だけ念を消す努力をしてごらん」と言う。

 (不生禅の要旨は ↓ 参照)

 この不生禅だが、後世に残された盤珪禅の聞き書きを読むと、「仏心」の文字が目立っている。また、現在世に出ている解説書を見ても、盤珪が「不生」とのみ言っているところを「不生の

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盤珪-大拙の不生思想 「不生禅~生誕400年」

盤珪-大拙の不生思想 「不生禅~生誕400年」

 盤珪永琢は、江戸時代前期に活躍した臨済宗の僧侶。有名な白隠禅師より64年早く1622年4月に生まれているので、今年は生誕400年の節目にあたります。盤珪の名は長く忘れられていましたが、明治から昭和に生きて世界の禅者とも呼ばれている仏教哲学者の鈴木大拙により再発見されました。

 盤珪禅師はやさしい日本語で禅を説きました。盤珪の教えはシンプルで、まずは30日間、身びいきや、怒りや不安、疑い、欲など

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「趙州無字」と「不生」 鈴木大拙の解説

「趙州無字」と「不生」 鈴木大拙の解説

 こんにちは、鈴山です。

 禅で最も有名な、趙州和尚の「無字」について、鈴木大拙の解説を見つけましたので、ご紹介します。これは、盤珪禅師の「不生禅」の説明の中に出てきます。

 大拙は、つづけて、趙州和尚の「無字」について、以下のように説明します。長いので、説明文章は一部省略します。

 ここにも、大拙のいう「禅の思想」、すなわち「矛盾同一」が見てとれると思います。もうひとつ、大拙は不生禅につい

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