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三十路で肌質変わったからメイクも変えてみた

 30過ぎると体質変わるよー。
 なんて言われたことのある方も多いのではないだろうか。当然私もアラサーに足を突っ込んだあたりから色々言われてきたけれど、実際のところ、変化は30歳になる前からじわじわと訪れていた。
 初めに顔のみならず全身が乾燥しやすくなり、次に肌の色味が変化してそれまで使ってきたファンデーションやアイシャドウが合わなくなり、直近ではマスク社会になったこともあり、油断するとほうれい線にファンデーションが溜まるようになった。表情筋が落ちてしまったらしい。
 これはまずいと腰を上げ、YouTuberさんからメイクを学び、手の届く対策などしてみたけれど、どれも失敗。そもそも美容系YouTuberさんは当然のようにうるぷる肌である。参考にできるはずがないし、私の金銭感覚では彼女らがしているようなお高いスキンケアや美容施術に手を出す気も起きない。

 というわけで、何とか自己流メイクで見た目だけでも対策を試みた。私が行き着いた不快感の少ないメイクを、メモがてら同じ悩みを抱えるアラサーへ共有したいと思う。

 まず乾燥する部位なのだけれど、私は鼻の下から唇にかけて、いわゆる人中における皮むけがすごい。ファンデが浮いて浮いて仕方がないので、マスクを外さないとわかっている時にはそこまで大きくはみ出してリップクリームを塗り、乾燥を防いでいた。当然、それはもうテッカテカである。
 しかし、どうしても外出には飲食が伴うわけで、その度ファンデを塗り直すのも面倒くさく、多くの方にこの対策は現実的でない。もちろん私も毎回そんなことは出来ないので、基本的にはファンデが浮くに任せていた。
 そんな中、ふと気づく。

 あれ、もういっそ、ここファンデ塗らなきゃいいんじゃない……?

 小鼻脇の赤みだけコンシーラーで隠したら、鼻の下にはファンデを一切塗らないことにした。当然パウダーも乗せない。唇の上の赤みが気になる時にはハイライトをまぶして誤魔化す。
 この「塗らない」という選択肢、とっても良かった。塗っていないものは浮かないし、さらにファンデを塗らないことで刺激が少なくなったのか、皮むけも以前ほど気にならない気がする。

 同様にほうれい線のヨレと溜まりも、そこだけ塗らない、またはめちゃめちゃ薄くすることで対策している。ほうれい線の影が目立つようになってきてからというもの、必死にコンシーラーで隠してきたが、なんなら塗らない方が目立たなくなって笑ってしまった。
 ほうれい線自体にかからないよう、ハイライトを少し上目に入れてやると、より目立たなくなるのでおすすめだ。

 続いて肌色の変化。私は割と元々肌が白い方で青クマや血管が目立つのだが、以前は明るいファンデを塗ることで全て飛ばして対応していた。力技だが楽だし、それで何とかなっていたのである。あまり外に出ないことも幸いして、特に対策せずとも首と顔の色が違うなんてことにもならなかった。
 しかし、今思えばそれも若さゆえ。ある日突然、顔だけが何だか白すぎるように思える日がやってきた。ショックを受けつつも少し暗い色味のものを買ってきたら、そちらの方が似合ってしまう。悲しいけど年齢を重ねれば肌もくすむよね、と納得し、買い替えた若干暗い色味のファンデーションを遣うようになった。

 問題は飛ばせなくなり、浮き彫りになったクマである。

 まあまあ。クマなんて割と誰にでもありますから。などとしばらく気にせずいたけれど、快調にも関わらず「大丈夫? 顔色悪いよ?」と問われるようになった。これはまずいということでまずコスメ比較サイトで人気の液体コンシーラーを買ったわけだが、悲しいことに濃い青クマは全く消えない。むしろ明るい色を買ったせいで青さが際立ってさらに具合が悪そうな始末である。これは失敗。
 次にカバー力の高さで売っているちょっとお高めの固形コンシーラーを買ってきた。ほんの少しでカバーできたので一旦ほっとしたのだが、今度はテクスチャが固すぎて皺に溜まり、ヨレまくる。これも失敗。
 諦めかけたところで、バズり動画が流れてきた。ファンデの下に赤やオレンジのリップを仕込むことで青眉が隠れるという趣旨の動画である。これだ! と思って試した。……まあ多少マシになった気はするが、動画でいわれているほど劇的には消えない。しかも時間が経てばまた浮き上がってくる。
 とはいえ、これまでほど明らかに失敗ってほどでも無いし、まあプチプラじゃこれが限界か、と自分を納得させた。そこからはリップをオレンジチークに変えたりアイシャドウに変えたりしながら落としどころを探して過ごしていたのだが、ここにきて革命が起きる。

 安いし試してみるか、と気まぐれで買ったキャンメイクの「カラーミキシングコンシーラー」。これが天才だった。

 私の青クマはどれだけ寝ようと保湿しようと常にとんでもなく濃いため完全に消えるところまではいかないのだが、少なくともこれまで試した中で一番目立たなくなる。本来はファンデの上に使うものなのだろうが、あえて下に仕込むことで長年の悩みがかなり解消された。仕込むなら03番の1番右のカラーがおすすめだ。涙袋にかからない程度に、クマとそうでない部分との境目あたりを狙って乗せ、外側に向かってぼかすとヨレにくい。その後、一番左のカラーを重ねるか、ファンデを乗せてしまえば完成だ。やつれて見えた顔が一気に明るくなる。

 肌悩みに応じて変えたのはこんな所だろうか。チークや眉毛については自身に似合うメイクが未だにつかめず、迷走中。また気づきがあったら記事にするかもしれない。


 私は「メイクも服も年齢相応に!」とはあまり思わない。自分が自分に似合うと思うメイク、やりたいメイクをすればいいと思う。
 けれど、その「似合う」と「やりたい」が年齢を重ねるごとに乖離していくことがある。私はそうだった。だからいろいろと自分の身の丈に合った金額のアイテムを用いて試行錯誤し、いい落としどころを見つけたと思っている。
 私は有識者でも何でもないけれど、自分なりに試したことが、もしや悩める誰かのためになるのではないかと、こうしてしたためた次第だ。もし気になるものがあれば試してみていただきたい。
 「歳だから」と諦めてきた「やりたい」メイクができるようになった暁には、あなたがより一層輝くはずだ。

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