不定期にやってくる漠然とした不安の話
もう十五年くらい前からなのだが、時々、どうしようもなく落ち込んでしまうことがある。
落ち込むというか、鬱屈するというか、不安を覚えるというか……。上手く言葉に出来ないけれど、喉の奥から圧迫されて、呼吸の仕方が分からなくなるというか……そういう感じ。
些細な悩み事が積もり積もって重なって、気づかないうちに肥大化して、自覚した時にはもう、「全部辞めちゃったら楽になるかな」なんて考えている。
つい先日も、久しぶりにそんな状態になった。
きっかけになったであろう些細な悩み事たちは解決策も落とし所も見えていて、対策も終わって、あとは時が経つのを待つだけの状態になっているのに、どうしようもなく不安で怖くて吐きそうで、大好きな食べ物も全部、口に入れたら味がしなくて、砂を噛んでいるみたいだった。
頭の中に色んな思考が巡って、四六時中感じる必要のない苦痛を感じていた。相反する考えを含む色んな考え方の自分が頭の中で喧嘩しているみたいだった。
「諦めちゃおうかな」と崖下を見下ろす自分。
「こんなの大したことないって」と自分を励ます自分。
「あいつが悪いのになんで私が悩まなきゃいけないの」と怒り散らす自分。
「他の人はきっとこんなこと気にしないのに、私が弱いから悪いんだ」と自分を責める自分。
それらを眺めて「困ったなあ」と、ただただ傍観する自分。
他にも沢山いたと思う。落ち着いた今となっては大半を忘れてしまったけれど。
悩み事のことしか考えられなくなり、眠れない夜がやってきて、朝方に限界を迎えては気絶するように眠りについて、昼夜逆転の生活が始まる。
時間帯を問わないタイプの在宅ワークをしているため、重い体を引き摺って無理矢理出勤する必要が無いのは有難いのだけれど、人として正しくない生活サイクルに身を置くと私の場合、不安はますます大きくなる。
実際のところ、やるべき事は片付けられているので気にする事はないだろうに、昼過ぎまで活動できない自分が人間のクズに思えてしまったりして。
今回は私の様子がおかしいことに気づいてくれた家族に話を聞いてもらい、メソメソ泣いて、認識できていなかった理不尽に気づき、然るべき相手にきちんと反論し、小旅行で気分転換し、極めつけに仕事を迷惑にならない程度に減らしてもらったことで、ようやくこうして気持ちを明文化できるまで回復した。
まだ後遺症のようにモヤモヤとしたものが頭の中に残っていて、上手く笑えないでいるのだけれど、経験上これは時間が解決してくれるだろう。
こうしてある程度気持ちを落ち着けることに成功した今になって、自ら命を絶とうとして生還された方がテレビのインタビューで数年前に言っていた「突然、『あ、今だ』と思ったから飛び降りた」という言葉を思い出した。
何度もこの鬱屈とした乱気流みたいな気持ちに襲われるなら、いつかその感覚が自分にも訪れないとは限らないと思うと恐ろしくなる。
やりたいことは山ほどあると言うのに、急にやってきた精神不安のせいで衝動的に消えてしまう日が来るなんて絶対に嫌だ。
よって、そろそろ流石にメンタルケアの具体的な方法を模索しようと思う。
年齢を重ねれば図太くなるかと思っていたけれど、スポーツやゲームと同じく、弱点はちゃんと対策しなければならないようだ。
……というわけで、まずは本を買ってみた。
表紙買いが功を奏し、かなり心が軽くなったので、似たような悩みを抱えている方にぜひ紹介させていただきたい。
※一読者による個人的なオススメです。
こちらを甘やかすだけではないのに、説教臭くないせいかねこちゃんが可愛いお陰か、嫌な気持ちにならず、気分を切り替えさせてくれる。
生きづらい悩みを抱えている方はぜひ手に取ってみてほしい。
……さて、2キロ痩せるくらいの落ち込みを一応は乗り越えたわけだけれど。
考えてみれば私、特別しんどい仕事もしていないし、夫には甘やかしてもらっているし、食うにも困っていない。かなり恵まれている。
もう少し気楽に生きる術、早いところ見つけられるといいなあ。
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